スペイン語の「como」を使った表現:さまざまな役割と実用例

    1. スペイン語単語・活用

    今回のテーマは como。スペイン語の中でもっとも重要な接続詞の1つです。

    「〜のように」「〜だから」「いずれにしても」「もちろん」など、さまざまな意味を表す como の使い方を具体的な例文と共にご紹介します。

    スペイン語の「como」を使った表現:さまざまな役割と実用例

    スペイン語の como の意味と役割

    como は接続詞として、また関係副詞として他の単語を修飾します。como だけで独立して意味を持っているのではなく、文と文を繋いだり、単語の前に置くことで意味が成り立つというのが特徴です。

    日常会話でよく使われているのは「〜のような」という比喩的表現。その他にもさまざまな使い方があるので、それぞれの役割を見ていきましょう。

    「〜のように」状態や方法を表す

    何かの状態や様子、行動の方法などを「〜のように」とわかりやすく例えながら表す時に como を使います。

    como+動詞の直説法】と【como+動詞の接続法】の2つの表現方法があるので、意味と例文を見比べてみてください。

    como+直説法

    直説法とは、実際の事実を伝える表現です。

    例えば「レシピに書いてあるように調理をする(=レシピ通りに作る)」「前回と同じ方法で行く」「もともとあった状態のようにしておく」というように、現実の物事を como を使って表します。

    Yo siempre hago la tarta como pone en la receta.

    ジョ シエンプレ アゴ ラ タルタ コモ ポネ エン ラ レセタ

    私はいつもレシピ通りにケーキを作ります。

    Vamos a ir al estadio como fuimos la última vez.

    バモス ア イール アル エスタディオ コモ フイモス ラ ウルティマベス

    前回と同じ方法でスタジアムに行きましょう。

    Deja las cosas como están; luego las recogeremos.

    デハ ラス コサス コモ エスタン; ルエゴ ラス レコヘレモス

    あった物はそのままにして、あとで片付けましょう。

    スペイン語のcomo+接続法

    como+接続法

    接続法とは、実際には起きていない内容を伝える表現です。まだどのようになるかわからない未知のこと、不確定な未来などを表します。

    直説法の例文と比較して次の例文をまず読んでみてください。

    Haz la tarta como te diga el chef.

    アス ラ タルタ コモ テ ディガ エル チェフ

    シェフが言うようにケーキを作ってみてください。

    Hay varias formas de llegar al estadio. Podemos ir como te apetezca.

    アイ バリアス フォルマス デ ジェガール エル エスタディオ. ポデモス イール コモ テ アペテスカ

    スタジアムに行くにはいくつかのアクセス方法があります。私たちはあなたの好きなように同行します。

    No tengo tiempo de planchar la camisa; me la pondré como esté.

    ノー テンゴ ティエンポ デ プランチャール ラ カミサ; メ ラ ポンドレ コモ エステ

    シャツにアイロンをかける時間がありません。もうそのまま着ていきます。

    1つ目の例文では「シェフのように(比喩)」「やってみたい方法で(希望)」というように、仮定や希望を como を使って表しています。

    直説法は現実の出来事を伝えるものであるのに対して、接続法は「事実ではないこと」や「まだ実行されていないこと」を伝える時に用いるというのがポイントです。

    3番目の例文では、直説法が como está 、接続法が como esté 。どちらも estar 動詞の前に como を置いて「その状態のように」という意味を表しています。

    しかし、直説法の文は目の前にある実物を見ている状態であり、接続法の文はまだ実物を確かめていない状態です。

    後者のほうは「そのシャツのシワを確かめていないけれど、時間がないからいずれにしてもそのままの状態で着ていく」というニュアンス。事実をふまえて発言しているわけではないため、接続法を用いて言い表します。

    「もし〜なら」条件を表す

    como+動詞の接続法】の形で「もし〜なら」という条件を表す文にもなります。

    「もし〜」の部分は仮定であり、実際に起きている事実ではないため、動詞は直説法ではなく接続法に。活用の変化に注意して文を作りましょう。

    Jaimito, como vuelvas a insultar a tu hermano, te quedas una semana sin videojuegos.

