スペインの教育事情を徹底解説!日本との違いは?

    1. スペイン語会話・一覧

    ¡Hola todos! みなさんこんにちは。今日は、【スペインの教育】の特徴をご紹介します。

    世界各国で、国によって様々な教育方法がとられていますよね。今回は、スペインの教育の特徴を、小中学校を中心に見てみましょう。日本とはどこが違っているでしょうか?

    スペインの教育事情を徹底解説!日本との違いは?

    スペインの教育事情

    Taro  :  Mi hermano menor está de vacaciones ahora.

    今、弟は休暇中なんだ。

    Javier :  ¿Ahora? Pero estamos en marzo.

    今?でも今は3月でしょ?

    Taro  :  Porque en Japón tenemos las vacaciones de primavera. En abril empieza el nuevo semestre.

    日本では春休みがあるからね。4月に新学期が始まるんだ。

    Javier :  ¿Ah sí? Nosotros empezamos en septiembre.

    そうなの?スペインでは9月に始まるよ。

    新学期は桜の季節・・・じゃない!

    日本では、入学式や卒業式は、3月や4月に行われます。春は、出会いと別れの季節と言われていますね。

    しかし、スペインでは、新学期は9月より始まります。長く暑い夏休みののち、心機一転新しいセメスターが開始するのです。

    ちなみに欧米諸国では9月に新学期が始まる国が多く、日本でも、それらに合わせて9月に学期を始める試みをすすめている大学もあるようです。

    義務教育は?

    2 人の子供がスペインの国旗の前の机に座っています。

    日本の義務教育は6歳~15歳の9年間ですね。小学校の6年間と、中学校の3年間が義務になっています。

    一方、スペインの義務教育は日本より1年長く、6歳~16歳の10年間。小学校(Primaria)に6年間、中学校(Secundaria)に4年間通うことになっています。

    なお、公立学校の場合は、義務教育の間の授業料は無償となっています。(別途教科書代などはかかります。学校によって異なりますが、1年100ユーロ~。)

    日本も同様のシステムですが、日本の小中学校には修学旅行などイベントが多いため費用も日本の方が高いと言えるでしょう。

    小・中学校で勉強すること

    ペンと鉛筆を備えたテーブルの上の本の山、スペイン。

    スペインの学校では、自然・社会・文化、芸術、体育、文学、外国語、算数などが主に勉強されています。日本のカリキュラムとよく似ていますね。

    外国語については、現在は多くの学校で英語が勉強されていますが、以前はフランス語を学ぶのが主流でした。そのため、現在の高齢者の中にはフランス語が分かる人が多くいます。

    またスペインの教育の特徴は、必修ではありませんが「宗教」の授業があること。

    近年信者は減少しているものの、歴史的に長らくカトリック国家であったことの証でしょうか。

    スペインの教育事情 高校・大学編

    ¡Hola todos! みなさんこんにちは。前回はスペインの初等・中等教育についてお話しましたが、今回はスペインの高校・大学教育を見ていきたいと思います。

    日本 では厳しい大学受験、スペインでは?その後の就職は?さあ、スペインの教育事情を覗いてみましょう!

    Taro  : ¡Hola Javi! ¿Qué tal? Te veo un poco cansado.

    : やあハビ!元気?ちょっと疲れてるみたいだね。

    Javier : ¡Hola! Voy tirando…ahora tengo muchos exámenes.

    やあ。何とかやってるよ。今は試験がたくさんあるから。

    Taro  : ¿Sí?

    そうなの?

    Javier : Si suspendo uno, tengo que repetir esa asignatura el año que viene.

    もし落第したら、また来年同じ科目を履修しなくちゃいけないんだ。

    Taro  : ¡Qué duro! Qué te vaya bien.

    大変だなあ・・・上手くいくといいね。

    高校入学時に専門を選ぶ?

