スペインの衣装文化:各地域の民族衣装とその背景

    1. スペイン語勉強

    今回のテーマは「民族衣装」。スペインでは地域によって文化や習慣が異なり、各地の民族衣装があります。代表的なものとして、マドリード・カタルーニャ・バスク・アンダルシアの伝統な服と特徴をご紹介します。関連スペイン語も参考にしてください。

    スペインの民族衣装の多様性

    北のバスク・東のカタルーニャやバレンシア・南のアンダルシア・西のガリシア、そして中央のマドリード。

    スペインにある各都市はそれぞれ独自の文化と歴史を誇り、暮らし・言葉・習慣などが異なります。「スペイン」とひとことで言っても地域によってさまざまな面を持ち、多様性に富んでいるのがこの国の特徴です。

    民族衣装もまた各地域で異なり、それぞれにストーリーがあります。歴史的な背景や宗教的な理由なども関係し、個性はさまざま。いずれも各地方に欠かせない地元のお祭りやお祝いの席で今でも親しまれている、ということは共通しています。

    それでは、どんな地域にどんな衣装があるのか、具体的に見ていきましょう。

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    マドリードの chulapo・chulapa

    スペインの都市マドリードには、chulapo(チュラポ)・chulapa(チュラパ)と呼ばれる民族衣装があります。

    チュラポ・チュラパの特徴と習慣

    チュラポは男性、チュラパは女性の衣装のこと。男性は白のシャツと黒のパンツに、白黒の格子柄のベストと帽子を合わせます。

    女性はマーメイド型のドレスを着て、白のスカーフを頭に被るのが伝統的な装い。女性の衣装はカラーがさまざまありますが、白地に赤のドット柄が定番のデザインです。

    チュラポ・チュラパの衣装に欠かせないのが、赤色のカーネーション。男性は胸ポケットに添え、女性は頭の上に付けます。

    マドリードの人たちがこれらの衣装を着る代表的な日が、5月15日のサン・イシドロの祭日です。サン・イシドロとはマドリードの守護聖人の名で、数々の奇跡を起こしたといわれています。

    そのサン・イシドロを祝う日にはマドリード各地でイベントが行われるため、市内に出かければ必ずどこかでチュラポ・チュラパの衣装を着た人たちを見かけることでしょう。

    イベント会場や広場などでは、チュラポ・チュラパを着て人々が伝統舞踏を踊っています。街中ではマヨール広場に特設ステージが登場し、その周りで楽しそうに踊っている人たちの姿も。伝統舞踏を知らない若い世代の人たちもチュラポ・チュラパの衣装を着て出かけています。

    ちなみに、もともと chulapochulapa とは「気取っている」という意味です。エレガントにバッチリきめている人たちは、まさにチュラポ・チュラポな雰囲気!スペインの中でもマドリードは気品とプライドが高い都市と言われていますが、ぴったりの呼び名なのかもしれませんね。

    マドリードの民族衣装にまつわる会話例

    Marco:¿Tus padres se visten de chulapo y chulapa todos los años por San Isidro?

    トゥス パドレス セ ビシテン デ チュラポ イ チュラパ トドス ロス アニョス ポル サン イシドロ

    ダニエラの両親は毎年、サン・イシドロのお祭りでチュラパとチュラポを着てるんだって?

    Daniela:Sí, es que mi padre es madrileño castizo.

    シー, エス ケ ミ パドレ エス マドリレーニョ カスティソ

    そう、彼は生粋のマドリードっ子だからね。

    Marco:O sea que tú también eres madrileña, ¿no? Entonces, sabes bailar el baile típico… Ese, ¿cómo se llama?

    オ セア ケ トゥ タンビエン エレス マドリレーニャ, ノー? エントンセス, サベス バイラール エル バイレ ティピコ・・・エセ, コモ セ ヤマ

    ってことは、キミもマドリードっ子だろ?だったら、伝統の踊りもできるの?ほら、あれ、何て言ったっけ?

    Daniela:¿Chotis?

    チョテス

    チュテス?

    Marco:Sí, ese.

    シー, エセ

    あ、そうそう。

    Daniela:¡Qué va! Yo no sé bailarlo. Aunque, si lo aprendiéramos, sería divertido.

