スペイン語 ser と estar の違いを完全マスター!初心者向け使い分けガイド【例文・練習問題付】

  1. スペイン語単語・活用

スペイン語学習者が最初につまずきやすいポイントの一つが、動詞「ser」と「estar」の使い分けではないでしょうか。どちらも英語の “to be” に相当し、「~である」「~いる」と訳せますが、スペイン語では明確に区別して使われます。この二つの動詞を正しく使い分けることは、自然で正確なスペイン語を話すための非常に重要なステップです。

特に形容詞と一緒に使う場合、どちらの動詞を選ぶかによって意味が大きく変わってしまうこともあります。例えば、「(女性が)きれいだ」と言いたい時、”Es guapa.” と “Está guapa.” ではニュアンスが異なるのです。

この記事では、スペイン語初心者の方に向けて、「ser」と「estar」の基本的な意味の違いから、具体的な用法、形容詞との組み合わせで意味が変わるケース、紛らわしい例、そして覚え方のコツまで、豊富な例文と練習問題を交えながら徹底的に解説します。これを読めば、あなたも ser と estar の使い分けに自信が持てるようになるはずです!

スペイン語初心者必見!’ser’と’estar’の正しい使い方 – 違いを理解しマスターしよう!

Ser vs Estar:根本的な違いは「本質」か「状態」か

まず、ser と estar の最も基本的な意味の違いを理解しましょう。これが使い分けの核となります。

ser (セール)

意味: ~である

核となるニュアンス: 本質、恒常的な性質、不変の特徴、定義、同一性

(比較的) 変わらないもの、その人や物が「何であるか」を表す。

estar (エスタール)

意味: ~である、~いる

核となるニュアンス: 一時的な状態、変化するもの、感情、気分、場所、位置

変わりうるもの、その人や物が「どのような状態にあるか」「どこにいるか」を表す。

この「ser = 本質・恒常」と「estar = 状態・一時的」という基本的な考え方が、あらゆる用法を理解する上での土台となります。

天秤の両皿に「SER 本質」と「ESTAR 状態」と書かれたブロックが乗っている

Ser(本質)と Estar(状態)のバランスを理解しよう

「ser」の具体的な使い方:変わらない性質・定義を表す

では、「ser」がどのような場面で使われるのか、具体的な用法を見ていきましょう。「変わらないもの」「そのものが何であるか」を表す場合に用いられます。

1. 名前、国籍、出身

基本的に変わらない個人の情報を表します。

Yo soy Kenji. (ジョ ソイ ケンジ) – 私はケンジです。

Ella es española. (エジャ エス エスパニョーラ) – 彼女はスペイン人です。

Somos de Tokio. (ソモス デ トキオ) – 私たちは東京出身です。

2. 職業、宗教、政治的立場

その人の社会的役割や所属を表します。(一時的な場合は estar を使うこともあります)

Mi padre es profesor. (ミ パドレ エス プロフェソール) – 私の父は教師です。

Juan es católico. (フアン エス カトリコ) – フアンはカトリック教徒です。

日本人と紹介する人と、医者と紹介する人

国籍や職業など、基本的な属性には「ser」を使う

3. 性格、身体的特徴など恒常的な性質

その人や物が持つ、本来の変わらない性質や特徴を表します。

María es muy simpática. (マリア エス ムイ シンパティカ) – マリアはとても感じが良い(性格)。

El coche es rojo. (エル コチェ エス ロホ) – その車は赤い(色)。

La mesa es de madera. (ラ メサ エス デ マデラ) – そのテーブルは木製だ(材質)。

El hielo es frío. (エル イエロ エス フリオ) – 氷は冷たい(本来の性質)。

4. 時刻、日付、曜日、季節

時間に関する表現には基本的に ser を使います。

¿Qué hora es? – Son las dos y media. (ケ オラ エス? – ソン ラス ドス イ メディア) – 何時ですか? – 2時半です。

Hoy es lunes, 25 de abril. (オイ エス ルネス, ベインティシンコ デ アブリル) – 今日は月曜日、4月25日です。

Es primavera. (エス プリマベーラ) – 春です。

5. 関係性(家族、友人など)

比較的永続的な人間関係を表します。

Él es mi hermano. (エル エス ミ エルマノ) – 彼は私の兄(弟)です。

Somos amigos. (ソモス アミーゴス) – 私たちは友達です。

6. 所有(ser de + 所有者)

物が誰のものであるかを示します。

Este libro es de María. (エステ リブロ エス デ マリア) – この本はマリアのものです。

7. 出来事・イベントの場所や時間

注意!人や物の「存在場所」は estar を使いますが、コンサートや会議などの出来事・イベントが「行われる場所や時間」を示す場合は ser を使います。

El concierto es en el parque. (エル コンシエルト エス エン エル パルケ) – コンサートは公園でです(行われます)

La reunión es a las tres. (ラ レウニオン エス ア ラス トレス) – 会議は3時です(行われます)

比較:Juan está en el parque. (フアンは公園にいます。 – 存在場所 → estar)

8. 受動態(ser + 過去分詞 + por + 動作主)