    10年間の義務教育を卒業したのち、希望者は日本の高校にあたる Bachillerato(バチジェラート)へ進学します。

    日本の一般的な高校と大きく違っているのが、こちらの Bachilleratoのシステム。学生は、入学時に自分の専門を選んで入学するのです。

    進路

    選択肢は3つあり、Artes(芸術)、Ciencias y Tecnología(科学・工学)、Humanidades y Ciencias Sociales(人文科学・社会科学)の3つのコースから選ぶことができます。

    そして大学へ入学する際、基本的に Bachilleratoで自分が履修したコースと同分野の学部しか選ぶことができません。

    高校時より、自分の好きなことや専門性を高めることができますが、その反面、将来の選択肢を限定してしまっているという見方もできます。

    17歳の時点で将来の進路を見据えるのは、なかなか難しいことかもしれません。

    大学受験は?

    様々な改革が試みられている日本の大学受験制度ですが、いまだ試験によって合否が決まる場合が一般的ですね。

    スペインの大学受験にも、日本のセンター試験のように、 Selectividadという統一試験があります。

    試験のために学生たちは一生懸命勉強しますが、試験の点数以外にも、 Bachilleratoでの成績も重要になってきます。

    Selectividadでの試験の結果を40%、 Bachilleratoでの成績を60%に換算したポイント数で、入学できる大学等が決まります。

    よって大学へ入るためには、試験のためだけでなく、日々の学校での勉強も頑張らなくてはいけないということですね。

    大学生活・就職

    スペインの大学のシステムは日本と似ています。

    学生たちは授業に出席し、レポートの課題や試験をこなしていきます。大学にもよりますが、スペインの大学の方が日本ものよりも試験が多いようです。

    大学

    学部は基本的に4年で卒業となります。(医学部などは6年)卒業後仕事を探す際は、その分野の学科を卒業していることが求められる場合が多いです。

    例えば、翻訳家のポストに応募する場合、応募条件に「翻訳学科」卒業であることと書かれている場合が多いのです。

    スペインの大学では実用的な授業が多いということかもしれませんね。

    いかがでしたか?スペインの高等・大学教育は、専門性を高めるという点にスポットがおかれているようです。これは、日本の教育との大きな違いかもしれませんね。

    スペインの大学システム

    いつかスペインの大学へ進学・留学してみたいと考えている人へ。

    スペインを代表する大学や、大学に関係する単語を調べて、入学に向けて準備を進めていきましょう。関連単語も併せてチェック!

    Kenji:Si puedo me gustaría estudiar algo en la universidad, pero no sé cómo funciona el sistema educativo en España.

    できればスペインの大学で勉強をしたいのだけど、大学のシステムがまだよくわかっていないんだ。

    Diego:Pues, en la universidad existen tres niveles.

    大学には3つのレベルがあって。

    El más básico es el grado, que suele durar cuatro años, aunque algunos duran tres y otros cinco.

    まずは学士。3年か5年の場合もあるけれど基本は4年。

    Si lo superas, puedes estudiar un máster de uno o dos años. Si después quieres investigar algo en particular, puedes hacer un doctorado.

    さらにその後1〜2年で修士課程を取ることができる。それから、専門分野を研究するのが博士。

    Kenji:Los estudios duran lo mismo que en Japón, ¿no? Yo estudié una carrera de cuatro años, así que quizás podría estudiar un master.

    年数は日本とほぼ同じなんだね。僕は日本で大学4年の学位を取得しているから、できれば修士課程を取りたい。

    Diego:¿Qué estudiaste en Japón?

    日本で何を勉強していたんだい?

    Kenji:Estudie administración de empresas.

    経営学。

    Diego:Pues creo que existen muchas opciones en esa área, así que no será difícil encontrar uno.

    この地域の大学には、経営学の修士に関わる選択肢がきっとたくさんあるよ。

    Kenji:Voy a informarme. ¡Sería genial poder quedarme más tiempo aquí!

    ケこれから調べてみる。ここにもっと長く滞在して学べたら最高だよ。

    スペインの建物

    ここに注目!

