ノーベル賞を彩るスペイン文学の魅力

    1. スペイン語会話・一覧


    さあ、今日も元気にスペイン語でコミュニケーション!

    スペイン文学はノーベル賞の宝庫!?庶民の目線で社会を描いた、味わい深い作品がたくさんあります。

    さっそく今日の会話をのぞいてみましょう!

    ノーベル賞を彩るスペイン文学の魅力

    スペイン文学とノーベル賞

    Yurika: Anda, eso es un billete de 2000 pesetas, ¿verdad? Qué cosa tan rara tienes…

    あら、それは2000ペセタ紙幣ね?珍しいものを持っているのね。

    María: Lo guardo como recuerdo. Mira, lleva la cara de Juan Ramón Jiménez.

    記念にとっておいたのよ。ほら、フアン・ラモン・ヒメネスの顔が印刷されているわ。

    Yurika: Lo conozco, es un poeta que ganó el premio Nobel en 1956.

    知っているわよ、1956年にノーベル文学賞を受賞した詩人よね。

    María: ¿Te acuerdas del pueblo de Huelva que visitamos el año pasado? Él nació allí.

    去年ウエルバ旅行で訪れた村を覚えている?あそこで生まれたのよ。

    Yurika: Ah, por eso había una estatua de “Platero”.

    ああ、だから『銀職人』の記念碑があったのね。

    María: Me encanta esa obra… la leí en el colegio; es muy sencilla pero cada poema me trae muchas imágenes y recuerdos.

    あの詩集は大好きよ…学校でよく読んだわ。シンプルな文だけれど、色々なイメージや思いが湧いてくるのよ。

    Yurika: Todavía no he leído ninguna obra suya, pero si dices que son de frases sencillas, las podré leer yo también.

    彼の作品はまだ読んだことが無いわ。でもシンプルな文なら、私にも読めるわよね。

    María: Claro que sí, te lo recomiendo.

    そうよ、おすすめの作品よ。

    Yurika: Es curioso; hay bastantes premios Nobel de literatura en España.

    スペインは意外と、ノーベル文学賞がけっこういるのよね。

    María: Es verdad. Camilo José Cela, José Echegaray, Vicente Aleixandre…

    そうね。カミロ・ホセ・セラやホセ・エチェガライ、ビセンテ・アレクサンドレ…

    Yurika: Jacinto Benavente también.

    ハシント・ベナベンテもいるわよ。

    María: En otras disciplinas… solo me acuerdo de Santiago Ramón y Cajal en medicina.

    ほかの分野は…サンチアゴ・ラモン・イ・カハルしか思い出せないわ。

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    Juan Ramón Jiménez

    フアン・ラモン・ヒメネス

    スペイン スペインで印刷された切手には、ひげを生やした男性が描かれています。

    代表作『Platero y yo(銀細工職人と私)』で知られる、ウエルバ県生まれの詩人。モデルニズモの文芸人として20世紀中ごろまで活躍しました。

    Santiago Ramón y Cajal

    サンチアゴ・ラモン・イ・カハル

    スペイン人のノーベル賞受賞は文学ばかりなのですが…唯一生理学医学賞を受賞したのがこの人。

    神経解剖学を専門とし、脳科学の発展に貢献しました。

    スペイン文学の世界へようこそ!

    あまり知られていませんが、スペインは文学の宝庫です。騎士道物語や風刺、饒舌な詩人、上質なルポタージュなどなど…

    古い時代から今日に至るまで、スペイン人ならではの目線で描かれた目くるめく世界が広がります。

    スペイン語ビギナーなら、まずは詩集がお勧めです。思い切って原語で読んでしまいましょう。

    16世紀はスペインの「黄金時代」

    16世紀はスペインの「黄金時代」。政治も文学も華やかに開花した、スペインの絶頂期でした。そんな時代を垣間見るために…お勧めの本はこちら!

    さっそく今日の会話をのぞいてみましょう!

    文学で学ぶスペインの歴史

    Yurika: Cuando pasé por el recinto ferial había mucha gente disfrazada.

    お祭り広場を通った時に、仮装した人をたくさん見かけたわよ。

    María: Ah, hoy es el día de la fiesta del Siglo de Oro, allá por el siglo XVI.

    ああ、今日はスペイン黄金時代を懐かしむお祭りよ。16世紀くらいのね。

    Yurika: ¿Eran vestidos medievales? No estaba segura, pero sí que parecían trajes de alguna época antigua.

    あれは中世の衣装だったのね?良く分からなかったけれど、昔の時代の服装みたいだなって思ったわ。

    María: Parece que no tienes ni idea de cómo era España en aquella época.

    あの時代のスペインがどんな風だったか、あまり知らないみたいね。

    Yurika: No, ni idea… me gustaría leer algún libro con el que aprender sobre aquellos tiempos.

    全然わからないわよ…なにかいい本があれば読んでみたいけれどね。

    María: Conozco un libro muy apropiado. Se llama “La vida de Lazarillo de Tormes y de sus fortunas y adversidades”.

    María: ぴったりの本を知っているわよ。「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯、およびその幸運と不運」っていうの。

    Yurika: Qué título tan largo… ¿quién lo escribió?

    ずいぶん長いタイトルね…誰が書いたの?

    María: Nadie lo sabe. En el libro se critica a la Iglesia Católica, así que era conveniente el anonimato.

    作者は不名よ。教会批判も書かれているから、匿名の方が都合がよかったのよ。

    Yurika: Por el título, es la historia de un tal Lázaro. ¿Él hace un viaje como Don Quijote?