    ハイミート, コモ ブエルバス ア インスルタール ア トュ エルマノ, テ ケダス ウナ セマナ シン ビデオフエゴ

    ハイミート(ハイメ)、こんど弟を罵ったら、1週間ゲームを取り上げますからね。

    ¡Corre! Como perdamos el tren, llegaremos tarde a la reunión.

    コレ! コモ ペルダモス エル トレン, ジェガレモス タルダ ア ラ レウニオン

    早く!電車に乗り遅れたら会議に遅れるよ。

    Cuidado con esa caja. Como se te caiga, se romperán los vasos que van dentro.

    クアンド コン エサ カハ. コモ セ テ カイガ,  セ トンペラン ロス バソス ケ バン デントロ

    その箱に気をつけてください。落とすと中のガラスが割れてしまいますから。

    スペイン語の比喩・比較

    「〜のような」比喩・比較を表す

    como は関係副詞としての働きも持ち、名詞の前に置かれると「〜のような」というような比喩や比較を表します。

    Mi nuevo coche es como ese, pero de color azul.

    ミ ヌエボ コチェ エス コモ エセ. ペロ デ コロール アスール

    私の車もあれと同じものですが、色が青色です。

    Lucía toca el piano como una pianista profesional.

    ルシア トカ エル ピアノ コモ ウナ ピアニスタ プロフェシオナル

    ルシアはまるでプロのピアニストのようにピアノを弾く。

    「〜として」立場を表す

    como+名詞】の形で、「〜として」という立場を表します。

    Como director, Luis tiene mucha responsabilidad.

    コモ ディレクトール, ルイス ティエネ ムーチャ レスポンサビリダッ

    社長としてルイスはとても強く責任感を持っている。

    Laura viajó al desierto del Sahara como jefa de una expedición.

    ラウラ ビアホ アル デシエルト デル サハラ コモ ヘファ デ ウナ エクスペディシオン

    ラウラは遠征隊のリーダーとしてサハラ砂漠へ向かった。

    「〜だから」理由を表す

    como を主文の前(文頭)に置くことで、「〜だから」という理由を表します。実際に起きた出来事の原因や理由を伝える表現であるため、como のあとに続くのは必ず直説法です。

    理由を表す接続詞には porque(ポルケ)もありますが、porque は主文のあとに置く、というのが異なる点です。

    Como salí de copas con mis amigos, me acosté muy tarde.

    コモ サリ デ コパス コン ミス アミーゴス, メ アコステ ムイ タルデ

    友達と飲みに行ったので、寝るのがとても遅くなった。

    Como hace tanto calor, voy a comer un helado gigante.

    コモ アセ タント カロール, ボイ ア コメール ウン エラード ヒガンテ

    今日は暑いから、私は特大アイスクリームを食べるわ。

    Como estoy haciendo régimen, yo no como helado.

    コモ エストイ アシエンド レヒメン, ジョ ノー コモ エラード

    私はダイエット中だから(食事制限をしているから)アイスクリームはやめておく。

    「〜と同じくらい」同等比較を表す

    2つ以上のものを比較して「◯◯と同じくらい〜」と表す時にも como を使います。この同等比較の文では、形容詞または副詞の tanto/tan (タント/タン)を伴うのが特徴です。

    「たくさん」という意味を持つ tanto を使って【tanto+名詞+como】の形で「〜のようにたくさんの◯◯」としたり、形容詞を修飾する副詞 tan を使って【tan+形容詞+como】の形で「〜と同じくらい◯◯」という表現ができます。

    Cristina tiene tantos libros como yo.

    クリティーナ ティネ タントス リブロス コモ ジョ

    クリスティーナは私と同じくらいたくさんの本を持っています。

    Tú esquías tan bien como tu hermano.

    トュ キエラス タン ビエン コモ トュ エルマノ

    キミもお兄さんと同じくらいスキーが上手だね。

    Carlos trabaja tanto como su jefe.

    カルロス トラバホ タント コモ ス ヘフェ

    カルロスは彼の上司と同じくらい働き者です。

    「〜も◯◯も」並列を表す

    tanto+名詞+como+名詞】の形で、「〜も◯◯と同じくらい」「〜も◯◯と同じように」という並列を表します。

    Tanto Enrique como Ana están estudiando medicina en la universidad.