    ケ バヤ! イ ノー セ バイラルロ. アウンケ, シー ロ アプレンディエラモス, セリア ディベルティード

    踊れないわよ、私は。でも、覚えたら楽しいかもね。

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    se visten de chulapo y chulapa

    民族衣装を「着る」という表現は、再帰動詞 visitarse を使います。上記の会話では「両親がチュラポ・チュラパを着る」と複数形で言っているので、se visiten となっています。

    madrileño castizo

    マドリードで生まれてマドリードで育った人のことを「マドリレーニョ」と呼びますす。madrileño castizo は「生粋のマドリレーニョ」という意味。首都マドリードには各地から人が移り住んできているので、両親共に代々生粋のマドリード生まれ、という人は意外に少ないんですよ。

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    カタルーニャの hereu・pubilla

    カタルーニャ地方には hereu(エレウ)と呼ばれる男性の衣装や、pubilla(プビージャ)という女性の民族衣装があります。

    エレウとプビージャの特徴と習慣

    エレウはカタルーニャ語で「長男」という意味で、traje de hereu(トラヘ・デ・エレウ)というのが伝統的な男性の衣装です。白のシャツに黒のベストと黒のズボン。腰に赤い幅広のベルトを巻き、頭には赤と黒の帽子をかぶります。

    プビージャは「娘」を表す言葉。白のシャツに黒のベスト、ふんわりと広がるロングスカートを合わせ、黒のエプロンをかけます。肩には白のショールをかけ、カタルーニャの旗を表すカラーのタスキをしている人も。靴はバスク地方の民族衣装にも見られるエスパドリーユを履いています。

    プビージャの黒のエプロンは、もともと農家で働く女性のシンボルだったそうです。今では高級感のあるビロード素材が使われているものもあり、カタルーニャのお祭りや行事ごとの際には子供から大人まで多くの人たちがプビージャの衣装を着ています。

    カタルーニャの民族衣装にまつわる会話例

    Carla: Oye, Andreu, ¿mañana vas a ir a Montserrat para las fiestas?

    オジェ, アンドルー, マニャーナ バス ア イル ア モンセラート パラ ラス フィエスタス

    ねぇ、アンドルー、明日はお祭りを見にモンセラートへ行く?

    Andreu: Sí, he quedado con Luis y Laura.

    シー, エ ケダード コン ルイス イ ラウラ

    ルイスとラウラと一緒に行くつもりだよ。

    Carla: ¿Puedo ir yo también con vosotros? Es que iba a ir con mis primos, pero al final no pueden.

    プエド イル ジョ タンビエン コン ボソトロス? エス ケ イバ イル コン ミス プリモス, ペロ アル フィナール ノー プエデン

    私も一緒に行っていい?いとこたちと行く予定だったのだけど、彼らが行けなくなっちゃって。

    Andreu: Claro. Por cierto, en tu casa no habrá una barretina y una faja de sobra… Es que no encuentro las mías.

    クラロ. ポル シエルト, エン トゥ カサ ノー アビア ウナ バレティナ イ ウナ ファハ デ ソブラ… エス ケ ノー エンクエントロ ラス ミアス

    もちろん、いいよ。ところで、バレティナ(帽子)とベルトが余っていたりしない?僕のが見つからなくて。

    Carla: Pues se lo voy a preguntar a mi primo Javi, como él no va a ir. ¿Tienes el jupeti, las alpargatas y todo los demás?

    プエス セ ロ ボイ ア プレグンタール ア ミ プリモ ハビ, コモ エル ノー バ ア イル. ティエネス エル ジュペティ, ラス アルパルガタス イ トド ロス デマス

    いとこのハビが行かないから、貸してくれるか聞いてみる。ベストやエスパドリーユや、その他のものは持っているの?

    Andreu: Sí, todo lo demás lo tengo.

    シー, トド ロ デマス ロ テンゴ

    ああ、その他のものはあるよ。

    Carla: Pues voy a llamar a mi primo y te cuento.

    プエス ボイ ア ジャマール ア ミ プリモ イ テ クエント

    じゃあ、いとこに確認して、あとから連絡するわね。

    Andreu: Muchas gracias. ¡Oye, qué bien que vengas! Así podemos bailar la sardana todos juntos.

