今回は、porの使い方をいくつかご紹介します。どのように使われているか、実際の会話を通して学びましょう!
混同しやすいスペイン語前置詞「porとpara」の使い方と使い分け
目次
porの使い方
場所
Juan: ¿Donde está la casa de María?
マリアの家はどこ?
Taro : Estará por aquí.
この辺りだと思うんだけど。
“por+場所”で、「付近」を表すことができます。
”por aquí”といえば、「だいたいこの辺り」という意味になります。
時間
Juan: Vienes a casa este sábado, ¿verdad?
今週の土曜日家へ来るんだよね?
Taro : Sí, iré por la tarde.
うん、午後に行くよ。
“por+時間・期間”で、「~の間に」となります。
” por la tarde”といえば、「午後の間に」という意味になります。
原因
Juan: ¿Qué hicisteis después de que yo me fui ayer?
きのう僕が帰ったあと、何をしたの?
Taro : Al final, no fuimos a la playa por el viento y nos quedamos en casa.
結局、風が強かったからビーチへは行かなかったんだ。家にいたよ。
“por+名詞”で、「原因」を表すことができます。
” por el viento”といえば、「風が原因で=風が強かったので」と考えることができます。
手段
Juan: ¿Me pasas las fotos de anoche?
昨日の夜撮った写真くれる?
Taro : Sí, te las mando por e-mail.
うん、メールで送るよ。
“por+名詞”で、「~で、~を使って」という手段を表すことができます。
” por e-mail”で、「メールを使って」という意味になります。
交換
Juan: ¡Qué zapatos más chulos! Serían muy caros.
昨日の夜撮った写真くれる?
Taro : Gracias, pero la verdad es que eran muy baratos. Los compré por 15 euros en una tienda de la calle Goya.
ありがとう。実はすごく安かったんだよ。ゴヤ通りの店で、15ユーロで買ったんだ。
“por+名詞(金額など)”で、「~と交換に」という意味になります。
”por 15 euros”で、「15ユーロと引き換えに=15ユーロで」となります。
いかがでしたか?以上に挙げたものが、porの代表的な使い方のうちのいくつかです。
当初はporとparaを使い分けるのは難しいですが、たくさんの例文を見るうちにだんだんと自然に分かってくることでしょう。
スペイン語の前置詞のporとpara、とても混同しやすいクセ者です。みなさんはどのように使い分けるかご存知ですか?
前回はporの使い方を学びましたね。今回は、paraの使い方をいくつかご紹介します。どのように使われているか、実際の会話を通して学びましょう!
paraの使い方
目的
Juan: ¿Para qué estudias español?
何のためにスペイン語を勉強しているの?
Taro : Para trabajar en España.
スペインで仕事をするためさ。
“para+ 名詞、動詞など”で、「目的」を表すことができます。
”para trabajar en España”といえば、「スペインで仕事をする目的で」という意味になります。
paraのあとに”que+接続法の文”が来ることもあり、「(主語以外の者が)~するために」となります。
Mis padres están ahorrando para que mi hermano estudie en España.
両親は、兄のスペイン留学のため(=兄がスペインで勉強するという目的のために)お金を貯めています
受取人
Juan: He traído este pastel para María.
マリアにこのケーキを持ってきたよ。
Taro : Muy bien, que a ella le encantan los dulces .
いいね!彼女甘いものが大好きだもんね。
“para+名詞や代名詞など”で、「(物や行為の受け取り手を表す)~へ」となります。 ”para María”といえば、「マリアへ」という意味になります。
目的地への方向
Juan: ¿A dónde vas?
どこへ行くの?
Taro : Bueno, para casa, que mi abuela está esperándome.
うちだよ。おばあちゃんが待ってるからさ。
“para+名詞”で、「方向」を表すことができます。 ” (Voy) para casa”といえば、「家へ(行く)」という意味になります。
締め切り
Juan: El ensayo es para el martes que viene.
エッセーは次の火曜日までだよ。
Taro : ¿Para el martes? ¡Nos falta poco ya!
火曜日までだって?もうすぐじゃないか!