    タント エンリケ コモ アナ エスタン エストュデアンド メディシナ エン ラ ウニベルシダッ

    エンリケとアナは(同じように)大学で医学を勉強しています。

    Tanto un lobo como un zorro pueden pasar muchos días sin comer.

    タント ウン ロボ コモ ウン ソロ プエデン パサール ムーチョス ディアス シン コメール

    オオカミもキツネも食べずに何日も過ごすことができます。

    comoを用いた慣用表現

    comoを用いた慣用表現

    como que+直説法「〜かのように」

    como que+直説法】で、「〜かのように」「〜のふりをしている」といった意味を表します。

    A:Laura se llevó mi paraguas.

    ラウラ セ ジェボ ミ パラグアス

    ラウラが私の傘を持っていってしまったのよ。

    B:¿Por qué no le dijiste nada?

    ポルケ ノー レ ディヒステ ナダ

    なんで彼女に何も言わなかったの?

    A:Cuando estaba saliendo de la cafetería, la llamé, pero hizo como que no me oía.

    クアンド エスタバ サリエンド デ ラ カフェテリア, ラ ジャメ, ペロ イソ コモ ケ ノー メ オイア

    食堂を出た時にこ声をかけたのだけど、聞こえないふりをしてたみたい。

    B:¡No me digas! ¡Qué cara tiene!

    ノー メディガス! ケ カラ ティエネ

    そんな!図々しいわね。

    como si+接続法「まるで〜のように」

    「もし〜なら」という仮定の意味を持つ si(シー)を伴って、「〜のように」と表現することもあります。

    A: ¿Puedo usar el servicio?

    プエド ウサール エル セルビシオ

    お手洗いを使ってもいいですか?

    B: Claro, como si estuvieras en tu casa.

    クラーロ, コモ シー エステュビエラス エン トュ カサ

    もちろん、自分の家のように過ごしてください。

    A:Gracias, eres muy amable.

    グラシアス, エレス ムイ アマブレ

    ご親切に、ありがとうございます。

    B: No tiene importancia.

    ノー ティエネ インポルタンシア

    気にしないでください。

    como si fuera~「あたかも~のように」

    como si のあとに 動詞 ser の接続法過去形である fuera をおくことで、 「まるで~のようだ」「(実際はそうではないけれど)~みたいだ」という決まりフレーズになります。

    A:Yurika, tú hablas español muy bien, como si fueras nativa.

    トュ アブラス エスパニョール ムイ ビエン, コモ シー フエラス ナティーバ

    ユリカ、あなたはスペイン語を上手に話すわね。まるでネイティブみたい。

    B:Gracias. Pero todavía me falta mucho.

    グラシアス. ペロ トダビア メ ファルタ ムーチョ

    ありがとう。でもまだまだよ。

    sea como sea「いずれにしても/とにかく」

    sea como sea(セア コモ セア)は、「とにかく」という意味の定型文です。

    同じ意味で sea lo que sea(セア ロ ケ セア)や sea lo que fuera(セア ロ ケ フエラ)という言い方もあります。

    A:Cogemos el metro, cambiamos 3 veces de línea y luego el autobús… ¡Qué

    camino tan largo!

    コヘモス エル メトロ, カンビアモス トレス ベセス デ リネア イ ルエゴ エル アウトブス…ケ カミーノ タン ラルゴ

    地下鉄に乗って、3回乗り換えて、それからバス…、なんて長い道のりなの!

    B:Bueno, sea como sea, por fin sabemos cómo volver a casa.

    ブエノ, セア コモ セア, ポル フィン サベモス コモ ボルベール ア カサ

    そうね、まあとにかく、これでやっと家に帰る方法が分かったわ。

    como quieras「お好きなように」

    como quieras(コモ キエラス)は、親しい相手に対して「好きなように〜して」と伝える表現です。目上の人に対してやビジネスシーンで丁寧に言いたい場合には como quiera(コモ キエラ)と言い換えてください

    A:Vamos a preparar la tortilla de patatas. ¿Puedes pelar las patatas?

    バモス ア プレパラール ラ トルテージャ デ パタタス? プエデス ペラール ラス パタタス

    ポテトのトルティージャ(オムレツ)を作りましょう。じゃがいもの皮を向いてくれますか?

    B:Vale. ¿Las pelo con el cuchillo o con el pelador?