    タイトルから察すると、ラザロっていう人の話なのね。その人がドン・キホーテみたいな旅をするの?

    María: No exactamente. Este libro no es de caballerías, no es un romance; es una novela picaresca.

    そうじゃないわよ。これは騎士道物語じゃなくて、ピカレスク小説よ。

    Yurika: Ah, del siglo XVI.

    ああ、16世紀にあったわね。

    María: En esta novela Lázaro trabaja como criado para varios dueños, y por su aventuras se puede revivir el Siglo de Oro.

    ラザロが従者として色々な主人に仕える話しで、黄金時代の様子を追体験できるのよ。

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    La vida de Lazarillo de Tormes y de sus fortunas y adversidades

    ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯、およびその幸運と不運

    古本

    16世紀スペイン文学の最高傑作と言えば、こちらの作者不明のピカレスク小説。

    Lázaro(Lazarillo)の目線で描かれる16世紀スペインの世界を、じっくりとご堪能ください。

    Libros de caballerías or Romance

    騎士道物語

    セルバンテス著の「ドン・キホーテ」で知られる騎士道物語というジャンル。

    「ラザリーリョ」以前は、そんな「騎士道精神を発揮した勇士のロマンや冒険」が小説の人気パターンでした。

    スペイン語では盲導犬のことも「Lazarillo」と言います。ご主人に仕える小説の主人公「ラザリーリョ」の姿を重ねているのでしょうか…

    作者不明でありながらも、スペインの国内外でベストセラーとなった、16世紀の代表作。

    名訳の日本語版も出版されているので、16世紀スペインを知りたい方におすすめです。

    中南米は文学の宝庫…。本屋で中南米小説を探しているユリカは、目移りしているようです。さっそく今日の会話をのぞいてみましょう!

    中南米文学をスペイン語で

    María: ¿Has decidido qué vas a comprar?

    どれを買うか決まった?

    Yurika: No puedo decidirme… la tarea es “leer un libro de literatura latinoamericana”, pero no sabía que había tantos.

    決められないわよ…「中南米の本を読め」っていう宿題だけど、こんなにたくさん本があるとは知らなかったわ。

    María: Claro. Hay muchos países y muchos escritores. ¿Por qué no eliges la obra de algún premio Nobel?

    あたりまえよ。国も多いし、作家も多いんだから。誰か、ノーベル賞作家のものを選べば?

    Yurika: Quieres decir García Márquez, ¿verdad? Pero no me apetece leer algo muy largo.

    ガルシア・マルケス、でしょう?でもあんなに長い小説は読みたくないな。

    María: Bueno, “Cien Años de Soledad” es bastante voluminoso.

    まあね。「百年の孤独」は相当ボリュームがあるわよ。

    Yurika: El otoño del patriarca” también parece muy difícil.

    「族長の秋」も、ずいぶん難しそうよね。

    María: Allí está “Fresa y Chocolate” de Senel Paz.

    あそこにセネル・パスの「イチゴとチョコレート」があるわよ。

    Acabamos de ver la película; sabiendo la historia seguro que podrás leerla fácilmente.

    映画を観たばかりだし、内容が分かっているから読むのも楽よ。

    Yurika: Literatura cubana… interesante.

    キューバ文学か…面白そうね。

    María: Mi escritor latinoamericano favorito es Eduardo Galeano. Es un periodista uruguayo.

    私の好きな中南米の小説家はエドゥアルド・ガレアノよ。ウルグアイの新聞記者なの。

    Yurika: Ah, lo conozco. Una vez leí un extracto de su obra “Memoria del fuego”.

    ああ、知っているわ。「火の記憶」の抜粋を読んだことがあるわよ。

    María: Su obra es reportaje más que novela.

    彼の作品は、小説というよりもレポートよね。

    Las frases son claras y fáciles de leer, aunque sus libros son bastante largos.

    文章がはっきり書かれていて読みやすいわよ。作品はかなり長いけれどね。

    Yurika: Mira, este libro no es muy gordo. “Ser como ellos”… vale, voy a comprar este.

    見て、この本ならあまり厚くないわよ。「彼らのあり方」…よし、これを買うわ。

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    García Márquez

    ガルシア・マルケス

    コロンビア

    コロンビアのノーベル賞作家、ガブリエル・ホセ・デ・ラ・コンコルディア・ガルシア・マルケス(Gabriel José de la Concordia García Márquez)。

    代表作「百年の孤独」も「族長の秋」も、相当なボリュームがありますが、スペイン語読解の底力を付けたい方は、ぜひチャレンジしてみましょう!

    Eduardo Galeano

    エドゥアルド・ガレアノ

    Eduardo Hughes Galeano(エドゥアルド・ウヘス・ガレアーノ)は新聞記者らしく、シンプルで初・中級者にも読みやすいスペイン語です。

    作品の内容も、中南米世界からの視点で世界情勢を分析するものが多く、スペイン語そのものの勉強以上の知識が得られます。

    まずは代表作「Las venas abiertas de América Latina(ラテンアメリカの切り開かれた血脈)」がお勧めです!

    ★つ・ぶ・や・き★

    例文中のsenel paz (セネル・パス)はキューバの作家。代表作『苺とチョコレート』は映画にもなりました。

    キューバの日常生活空間を追体験できる、キューバファン必見の作品です。

    ラテンアメリカの小説は、メッセージもボリュームもドッサリ!読解力が求められます。まずは映画で、サックリと内容をつかんでから読み始めるのがコツですね。

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