“para+名詞”で、「期限・締め切り」を表すことができます。
” para el martes que viene”で、「次の火曜日が締め切り=次の火曜日までに」という意味になります。
いかがでしたか?
以上に挙げたものが、paraの代表的な使い方のうちのいくつかです。それぞれporとparaをどのような時に使うか、分かりましたでしょうか?
いろいろな例文を探して、porとparaの使い方に慣れるようにしましょう!一度慣れてしまえば、自由に使いこなせるはずです。
「前置詞porとparaの使い分け」
夏の豪華旅行を決めたマリア。今日はアルバイトを探しています。早速二人の会話を覗いてみましょう。
旅行の為のアルバイト
María: Cobro veinte euros por hora…Tres por veinte, sesenta…
時給20ユーロ、3×20で60ユーロ、か…
Yurika: Toma, aquí está la calculadora para tí. ¿Para qué estás haciendo esas cuentas?
はい、電卓をどうぞ。何を計算しているの?
María: Estoy buscando un trabajo temporal para enero. Pero no hay buenas ofertas de trabajo.
1月のアルバイトを探しているの。でもいい求人が無いわ…
Yurika: Todo es por culpa de la crisis económica. Pero, ¿para qué quieres hacer un trabajillo?
全て不景気のせいよ。でも、何のためにアルバイトをするの?
María: Para viajar por Italia en verano. Para mí es un viaje de lujo.
夏にイタリア周遊の旅行をするためよ。私にとっては贅沢な旅になるわ。
Yurika: ¡Qué bien! Pero ese viaje seguro que cuesta bastante.
素敵!でもその旅行は絶対高くつきそうね。
María: Por eso busco un trabajo, por si acaso. Mis ahorros no serán suficientes.
だから念のために仕事を探しているのよ。私の貯金で足りないかもしれないから。
Yurika: Si trabajas unos meses, para el verano ya habrás ahorrado bastante.
何カ月か働けば、夏までにはかなり貯金できているわよね。
ワンポイント
para:~ために
動作の「目的や対象」は「para」を使って示します。「por」と間違いやすいですが、「para」は動作が向かう意図、「por」は動作を起こした動機です。
María: Yurika, aquí hay una oferta de trabajo muy buena para tí.
ユリカ、あなたにとってもいい求人が、ここにあるわよ。
Yurika: ¿Trabajo para mí? ¿Pero…para qué?
私に仕事?でも…私が何のために?
por:~ために
和訳すると「~ために」となり、「para」と混同しやすいです。「por」は動作の「原因や理由」を示すものです。
María: Esta agencia de viajes busca a una japonesa. ¿No te gusta?
この旅行会社が日本人を探しているのよ。いいじゃない?
Yurika: Soy estudiante todavía. Tengo ahorros suficientes. ¿Por qué tendría que trabajar?
私はまだ学生よ。貯金もじゅうぶんあるし。私がなぜ?
para:~に、~までに、~の割には
時間・時期について「para」を使うと、「~までには」という意味も作れます。また「~の割には」という比例表現も「para」を使います。
María: Tú pareces joven para tu edad. De verdad, pareces una niña.
あなたは歳の割に若く見えるわね。実際、子供に見えるわよ。
Yurika: Quiero aparentar ser más adulta.
もう少し大人っぽくなりたいものだわ。
por:~頃
時間・時期の表現で「por」を使うと、「~頃に」「だいたい~程度の期間」という意味になります。「値段 por hora」では「時給○○」という意味です。
María: Mis padres me han dicho que mi abuelo va a operarse por febrero o marzo.
私のおじいさんが2月か3月ごろに手術するって、親から聞いたわ。
Yurika: Para operarse hay que quedarse en el hospital por unos días, ¿verdad?
手術なら何日間か入院しないといけないでしょう?
つ・ぶ・や・き
初心者でも、比較的使いやすい前置詞の「por」と「para」。同時に、混同しやすい前置詞でもあるので、要注意です。
少々間違えても意味は通じる、というケースが多いので、ご安心ください。でも、正しく使えるに越したことはありませんね!