スペイン語で「雨が降る」

    1. スペイン語発音

    スペインには日本のような長雨の季節はありませんが、もちろん雨は降ります!

    「雨が降る」という動詞は、ご存じの通り「llover」、「雨」という名詞は「la lluvia」ですね。

    スペイン語学習の中でも天気の表現は比較的最初の方で現れてくるテーマの一つですが、さっそくこの「ll」の発音でドッキリされる方も多いのではないでしょうか。

    スペイン語で「雨が降る」

    ドブレ・エレ

    スペイン語では「l」を二つ並べた「ll」を「ドブレ・エレ(Lが2つ)」という一つのアルファベットとして扱う習慣があり、発音もLが1つのそれとはまったく異なります。

    しかもこの「ドブレ・エレ」、なんと自己紹介の決まり文句「me llamo~(私は~と申します)」にもでてきているではありませんか!

    さらにお馴染みのスペイン料理「paella」やら、「スペイン語」という単語の正式名称「castellano」、通りの名前を呼ぶ「calle」など、次から次へと現れる単語は気がつけば「ドブレ・エレ」が目白押し。

    これはしっかり発音をマスターしてしまいたいところです。

    ll」の発音の注意点

    時々カタカナの振り仮名のついているスペイン語の解説では「lla-llu-llo」を「ジャ・ジュ・ジョ」(あるいはリャ・リュ・リョ)という日本語表記に置き換えています。

    もちろんこの通りに発音してもちゃんと通じますね。

    とはいえ、ネイティブの「ドブレ・エレ」の発音と聴き比べると明らかに「何か」が違うのです。

    そこで是非一度確認していただきたいのが中辞典以上のサイズの西日辞典。巻頭巻末の解説に発音記号ごとの舌と歯の位置、空気の出し方など、いわゆる各アルファベットの発音のしかたが図解になっています。

    ll」は上下の歯の間に隙間があいた状態で、舌先(上側)を下の前歯の裏に密着させたままの口の形で「ジャ・ジュ・ジョ」と言ってみてください。

    やり方によっては「ギャ・ギュ・ギョ」「ディャ・ディュ・ディョ」にすら聞こえますが、これがネイティブの「lla-llu-llo」です。

    辞書をフル活用される方でも意外と見落とされているページですが、このように是非一度、一つ一つの発音をご自分の表情筋で確かめてみましょう。自分の発音の「何かが変わった!」という感激にきっと出会えます!(ついでに表情筋を鍛えてリフトアップにもつながる…かも。)

    ホタ

    ドブレ・エレと同じく初期の学習で早速お目にかかる発音のキモ、といえば、やはり「J(ホタ)」は外せません。

    何しろ私達は日本人(japonés/japonesa)ですから!

    Soy japonés.(男性が言う“私は日本人です。”)」「Soy japonesa.(女性が言う“私は日本人です。”)」「Soy de Japón.(私は日本から来ました。)」また、スペインの男性に多い名前、お馴染みの「ホセ」も「José」と綴り、木曜日になれば「jueves(木曜日)」、6月7月は「junio」「julio」…もう一年中「J」は避けて通れない発音です。

    それでは気になる「J」の発音をチェックしてみましょう。

    J」の発音の注意点

    「“ja-ju-jo”は日本語の“ハ・フ・ホ”の発音だ!」と覚えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

    はい、それで大丈夫、通じます!…ただ、やはりネイティブの発音は日本語の「ハ・フ・ホ」とは少し違うのです。

    まず日本語で「ハヒフヘホ」と言ってみてください…これは簡単ですね。

    では次に同じ発音を、人差し指・中指・薬指の3本をタテにそろえて前歯で挟んだ状態で言ってみてください。(アゴが外れないようにご注意くださいね!)

    日本語の「ハヒフヘホ」よりも少し喉に負担がかかったという感じでしょうか。

    これがスペイン語の「J」の発音です。簡単にできますね!

    今日から「J」を発音するときに、是非この感覚を思い出して使ってみてください。

    ご自分の発音が急にスペイン人らしくなって、話すことがどんどん楽しくなるはずです!(そして無理にでもJLLが出てくる単語を使いたくなり、色々と調べるうちに語彙も増え、気がつけばエキスパート…です!)¡Enhorabuena!(おめでとうございます!)

    スペイン

    傘にまつわるスペイン語

    ここで雨にまつわる単語「傘」を味わってみましょう。

    「傘」はスペイン語で「el paraguas」。

    語尾が「-as」なので女性名詞の複数形のような気がしてしまいますが、単数で「el paraguas」複数で「los paraguas」単複同型の男性名詞ですね。

    雨の日にさすのが「paraguas」なら、「日よけ傘」は「el parasol」と言います。

    つまり「水(agua)を止める(parar)」もの、「para+agua」が転じて「paraguas」、「太陽(sól)を止めるもの」だから「para+sól」というわけです。

    一見長い単語でもよくよく観察してみると背景に物語を持っていることもあり、なんとも味わい深いですね。

    スペインと日本の傘の違いって?

    ところで「傘のファッション性」について、日本とスペインは随分と違いがあると私は感じています。

    日本では、折り畳み傘でも長い傘でも、かわいらしい柄、機能性、色々な工夫やおしゃれが取り込まれていて、雨の日を楽しく過ごせる配慮がさすがだと思います。

    一方でスペインではあまり長い傘やおしゃれな傘を見かけたことがありません。

    まれに雨が降ると、地味な色の古い折り畳み傘を車のトランクや物置などから引っ張り出して使う…そんな光景が雨の日にはありました。

    「折り畳み傘」と改めて言いたい時は「el piraguas plegable」という単語もあるのですが、普通に「paraguas」と言うだけでも「“折り畳み”傘」を指す人も多いようです。

    今日のまとめ

    J」と「LL」の発音と「傘」が入った例文を元気に読んでお別れしましょう。José, llévate el paraguas.(ホセ、傘を持って行きなさいよ。)次回もお楽しみに!

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