    ムーチャス グラシアス. オジェ, ケ ビエン ケ ベンガス! アシー ポデモス バイラール ラ サルダナ トドス フントス

    ありがとう。ああ、キミが来ることになって良かった!一緒にサルダナを踊れるね。

    Carla: Sí, a mí también me hace ilusión.

    シー, ア ミ タンビエン メ アセ イルシオン

    そうね、私も今からすごく楽しみ!

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    una barretina y una faja

    barretina は黒のフチが付いた赤色の帽子で、カタルーニャの伝統的な衣装の1つ。妖精の帽子のように先が長く、どこか愛らしい印象のあるデザインです。faja はガードルのように腰を覆う幅広のベルトのこと。

    el jupeti, las alpargatas

    jupeti は男性が着るウエストコート。alpargatas はバスクの衣装でも使われているエスパドリーユ(カジュアルなスリッポンタイプの靴)です。

    bailar la sardana

    sardana とはカタルーニャ地方に伝わる伝統的な踊りのこと。サン・ジョルディのお祭りやカーニバルなどでリズミカルな踊りが披露され、毎週日曜日に集まって踊っている人たちもいます。

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    バスク地方の txapela

    バスク地方は地域内でも各地で文化が異なり、民族衣装も多様に存在しています。特徴は各地で少しずつ違うのですが、この地方で共通して民族衣装に使われている象徴的なアイテムが!それは txapela(チャペラ)と呼ばれるベレー帽です。

    チャペラの特徴と歴史

    チャペラとはバスク発祥のベレー帽のこと。スペイン語では「ベレー帽」をboina(ボイナ)といいますが、txapela(チャペラ)はバスク語です。

    バスク地方のお祭りや行事ごとでは、baserritarras(バセリタラス)と呼ばれる衣装が着られています。地域によって服のデザインはそれぞれ違いますが、いずれも元々は農家(baserri / バセリ)のある集落で農民たちが着ていた服だったそうです。

    現在の日常生活では一般的に使われていない服ですが、祝祭などでは昔ながらの衣装を着るのが習慣になっていったといいます。

    女性は頭に白のスカーフを巻き、男性はベレー帽をかぶっているのが、バスク地方の民族衣装の共通点。足元は abarkas(アバルカス)と呼ばれる紐を脚に巻きつけるタイプの靴や、底に麻が使われている alpargatas(アルパルガタス)=エスパドリーユを履いています。

    今ではファッションアイテムとしても人気のベレー帽やエスパドリーユの起源は、バスク地方だといわれています。以前はバスク地方に多くのベレー帽工房があり、古くから民族衣装として親しまれていました。

    19世紀半ばにはバスク地方の農民たちがかぶっていたベレー帽がナポレオン3世の目に止まり、そこから世界中へと広まっていったとか。その後、各国の軍隊でもベレー帽が使われるようになっていきました。

    今や日本でも世界でもおしゃれなファッションアイテムとして知られるエスパドリーユも、もともとは農民の作業靴だったそうです。

    バスクの民族衣装にまつわる会話例

    Rafa: ¡Aupa Carlos! ¿Qué haces por aquí? ¿Pensaba que estabas en Barcelona?

    アウパ カルロス! ケ アセス ポル アキ? ペンサバ ケ エスタバス エン バルセロナ

    あれ、カルロス!ここで何しているの?バルセロナに住んでるんじゃなかったの?

    Carlos: Sigo viviendo allí, pero he venido a hacer unos trámites. ¿A dónde vas tan elegante?

    シゴ ビビエンド アジ, ペロ エ ベニード ア アセール ウノス トラミテス. ア ドンデ バス タン エレガンテ

    そうだよ、あっちで暮らしているよ。でも、事務手続きがあって来たんだ。そんなエレガントな格好をして、どこ行くんだよ。

    Rafa: Pues, ¡¿a dónde voy a ir?! A la Plaza de la Virgen Blanca, a ver la Bajada de Celedón. ¿Es que ya has olvidado las tradiciones de tu tierra?