    バレ. ラス ペロ コン エル クチーヨ オ コン エルペラドール

    はい。ナイフでむきますか?それとも皮剥き器を使いますか?

    A:Pélalas como tú quieras.

    ペララス コモ トュ キレラス

    お好きなほうを使ってください。

    B:Voy a usar el cuchillo.

    ボイ ア ウサール エル クチーヨ

    ではナイフを使いますね。

    アクセント記号が付くcómo

    アクセント記号が付くcómo

    スペイン語には、como の最初の o にアクセント記号が付く cómo という単語もあります。似ていますが2つの単語は意味が異なるので、使い方に注意しましょう。

    アクセント記号が付いた cómo は、疑問文や感嘆文に用いて、次のようなフレーズで使われています。

    • ¿Cómo estás?(コモ エスタス) 調子はどう?
    • ¿Cómo se llama?(コモ セ ジャマ) (彼は)なんていう名前なの?
    • ¿Cómo se dice?(コモ セ ディセ) なんて言うの?
    • ¿Cómo lo usas?(コモ ロ ウサス)どうやって
    • ¿Cómo?(コモ)  何だって?

    ¡Cómo no!「もちろん!」

    これは cómo を使った定番フレーズです。「Noなわけがないじゃない!」と否定することで「もちろん!」という意思を伝えられます。ストーレトにOKだと伝える ¡Claro que sí!(クラロ ケ シー)という言い方と意味は同じです。

    A:Me han regalado 2 entradas de cine. ¿Quieres venir conmigo?

    メ アン レガラード ドス エントラーダス デ シネ. キエレス ベニール コン ミーゴ

    映画のチケットを2枚もらったわ。行きたい?

    B: ¡Cómo no! Vamos.

    コモ ノー!バモス

    もちろん!行きましょうよ。

    como と cómo を使ったスペイン語の会話例

    最後にスペイン語の como cómo を使った会話例を見ていきましょう。似ているけれど意味が違う2つの単語の使い方に注目して読んでみてください。

    María : Como ya es tarde, volvamos a casa. Hay que preparar la cena.

    コモ ジャ エス タルデ, ボルバモス ア カサ. アイ ケ プレパラール ラ セナ

    もう遅いから家に帰りましょう。夕飯の支度をしなくちゃ。

    Yurika : Bueno, vamos. Pero… ¿cómo se va a la estación?

    ブエノ, バモス ペロ… コモ セ バ ア ラ エスタシオン

    そうね、行きましょう。ええと…駅にはどう行くのかしら?

    María : Parece que estamos perdidas. Me siento como si fuera extranjera…

    パレセ ケ エスタモス プレディダス. メ シエント コモ シー フエラ エクストランヘラ

    私達、道に迷ったみたいね。まるで外国人になったような感じだわ。

    Yurika : A ver… no me acuerdo de cómo hemos llegado hasta aquí.

    ア ベール… ノー メ アクエルド デ コモ エモス ジェガード アスタ アキ

    ええと…ここまでどうやって来たのか思い出せないわ。

    María : Yo tampoco. Tengo hambre y no funciona bien mi cabeza, je je je.

    ジョ タンポコ. テンゴ アンブレ イ ノー フンシオナ ビエン ミー カベサ, ヘ ヘ ヘ

    私も。お腹が空いていて頭が働かない。へへへ。

    Yurika : Sea como sea, tenemos que buscar el camino para volver a casa.

    セア コモ セア, テネモス ケ ブスカール エル カミーノ パラ ボルベール ア カサ

    とにもかくにも、家に帰る方法を探さなくちゃね。

    María: ¿Qué te parece si cenamos aquí? ¿Te parece bien?

    ケ テ パレセ シー セナモス アキ? テ パレセ ビエン

    ここで夕飯を食べるっていうのはどう?いいと思う?

    Yurika : ¡Cómo no! Vamos a comer algo. Así no hace falta volver a la carrera.

    コモ ノー! バモス ア コメール アルゴ. アシー ノー アセ ファルタ ボルベール ア ラ カレラ

    もちろん!何か食べましょうよ。そうすれば急いで帰る必要もないわ。

    おわりに

    スペイン語の como は英語の as like に、アクセント付きの cómo how に似た使い方をします。熟語としても単独でもさまざまな表現があるので、少しずつ実践で使いながら覚えていってください。

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