動作の受け身を表します。(結果の状態を表す estar + 過去分詞 と区別が必要)

La carta fue escrita por Ana. (ラ カルタ フエ エスクリタ ポル アナ) – その手紙はアナによって書かれ。(書くという動作の受身)

比較:La carta está escrita en español. (その手紙はスペイン語で書かれている。 – 書かれた結果の状態 → estar)

9. 非人称表現(Es + 形容詞/名詞 + 不定詞/que + 接続法)

「~することは…だ」という一般的な事実や評価を述べます。

Es importante estudiar español. (エス インポルタンテ エストゥディアール エスパニョール) – スペイン語を勉強することは重要だ。

Es necesario que vengas pronto. (エス ネセサリオ ケ ベンガス プロント) – 君が早く来ることが必要だ。

「estar」の具体的な使い方:状態・変化・場所を表す

次に、「estar」の具体的な用法を見ていきましょう。「一時的な状態」「変化するもの」「場所」を表す場合に用いられます。

1. 一時的な状態(感情、気分、体調など)

その時々の変化する状態を表します。

Estoy cansado/a. (エストイ カンサード/カンサーダ) – 私は疲れている。

¿Cómo estás? – Estoy bien, gracias. (コモ エスタス? – エストイ ビエン, グラシアス) – 元気? – 元気です、ありがとう。

Juan está enfermo hoy. (フアン エスタ エンフェルモ オイ) – フアンは今日病気だ。

Estamos contentos con el resultado. (エスタモス コンテントス コン エル レスルタード) – 私たちは結果に満足している。

2. 場所・位置(人や物の存在場所)

人や物が「どこにあるか」「どこにいるか」を示します。

Madrid está en España. (マドリッ エスタ エン エスパーニャ) – マドリードはスペインにある。

Mis llaves están sobre la mesa. (ミス ジャベス エスタン ソブレ ラ メサ) – 私の鍵はテーブルの上にある。

¿Dónde estás ahora? – Estoy en casa. (ドンデ エスタス アオラ? – エストイ エン カサ) – 今どこにいるの? – 家にいるよ。

道に迷っている旅行者と、ベッドで寝込んでいる病人

場所や一時的な状態には「estar」を使う

3. 現在進行形(estar + 現在分詞)

「今~しているところだ」という進行中の動作を表します。

Estoy estudiando español. (エストイ エストゥディアンド エスパニョール) – 私はスペイン語を勉強しているところです。

¿Qué estás haciendo? (ケ エスタス アシエンド?) – 何をしているの?

4. 結果の状態(estar + 過去分詞)

動作が行われた結果として残っている状態を表します。

La puerta está cerrada. (ラ プエルタ エスタ セラーダ) – ドアは閉まっている。(誰かが閉めた結果、閉まっている状態)

La comida está preparada. (ラ コミーダ エスタ プレパラーダ) – 食事は準備できている。(準備された結果、できている状態)

5. 一時的な職業や役割

恒常的な職業は ser を使いますが、一時的な仕事や役割には estar de … を使います。

Ahora estoy de camarero en este restaurante. (アオラ エストイ デ カマレロ エン エステ レスタウランテ) – 今、このレストランでウェイターを(一時的に)している。

比較:Soy camarero. (私はウェイターです。 – 職業として)

6. その時の状態や様子

一時的な外見や状態を表します。

¡Qué guapa estás hoy! (ケ グアパ エスタス オイ!) – 今日は(おめかしして)なんてきれいなの!

El café está frío. (エル カフェ エスタ フリオ) – コーヒーが冷めている。(本来温かいはずのものが、一時的に冷たい状態)

要注意!ser と estar で意味が変わる形容詞

形容詞の中には、ser と estar のどちらと結びつくかによって意味が大きく変わるものがあります。これは非常に重要なポイントなので、代表的なものを覚えておきましょう。

形容詞 ser + 形容詞 (本質・恒常) estar + 形容詞 (状態・一時的)
listo/a 賢い、利口な 準備ができている
rico/a 金持ちだ、(物が一般的に)美味しい (その時食べて)美味しい
bueno/a 良い(性格/品質) 美味しい、健康だ、(見た目が)良い
malo/a 悪い(性格/品質) まずい、病気だ
aburrido/a 退屈な(性格/物) (今)退屈している
verde 緑色だ、(話などが)みだらな (果物などが)未熟だ
vivo/a 活発な、利口な、(色が)鮮やかな 生きている
muerto/a 退屈な、死んだような 死んでいる
seguro/a 安全な 確信している
interesado/a 利己的な、下心がある 興味を持っている (en…)

これらの形容詞は、ser と estar の基本的な意味(本質 vs 状態)を理解していれば、なぜ意味が変わるのかが推測しやすくなります。

例:

Juan es listo. (フアンは賢い – 性格・能力)

Juan está listo (para salir). (フアンは(出かける)準備ができている – 状態)

Esta manzana es verde. (このリンゴは緑色だ – 本来の色)

Esta manzana está verde. (このリンゴはまだ熟していない – 状態)

普段の表情の人と、あくびをして退屈そうな表情の同じ人

Ser aburrido(退屈な人) vs Estar aburrido(退屈している状態)