    プエス, ア ドンデ ボイ ア イル? ア ラ プラサ ラ ビルヘン ブランカ, ア ベル ラ バハダ デ セレドン. エス ケ ジャ アス オリビダード ラス トラディシオネス デ トゥ ティエラ

    どこに行くんだ?ですって? バハーダ・デ・セレドンを見にビルヘン・ブランカ広場に行くのよ。まさか、地元の伝統行事を忘れたんじゃないでしょうね?

    Carlos: ¡Ay! ¡Es verdad! ¡Era hoy!

    アー, エス ベルダッ! エラ オイ

    ああ、そうだ!今日だったのか!

    Rafa: ¿Por qué no vienes?

    ポル ケ ノー ビエネス

    一緒に行かない?

    Carlos: Pues…

    プエス

    そうだな…

    Rafa: Ven a mi casa un momento, que te pongo una txapela y unas abarkas y nos vamos juntos.

    ベン ア ミ カサ ウン モメント, ケ テ ポンゴ ウナ チャペラ イ ウナス アバルカス イ ノス バモス フントス

    家に帰ってチャペラとアバルカスを持ってくるから、一緒に着ていきましょうよ。

    Carlos: Pues, vamos.

    プエス, バモス

    じゃあ、一緒に行こうかな。

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    las tradiciones de tu tierra

    tierra は「土地、地域、故郷」という意味を持つ単語です。las tradiciones de tu tierra は(親しい相手に対して)「あなたの故郷の伝統」という表現で、この会話では同じ地元の友人に自分の地元の伝統を忘れたわけじゃないでしょ?と冗談めかして話しています。

    te pongo una txapela y unas abarkas

    txapela はバスクベレー、abarkas は紐付きの伝統靴のこと。帽子も靴も動詞 poner を使って「身につける」と言い表します。

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    アンダルシアのフラメンコ衣装

    「スペインといえばフラメンコ」というイメージを持っている人は多いことでしょう。そのフラメンコの発祥の地がアンダルシアです。

    この地方を象徴する民族衣装がフラメンコ衣装。今ではスペイン全土で親しまれ、さらには世界中でもダンス衣装として、またファッションとしても用いられています。

    フラメンコ衣装の特徴と歴史

    アンダルシアの伝統的なフラメンコ衣装は、長いスカート・大きなフリル・華やかな水玉模様や明るいカラー使いが特徴です。女性の衣装では、美しいマーメイド型のラインやフリルがたくさん入ったスカートなど、デザインがさまざまあります。

    カラーも赤・ピンク・ブルーなどかなり鮮やか。フリンジや刺繍が施されたショールを肩にかけ、お団子ヘアに真っ赤な髪飾りをさし、耳には大ぶりのイヤリング。扇子を手にしている人たちもいます。そして足元はヒールのあるダンスシューズ。

    男性は白いシャツに、ハイウエストのパンツ。そこに、traje de corto (トラヘ・デ・コルト)と呼ばれる丈の短いジャケットを合わせます。足元はブーツ、そして、頭には円柱型の sombrero cordobés (ソンブレス・コルドベス)=コルドベスハットをかぶり、エレガントな装い。

    こうした民族衣装を来た人々が集まる最も大きなイベントが、セビージャの春祭りです。音楽に合わせて、セビージャの民謡であるセビジャースという踊りを楽しみます。男性が馬に乗り女性を後ろに乗せてやってくるという、昔ながらの光景なども見どころ。

    セビージャの春祭りはスペインの3大祭りの1つで、活気あふれる陽気なイベントです。現在では年齢や立場を問わず多くの人々がフラメンコ衣装を着て集まってきますが、もともとこの民族衣装は放浪の民ジプシーの服でした。

    女性のフラメンコ衣装は traje de gitana(トラヘ・デ・ヒターナ)と呼ばれているのですが、gitana とは、ジプシーという意味です。衣装の由来については諸説あり、貧しい暮らしをしていたジプシーのスカートがボロボロでそれがフリルのようだった、泥がはねた汚れが水玉模様のようだった、という説も。

    アンダルシアの民族衣装にまつわる会話例

    Machiko: Mañana me voy con Ana a Sevilla para ir a la Feria de Abril.

