メキシコではスペイン語のほかに、政府公認のものだけでも68の民族語が存在し、その中でも最も多く話されているのがNáhuatl(ナワトル)という言語です。
しかし、スペインの侵略や偏見などの理由で、多くの民族語が失われつつあります。現在、メキシコ政府は残っている民族語を存続させるために努力しています。
スペイン語ができればラテンアメリカでは怖いものなし!というのを聞いたことがありますよね。
もちろんラテンアメリカのほとんどの国の公用語はスペイン語。でもそれ以外にもたくさんの言語が話されています。今回はメキシコの言語について見てみましょう。
メキシコの言語の多様性!スペイン語だけじゃない、現地の民族語
政府公認の多言語
日本という島国にいると、そもそも同じ国で幾つもの言語が話されるという概念すら、なかなか想像しづらいですよね。
現在メキシコではスペイン語のほかに、政府公認のものだけでも68の民族語(idiomas índigenas)があります。
数の多さにびっくりさせられますが、なんとすでに130もの民族語が使われなくなり存在しなくなったと言われています。それに伴い、彼らがもっていた文化や習慣も次第に失われていきました。
【メキシコの民族語は100以上】
また政府公認以外の言語も含めると、少数民族の使う100以上の言語が話されているという統計もあります。
現在メキシコ政府は、残っている民族語を存続させるために力を入れています。
例えば、日本で小学校や中学校にあたる教育機関では、その地域で多く話されている民族語が、必須科目として盛り込まれています。
小さい頃から学ぶことで、言語の存続だけでなく、文化を守ろうとしているわけです。
民族語の使用状況
現在メキシコでは600万人が何らかの民族語を話すという結果が出ています。もちろん公用語はスペイン語なので話せますが、彼らの”心に達する言葉”は民族語というわけです。
郊外に行けば行くほど、多くの人が民族語を話すわけで、村に住むお年寄りはスペイン語が一切理解できないというケースもあります。
現在では少し改善されてきましたが、昔は女性は家に残るものなので教育は必要ないという考えがあり、女の子は学校にも行かせてもらないということがよくあったそうです。
それに伴い、年配の女性は男性よりもスペイン語を知らない率が高いといえます。
民族語が失われつつある理由
スペインが中米を侵略していったことは歴史でも学びましたよね。
それ以前、ラテンアメリカには様々な民族、言語、それに伴う文化や習慣が存在していました。スペインの侵略によって全てが統一されていった訳です。
この時代を経験した人たちはいろいろな恐怖を経験したので、力づくでスペイン語をマスターし、民族語を話さなくなりました。
また、民族語に対する偏見(人種差別のようなもの)がある地域もあり、親は民族語を話しても子供にはスペイン語で話し、結果子供たちの世代は民族語を理解はできても話せないといったケースが多いようです。
さいごに
メキシコの民族語の中でも一番多く話されているのが Náhuatl(ナワトル)という言語です。言語としてしっかり確立されていて、インターネットでも検索するとたくさんの情報がでてきます。
メキシコを訪れる際は、民族語での挨拶などをいくつか覚えていくと、現地の人とのコミュニケーションがもっと楽しくなるかもしれません。