ドン・キホーテの「ドン」や文書の宛名で使われる「Sr./Sra./Srta.」の表記。これらはその人に敬意を表す敬称です。
さて、こうした敬称は名字につける?名前につける?日本語や英語とは違うスペイン語の敬称について、見ていきましょう。
英語とは使い方が違うスペイン語の敬称
目次
会話
Kenji:¡Buenos días, señor Pérez! ¿Qué tal? ¡Cuánto tiempo sin verlo!
おはようございます、ペレスさん。お久しぶりです。
Sr.Pérez:¡Buenos días, Kenji! Es que he pasado dos meses en Japón. ¿Qué tal todo por aquí?
おはよう、けんじくん。僕は2ヶ月日本に出張に行っていたんだよ。どうだい、すべて順調かい?
Kenji:Muy bien
はい、順調です。
Sr. Pérez:Te presento al doctor Evans, que ha venido de Inglaterra para trabajar en el laboratorio.
君にエバンス教授を紹介するよ。研究の仕事でイギリスからいらしているんだ。
Evans:Encantado. Yo no hablo mucho español.
初めまして。私はあまりスペイン語ができないんですよ。
Kenji: Mucho gusto, doctor Evans. Habla muy bien. Si necesita cualquier cosa, no dude en decírmelo. También puede hablarme en inglés.
初めまして、エバンス教授。いえいえ、お上手ですよ。何か必要なことがあれば遠慮なくおっしゃってくださいね。英語でもかまいませんので。
スペイン語の敬称
señor / señora / señorita + 名字
目上の人に対して、もしくは年齢に関わらず丁寧に呼びかける時には、名字の前に敬称をつけます。男性なら señor、既婚女性なら señora、未婚女性なら señorita。
女性には señora か señorita のどちらを使えばよいかわからない場合もありますが、権威のある相手や気品ある女性を立てる場では señora を。
Sr. / Sra. / Srta. + 名字/フルネーム
手紙や書類で宛名を記載する時には、敬称を略した表記 Sr. / Sra. / Srta. を名字またはフルネームの前につけます。
相手の名前を知らない時の señor / señora / señorita
名前を知らない人に対しては señor / señora / señorita の敬称だけで呼びかけます。
街角で見知らぬ男性を呼び止めたいシチュエーションでは「¡Señor!」。ショップなどでは若くはない女性にも店員はお客さんに愛嬌を込めて「¡Señorita!(お嬢さん)」と声をかけることがあります。
don / doña + 名前
スペイの小説『ドン・キホーテ』のタイトルにも使われている敬称。これは、高位の人や尊敬する人、年配の人などを敬う言い方です。
男性には don、女性には doña。他の敬称とは違い、名前の前につきます。
doctor / doctora + 名字
医者や教授など専門家たちへの敬称が doctor(男性)/ doctora(女性)。略した表記は Dr. / Dra.。
おわりに
スペイン語では、名字に敬称をつけることが一般的です。目上の人や年齢に関わらず丁寧に呼びかける際には、「señor / señora / señorita」と名字を組み合わせて使用します。
手紙や書類で宛名を記載する際には、「Sr. / Sra. / Srta.」を略した表記を使用します。また、相手の名前を知らない場合や尊敬する人に対しては、「señor / señora / señorita」や「don / doña」を使用します。医者や教授など専門家への敬称は、「doctor / doctora」となります。
スペイン語を学ぶ際には、これらの敬称の使い方を覚えることが重要です。相手に対して適切な敬意を示すために、正しい敬称を使用しましょう。
一般的な日常会話では敬称を使うことはあまりありませんが、街角やショッピングなどでは敬称を使う場も敬称で呼びかけられるシーンもよくあること。
丁寧なつもりが逆に失礼になってしまった!なんてことにならないように、特に女性に対しての使い分けは気をつけたいですね。