    マニャーナ メ ボイ コン アナ ア セビージャ パラ イル ア ラ フェリア デ アプリル

    明日はアナと一緒にセビージャの春祭りに行くの。

    Laura: ¡Qué bien, Machiko! ¿Sabes bailar sevillanas?

    ケ ビエン, マチコ! サベス バイラール セビジャーナス

    いいわね、まちこ!セビジャーナスは踊れるの?

    Machiko: Sí, un poco. Voy a clases en una escuela.

    シー, ウン ポコ. ボイ ア クラセ エン ウナ エスクエラ

    うん、少し。レッスンに通っているから。

    Laura: ¿Y vas a llevar un vestido de sevillana?

    イ ティエネス トラヘ デ セビジャーナ

    じゃあ、衣装も持っているの?

    Machiko: No, todavía no.

    ノー, トダビア ノー

    ううん、服はまだ。

    Laura: Si quieres, te puedo dejar uno.

    シー キエレス, テ プエド デハール ウノ

    必要なら貸そうか?

    Machiko: Muchas gracias, pero la verdad es que me hace ilusión tener uno propio, así que voy a ir a comprarlo mañana.

    ムーチャス グラシアス, ペロ ラ ベルダッ エス ケ メ アセ イルシオン テネール ウノ プロピオ, アシー ケ ボイ ア イル ア コンプラルロ マニャーナ

    ありがとう。でも、服は自分のものを欲しいから明日買いに行こうと思っていて。

    Laura: Lo entiendo. ¡Te acompaño!

    ロ エンティエンド. テ アコンパニョ

    そうなんだ。私も買い物に付き合おうわよ。

    Machiko: Vale, muchas gracias. Además necesito una peineta, unos pendientes y un abanico, ¿no?

    バレ, ムーチャス グアラシアス. アデマス ネセシート ウナ ペイネタ, ウノス ペンディエンテス イ ウン アバニコ, ノー?

    ありがとう。そうだ、髪飾りにイヤリング、扇子も必要よね?

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    llevar un vestido de sevillana

    llevar は「着る、身につける」という意味を表す動詞です。「セビジャーナスのドレスを着る」と言う時には、このように llevar を使って表現します。

    peineta, pendientes, abanico

    この3つは、フラメンコ衣装に欠かせない小道具です。peineta は先が櫛のようになっている髪飾りのこと。pendientes はイヤリング。左右2つがセットになっているので複数形となる単語です。

    abanico はスペイン土産としても人気の扇子。フラメンコ衣装を体験として着て楽しむだけなら扇子までは揃えなくてもいいかもしれませんが、伝統的な扇子を手にするとそれだけでサマになりますよ。セビージャの暑い夏をしのぐファッションアイテムとしても活用できます。

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    スペインの民族衣装は各地の文化の象徴

    どの地域でも民族衣装は特別な行事の際に着るものです。日本では昔ながらの着物を現代の生活の中でも着るシーンがありますが、

    スペインの伝統衣装というのは日本の着物とは意味合いが異なります。普段の日常と密着した服装というよりは、人々が大切に引き継いでいるお祭りや伝統舞踊で着られるための衣装。それぞれの土地の歴史や文化を表しているものです。

    スペイン旅行の際に運良くその土地のお祭りが行われていたら、その時は地元の人たちの衣装に注目してみてください。

    スペインの民族衣装にまつわる会話例

    最後に、スペインの民族衣装にまつわる会話を読みながらスペイン語のおさらいをしましょう!民族衣装の説明や質問の仕方など、2人の会話を参考にしてスペイン語の表現を覚えていってください。

    María: ¡Qué elegante estás!  Esto es un kimono, el traje tradicional de Japón, ¿verdad?

    ケ エレガンテ エスタス!エスト エス ウン キモノ, エル トラヘ トラディシオナル デ ハポン, ベルダッ

    エレガントね! それ、日本の伝統的な着物でしょ?

    Yurika: Sí, y es una ropa que se puede llevar en una ocasión formal.

    シー, イ エス ウナ ロパ ケ セ プエデ ジェバール エン ウナ オカシオン フォルマル

    そう、フォーマルな場でも着られる和服よ。

    María: Me gusta mucho. En España no hay un sólo traje que represente bien al país.

