スペインでは、家族の絆と家族関係の重要性が非常に高く評価されています。その証拠として、スペインでは「Libro de Familia(家族手帳)」と呼ばれる公式な証明書が存在します。この記事では、スペインの家族制度文化について詳しく探求し、家族手帳の役割や必要性について説明します。
さらに、スペイン人の家族観や国際結婚における家族手帳の重要性、そしてデジタル化の進展についても触れていきます。
¡Hola Todos! みなさんこんにちは。今回は、スペインの家族制度文化についてご紹介します。
”Libro de Familia”とは、家族の関係を証明するための公式な手帳のことで、日本語では「家族手帳」と訳されます。
ス ペインで重要な役割を果たしている ”Libro de Familia”について見てみましょう!
スペインの家族絆を象徴する”Libro de Familia”の全て
目次
Libro de Famlia 家族手帳
Javier : Llevas mucho tiempo aquí en España. ¿Llamas a tu familia a menudo?
太郎は、スペインに長くいるよね。家族によく電話するの?
Taro : Pues, de vez en cuando. Hablo con mis padres una vez cada dos o tres semanas.
うーん、たまにかな。両親とは、2、3週間に1度話すよ。
Javier: ¡Es muy poco! Yo, en tu lugar, los llamaría cada día. Los echaría mucho de menos.
それだけ!?僕だったら、毎日電話しちゃうよ。きっととてもさびしいからさ。
Libro de Famlia 家族手帳とは?
「家族手帳」とは、スペイン法務省より無償で発行される証明書のこと。
手帳 では、夫婦また親子の血縁関係が証明されており、出生や養子縁組、死亡、別居、離婚等の情報が記載されます。
カップルが結婚する際、もしくは結婚していな いカップルが生まれた子どもを登録する際に交付されます。
家族の関係を証明するための公的な書類として、スペインでは非常に重要なものになっています。
スペイン人の家族観
まず、スペインの家族関係についてご紹介します。
スペインでは、家族はとっても大切なもの。スペイン人に「人生で最も大切なものは?」と聞くと、迷わず「家族!」と答える人が多いですよ。
一人暮らしをしている学生も、家族をもっている社会人も、週末など時間を見つけては(もちろん距離にもよりますが)家族に会いに帰省する人がたくさんいます。
クリスマスやイースターなど、イベント行事の日には家族で集まるのがスペインの習慣。遠い親戚も集まって、皆で楽しく食卓を囲む風景もよくみられます。
また、家族のことについて話すときも、 ”Mi madre cocina muy bien.(私のお母さんは料理が上手です。)”や、 ”Mi hermano es inteligente.(私のお兄さんは頭がいいです。)”など、褒めることも多いです。
日本の家族観とはずいぶん違っていることが分かりますね。
スペインで家族手帳が必要な場面
¡Hola Todos! みなさんこんにちは。前回は、 ”Libro de Familia(家族手帳)”とは何なのか、を見ましたね。「家族手帳」とは、スペインで夫婦また親子の血縁関係が証明される重要な書類のことです。
スペインでの生活において、家族手帳はさまざまな場面で必要とされます。まずは子供に関する場面です。未成年の子供が身分証明書やパスポートを作成する際には、家族手帳が必要となります。
また、産休を取得する際や子供を社会保険に加入させる際にも家族手帳が必要となります。さらに、保育園や公立の小学校への入学申し込みにも家族手帳が必要です。また、乳児と一緒に旅行する場合にも家族手帳が唯一の身分証明書となります(スペイン国外への出国時にはパスポートも必要です)。
今回 は、こちらの「家族手帳」がどんな時に使われるのかを見ていきたいと思います。
Libro de Familiaの必要な場面
Javier : ¿Sabes? ¡Hanako y David van a casarse!
ねえ、花子とダビッドが結婚するって!
Taro : ¿Ah sí? Pues no lo sabia. ¡Me alegro mucho!
そうなの?知らなかった。よかったねえ、花子とダビッドが結婚することになった!
Javier : Dicen que van a hacer la boda en diciembre. Ya nos invitarán.
12月に結婚式を挙げるらしいよ。きっと招待してくれるよ。
Taro : ¿Dónde van a vivir? ¿En España o en Japón?
どこに住むんだろう?スペインかな、それとも日本?
Javier : Como David tiene trabajo, creo que seguirán en España.
ダビッドが仕事をしているし、たぶんスペインだと思うよ。
どんな時に必要?
こちらの「家族手帳」は、一体どんな時に必要になるのでしょう?
子供に関する場面
未成年が、スペイン政府の発行する身分証明書もしくはパスポートを作成する場合。
産休を取得する場合。また、子どもを社会保険に加入させたり、居住地で住民登録させる場合。
保育園への入園や公立の小学校への入学を申し込む場合。
乳児と旅行する場合。家族手帳が、唯一の身分証明書となります。スペイン国外に出る場合は、パスポートを作成すること。
仕事に関する場面
失業保険の給付金や公的補助を受ける場合。扶養家族に基づいて、給付金が計算されます。
労働契約を結ぶ場合。源泉徴収が計算されます。
以上を見ると、スペインでの生活の各場面でこちらの「家族手帳」が必要なことが分かりますね。特に、生まれた子どもにとって重要な身分証明となっています。
スペイン人との結婚
近年増えている国際結婚。もしスペイン人と結婚したら…?その場合にも、家族になった証として、こちらの「家族手帳」が付与されます。
また、結婚後スペインに居住する際には、こちらの手帳の提示が求められます。
その後、出産など人生のいたるシーンで必要になってくるので、大切に保管しましょう!
進むデジタル化
現政府の提案する、戸籍登録の法律の改正が行われた場合、紙媒体の「家族手帳」はなくなる予定です。
国民にはそれぞれコードが付与され、手続等は全てインターネットでできるようになるとのこと。何でもデジタル化が進む時代、こちらの家族手帳もご多分にもれず、ですね。
おわりに
スペインでは家族関係や家族手帳の重要性が非常に高く評価されています。家族手帳は家族関係を証明するための公的な書類であり、スペインでの生活のさまざまな場面で必要とされます。また、国際結婚においても家族手帳が重要な役割を果たします。しかし、将来的にはデジタル化が進み、紙媒体の家族手帳はなくなる予定です。スペインで家族ができたら、家族手帳を大切に保管し、家族の権利を守っていきましょう。