会話で確認!ser と estar の使われ方

最初の会話例で、ser と estar がどのように使い分けられているか、もう一度見てみましょう。

会話の振り返り

Es guapa. → 彼女は(元々/いつも)きれいだ。(ser + 形容詞: 本質的な美しさ)

Está guapa. → 彼女は(今日は/おめかしして)きれいだ。(estar + 形容詞: 一時的な美しさ)


Juan: No me gusta la verdura. (ノ メ グスタ ラ BERDURA)
野菜は好きじゃないんだ。
Taro: ¿Por qué? Es rica. (ポル ケ? エス リカ.)
なんで?おいしいのに。(ser + rico: 野菜は一般的に美味しいものだ、という性質)

Juan: ¿Qué tal? ¿Te gusta? (ケ タル? テ グスタ?)
どう?おいしい?
Taro: Sí, la carne está riquísima. (シー, ラ カルネ エスタ リキシマ.)
うん、肉が最高だよ!(estar + riquísimo: 今食べているこの肉が美味しい、という状態)

Juan: Mi primo tiene dos años y ya sabe el abecedario. (ミ プリモ ティエネ ドス アニョス イ ジャ サベ エル アベセダリオ.)
僕のいとこは2歳でもうABCが分かるんだ。
Taro: ¿Ya? Es muy listo, ¿verdad? (ジャ? エス ムイ リスト, ベルダッ?)
もう?すごく賢いんだね。(ser + listo: 賢いという性質)

Juan: ¿Estás listo? ¡Vamos! (エスタス リスト? バモス!)
準備はできた?行こう!(estar + listo: 準備ができている状態)
Taro: ¿Ya? Espera un momento. (ジャ? エスペラ ウン モメント.)
もう?ちょっと待ってよ。

覚え方のヒント:DOCTOR と PLACE

Ser と estar の使い分けを覚えるための、有名な語呂合わせがあります。

  • SER = DOCTOR
    • Description (描写、性質)
    • Occupation (職業)
    • Characteristic (性格、特徴)
    • Time (時間、日付、曜日)
    • Origin (出身、起源)
    • Relation (関係性)
  • ESTAR = PLACE
    • Position (位置、姿勢)
    • Location (場所、存在位置)
    • Action (進行中の行動 – 現在進行形)
    • Condition (状態、体調)
    • Emotion (感情、気分)

これはあくまでも目安ですが、どちらを使うか迷った時に思い出すと役立つかもしれません。

練習問題でチェック!

Ser と Estar の使い分けを練習してみましょう。(解答は最後にあります)

問題1:( ) に ser または estar の正しい活用形を入れてください。

  1. Mi hermana ( ) alta y delgada.
  2. Yo ( ) muy cansado hoy.
  3. ¿Dónde ( ) el baño?
  4. Nosotros ( ) estudiantes de español.
  5. La sopa ( ) demasiado caliente.
  6. El libro ( ) sobre la mesa.
  7. ( ) las diez de la mañana.
  8. Mi coche ( ) azul.
  9. María ( ) de buen humor hoy.
  10. Este edificio ( ) muy antiguo.

問題2:形容詞の意味がどう変わるか説明してください。

  1. a) La profesora es aburrida. b) La profesora está aburrida.
  2. a) Las manzanas son verdes. b) Las manzanas están verdes.

まとめ:Ser と Estar を使いこなしてスペイン語上達!

スペイン語の「ser」と「estar」の使い分けは、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、基本的な「ser = 本質・恒常」「estar = 状態・一時的」という考え方を軸に、具体的な用法を一つずつ確認していくことが大切です。特に形容詞との組み合わせで意味が変わるケースは、意識して覚える必要があります。

焦らず、たくさんの例文に触れ、実際に会話や作文で使ってみることで、自然と使い分けの感覚が身についていきます。この二つの動詞をマスターすれば、あなたのスペイン語はより正確で、表現豊かなものになるでしょう。頑張ってください!


練習問題 解答

問題1:

  1. es (性質)
  2. estoy (状態)
  3. está (場所)
  4. somos (職業/属性)
  5. está (状態)
  6. está (場所)
  7. Son (時刻)
  8. es (性質)
  9. está (状態)
  10. es (性質)

問題2:

  1. a) 先生は(性格が)退屈な人だ。 b) 先生は(今)退屈している。
  2. a) そのリンゴは(種類として)緑色だ。 b) そのリンゴは(まだ)熟していない。
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マリア (María) この記事を書いた人

元・高校教師(主に歴史担当)であり、現在は日本でスペイン語・英語講師としても勤務しより良い教育実践を目指し、日本の教育制度についても学んでいます。スペイン政府機関セルバンテス文化センター(東京)認定のDELE試験官(全レベル A1~C2)及びAVEオンライン講師資格保持者です。
セルバンテス文化センターでの講師経験に加え、独立行政法人国際協力機構(JICA)、大手企業(丸紅、日野自動車等)、多数の語学学校で、日本人学習者に対する豊富な指導実績を有し専門知識に基づいた指導、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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