    メ グスタ ムーチョ. エン エスパーニャ ノー アイ ウン ソロ トラヘ ケ レプレセンテ ビエン アル パイス

    すごく素敵。スペインには国を代表する服装が、これと言って無いのよね。

    Yurika: ¿Qué hay del chaleco y el gorrito con un clavel?

    ケ アイ デル チャレコ イ エル ゴリート コン ウン クラベル

    チョッキと帽子を身につけてカーネーションを付けている、あの服は?

    Las mujeres llevan también un clavel con una mantilla en la cabeza.

    ラス ムヘレス ジェバン タンビエン ウン クラベル コン ウナ マンティージャ エン ラ カベサ

    女の人はカーネーションを付けてショールをかぶっているわよね。

    María: ¿Te refieres a los chulapos y chulapas?

    テ レフィエレス ア ロス チュラポス イ チュラパス

    チュラポとチュラパのことを言っているの?

    Ése es el traje regional de Madrid, pero cada región española tiene uno distinto.

    エセ エス エル トラヘ レヒオナル デ マドリッ, ペロ カダ レヒオン エスパニョール ティエネ ウノ ディスティント

    あれはマドリッドだけで着られている民族衣装よ。スペインでは土地ごとに違う衣装があるの。

    Yurika: En Barcelona vi a unos niños con gorros rojos y negros que se llamaban barretinas.

    エン バルセロナ ビ ア ウノス ニーニョス コン ゴロス ロホス イ ネグロス ケ セ ジャマバン バレンティアナス

    バルセロナでは赤と黒の帽子をかぶった子供を見たわ。バレティーナっていうのよね。

    María: Es una de las prendas típicas de Cataluña. Allí también llevan trajes de “hereu”y “pubilla”.

    エス ウナ デ ラス プレンダス ティピカス デ カタルーニャ. アジ タンビエン ジェバン トラヘス デ エレウ イ プビージャ

    マリア:それはカタルーニャの服装の1つね。エレウとプビージャというのもあるわ。

    Yurika: Ah, creo que los he visto… a veces llevan bandas con la bandera de Cataluña.

    アー, クレオ ケ ロス エ ビスト… ア ベセス ジェバン バンダス コン ラ バンデラ デ カタルーニャ

    ああ、たぶんそれも見た…カタルーニャの旗を提げたりしている服装のことよね。

    María: A ver… ¿qué más? Ah, en el País Vasco uno de los trajes típicos es el de los baserritarras.

    ア ベル…ケ マス? アー, エン エル パイス バスコ ウノ デ ロス トラヘス ティピコス エス エル デ ロス バセリタラス

    ええと…ほかにあるかな? ああ、バスクではバセリタラスという衣装を着るわね。

    Los zapatos son muy curiosos.

    ロス サパトス ソン ムイ クリオソス

    靴に特徴があるのよ。

    Yurika: Y el traje típico de Andalucía es naturalmente el de flamenco, ¿verdad?

    イ エル トラヘ ティピコ デ アンダルシア エス ナテゥラルメンテ エル デ フラメンコ, ベルダッ

    アンダルシア独特の服と言えば、やっぱりフラメンコの衣装でしょ?

    María: Creo que sí. Aunque no se lleva diariamente.

    クレオ ケ シー. アウンケ ノー セ ジェバ ディアリアメンテ

    そうだと思う。毎日着ているわけではないけれどね。

    Normalmente la gente prefiere el chándal y las chanclas.

    ノルマルメンテ ラ ヘンテ プレフィエレ エル チャンダル イ ラス チャンクラス

    普段はみんな、ジャージとビーチサンダルだから。

    Yurika: Eso es casi el traje tradicional de hoy en día, ja, ja.

    エソ エス カシ エル トラヘ ナシオナル デ オイ エン ディア, ハ ハ

    もうそれが現代の民族衣装みたいなものね(笑)

    まとめ

    スペインには日本の着物のような国内全土で着られているような伝統衣装というものがありません。代わりに、地域ごとで異なる郷土服が存在します。

    バレンシアやガリシアなどにも素敵な民族衣装があり、知れば知るほど奥深いものです。こうした衣装を通して多様性を知ることができるのも、スペイン文化の面白いところですね。

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