    スペイン語で、学士は grado、修士は master、博士は doctorado と言います。

    外国人がスペインの大学で勉強をするには、スペインで認定された高校卒業資格や、大学入学のための下記の試験を受けなければなりません。

    • EvAUEvaluación para el Acceso a la Universidad
    • EBAUEvaluación de Bachillerato para el Acceso a la Universidad

    地域や大学によって手続きや必要条件が異なるため、目的に合わせて準備を進めてください。

    スペインを代表する主な大学

    Universidad Pompeu Fabra / Barcelona

    ポンペウ・ファブラ大学 / バルセロナ

    Universidad Autónoma de Barcelona / Barcelona

    バルセロナ自治大学 / バルセロナ

    Universidad de Barcelona / Barcelona

    バルセロナ大学 / バルセロナ

    Universidad de Navarra / Pamplona

    ナバーラ大学 / パンプローナ

    Universidad Autónoma de Madrid / Madrid

    マドリード自治大学 / マドリード

    スペインの建物の前のベンチに座っている若い女性。

    大学に関するスペイン語

    • universidad privada 私立大学
    • universidad pública 国立大学
    • asignaturas obligatorias 必須科目
    • asignaturas optativas 選択科目
    • departamento 学科

    Estoy en segundo de psicología.

    私は心理学を専攻している大学2年生です。

    El mes que viene va a hacer el examen de acceso a la universidad.

    彼女は来月大学の試験を受ける。

    He echado la solicitud en la Universidad Pompeu Fabra.

    私はポンペウ・ファブラ大学に入学願書を提出した。

    スペインの大学に入るためには、スペイン語検定B2以上のレベルが必要となってきます。

    大学で学ぶという目標を実現するために、日々の語学学習も頑張ってください。

    スペインの公用語・言語教育

    ¡Hola todos! みなさんこんにちは。今回は教育編の最後として、スペインの言語教育についてご紹介 したいと思います。

    スペインはスペインでも、地域によって異なった言語教育が行われているのをご存知でしたか?

    Taro  : ¿Cómo se lee esta frase?

    このフレーズ、何て読むの?

    Javier : A ver…se lee “Molt bé”, que significa “muy bien” en catalán.

    どれどれ・・・”Molt bé”と読むんだよ。カタルーニャ語で「とてもいい」という意味さ。

    Taro  : El catalán es un idioma que se habla en Cataluña, ¿verdad?

    カタルーニャ語って、カタルーニャ地域で話されている言語でしょう?

    Javier : Exacto. Se parece mucho al francés.

    その通り。フランス語によく似ているんだ。

    スペインの公用語

    スペイン全地域でスペイン語が話されていると思われていることが多いのですが、実は、地域によって公用語が2つある場合があるのです。

    木製のテーブルの上にスペインの本が置かれています。

    まず、上の例文でも触れた catalán(カタルーニャ語)。

    バルセロナを州都とするカタルーニャ州やバレアレス諸島などで、 castellano(スペイン語)と並ぶ公用語になっています。

    また、北西部ガリシア地方では gallego(ガリシア語)が、北部バスク地方では euskera(バスク語)が話されています。

    それぞれの地域で、地域の言語がスペイン語と並ぶ公用語に指定されています。

    カタルーニャ語とガリシア語は、スペイン語と同じくラテン語を起源とする言語ですが、バスク語は全く異なった形態をもち、起源がよく分かっていない言語です。

    それぞれの地方言語の教育

    スペイン語と地方言語の両方の言語が公用語とされている地域では、教育においても両言語での教育が行われており、大多数の人はバイリンガルとして育ちます。

    「parles catalunya スペイン」という言葉が書かれた黒板。

    しかしながら、例えば独立志向の強いカタルーニャ地域においては、カタルーニャ語がスペイン語より優先されることも。

    先生によって、授業は全てカタルーニャ語で行われる場合もあります。

    地域固有の言語を尊重し継承するという点では素晴らしいですが、外国人などカタルーニャ語話者ではない人々にとって、やや排他的となってしまうこともあるという見方もされています。

    また同時にカタルーニャでは、カタルーニャ語を話さない人々のために、無料でカタルーニャ語の授業を提供している場所もあります。

    おわりに

    いかがでしたか?地域ごとアイデンティティが強いスペインにおいては、言語教育もその地方のシステムの重要な要素となっています。

    地域ごとに異なった教育法をとっており、その地域の考え方が、教育にそのまま反映されていると言えるでしょう。

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