人生には、ちょっとしたユーモアが必要ですよね。
さて今回は、会話を和ませるスペイン流のジョークをご紹介します。
遊び心のあるスペイン人たちは、よく冗談を言います。真面目に捉えすぎないで、気楽にコミュニケーションを楽しみましょう!
スペイン語のジョーク・冗談
会話
Diego: ¿Qué estás buscando, Emi?
エミ、何を探しているだい?
Emi: ¿Has visto una carta por aquí?
この辺りに手紙がなかった?
Diego: ¿Una carta del Banco Santander?
サンタンデール銀行からのレターのこと?
Emi: Sí, exacto.
そう、それよ。
Diego: Estaba en un montón de papeles ahí, encima de la mesa de la cocina, ¿verdad?
台所の机の上にたくさん置いてあった書類だよね。
Emi: ¡Sí, sí!
そうそう!
Diego: He metido esos papeles en la trituradora de papeles esta mañana. Pensaba que eran para tirar.
今朝、シュレッダーにかけておいたよ。処分するものだと思って。
Emi: ¡¿Qué dices?! Era una cita para una entrevista de trabajo. ¡¿Qué voy a hacer ahora?! No sé qué día ni a qué hora es.
何ですって?あれは仕事の面接用の書類なのよ!あぁ、私はどうしたらいいの!?日時も何もかもわからなくなっちゃったわ。
Diego: ¡Es una broma! He dejado tus papeles en la estantería de tu habitación.
冗談だよ!書類はすべてキミの部屋の棚に片付けておいたよ。
Emi: ¡Ay! Casi me matas del susto. ¡Te odio!
もう!ビックリして死ぬかと思った。あなたなんて大嫌い!
ここに注目!
¡Es una broma!
bromaはスペイン語で「冗談・ジョーク」の意味。
ユーモアで相手を驚かせたり楽しませたりした後には「¡Es una broma!(冗談だよ!)」とフォローするのがスペイン語会話の定番です。
chiste スペイン語のジョーク・笑い話
「ジョーク」を意味するスペイン語には、bromaのほかにchisteがあります。会話にシャレや遊び心を挟むbromaとは異なり、chisteはストーリー仕立ての笑い話のこと。
スペイン語にはたくさんのchisteがあるのですが、その一例を見てみましょう。
Entra un hombre a una oficina de empleo y dice:
— Buenos días. Busco trabajo.
Tras mirar en el ordenador, el trabajador le pregunta:
— ¿Le interesa de jardinero?
Y el hombre contesta:
— ¿Dejar dinero? ¡Si lo que busco es trabajo!
職業案内事務所に男が入ってきて、こう言った。
「おはようございます。私は仕事を探しています」
職員はコンピュータで求人情報を見てから男に質問した。
「庭師に興味がありますか?」
すると男は答えた。
「お金を貸すだって?私は仕事を探しているんですよ!」
このchisteでは、職員が言った「¿Le interesa de jardinero?」を男が「¿Le interesa dejar dinero?」と捉えてしまった、というのが笑いのポイント。
職員はjardinero(庭師)の仕事を提案しているのに、男は「dejar dinero」、つまり、お金を貸すと勘違いして「失業中なのにそんなことができるはずがない」とツッコミを入れています。
2人の会話が噛み合っていませんね。
Llega un hombre a un local y pregunta:
-¿Esto es una escuela de inglés?
Y le responden:
-If, if, between, between.
男がある場所に着いて質問した。
「ここは英語の教室ですか?」
すると、こう答えが返ってきた。
「If, if, between, between(もし、もし、間、間)。
最後の〝オチ〟がわかりましたか?
これは「ここは英語の教室ですか?」という質問に対する トンチンカンな答えが面白いところ。
受付の人は「Sí, sí, entre, entre(はい、そうです。どうぞ中に入って、入って)」と英語で言っているつもりなのですが、通じていません。
「はい、そうです」という意味のスペイン語は、アクセント記号が付いたsí。しかし、アクセント記号なしの「si」は「もし〜ならば」という意味を持ちます。
また「どうぞ入って」と言うには、動詞entrarの命令形(3人称単数)であるentreを使うのですが、同じ綴りのentreは「間」という意味の前置詞でもあります。
この2つの単語は、同じ響きで2つの意味を持つのです。受付の人はこれを間違えて直訳したため「If, if, between, between」と答えてしまいました。
英語教室なのに、これでは全く困りますね。
おわりに
いかがでしたか?クスッと笑えましたか?その場の雰囲気や話している人の口調なども加わって、こうしたジョークは面白く感じられます。
意味がわからないとせっかくのユーモアがキャッチできずに、ちょっと残念。スペイン流のジョークを一緒に笑い合えるように、スペイン語を勉強していきましょう!