今回は、バルセロナ市から電車で約1時間30分、岩山の聖地モンセラットをご紹介します。カタルーニャの信仰の要所とは、一体どんなところなのでしょう?
バルセロナからの旅!モンセラット絶景と巡礼日帰りガイド
目次
岩山の聖地モンセラット
Javier : Cuando visites Barcelona, tienes que ir a la “Montserrat”.
バルセロナへ行くとき、「モンセラット」へ行った方がいいよ。
Taro : ¿Cómo? ¿”Montserrat”?
なに?「モンセラット」?
Javier : Sí, es una montaña que está situada a unos 50 kilómetros de la ciudad Barcelona.
うん。バルセロナ市内から50kmくらい行ったところにある山だよ。
Hay un monasterio muy importante de Cataluña.
カタルーニャの重要な修道院があるんだ。
Montserrat モンセラット
カタルーニャの聖地
バルセロナ近郊にある山、モンセラット。11世紀に修道院が建てられ、12世紀に羊飼いが洞窟でマリア像を発見してから、キリスト教信仰の重要な地となってきました。
今でも多くの巡礼者たちが訪れるこの場所では、山上にそびえたつ修道院の幻想的な姿を見ることができます。
La Moreneta ラ・モレネータ
黒いマリア像
モンセラットの修道院内部にまつられているこちらのマリア像は、珍しいことに黒色。
12世紀にモンセラットの洞窟で発見されて以来、カタルーニャ地方の守護神として人々に大事にされてきました。
こちらのマリア像には触れることもでき、筆者が訪れた際は行列ができていました。(なんと2時間待ち!)
Escolani エスコラニア
歴史ある合唱団
毎日修道院で行われているミサで、少年合唱団エスコラニアの美しい歌声を聞くことができます。
合唱団の起源は14世紀にまでさかのぼり、ヨーロッパの最も古い合唱団の一つと言われています。堂内に美しく反響する歌声をぜひ聞いてみてください。
San Joan サン・ジュアンの展望台
聖地からの眺めを
フニクラ(ケーブルカー)で山を登ると、たどりつくのがこちらの展望台。晴れていれば、岩山にそびえ立つ修道院やピレネー山脈、地中海を一望することができます。
景色を楽しみながら、ハイキング・コースを散策するのもオススメです。
Santa Cova サンタ・コバ
伝説の洞窟へ
フニクラで行けるこの洞窟は、修道院にある黒いマリア像が発見された伝説の洞窟です。
洞窟へ向かうまでの道には、秘跡(神の恩恵を受ける儀式)を表す15の像が置かれています。
その中の1つ目の作品『キリストの復活』は、サグラダ・ファミリアの建設者ガウディの作品なので、お見逃しなく!
いかがでしたか?モンセラットは、緑豊かなカタルーニャ地域の自然を手軽に楽しむことのできる場所です。日帰りで行けるので、旅行の際にはぜひ訪れてみてくださいね!
魅力あふれる巡礼のスペイン旅
みなさん、”Camino de Santiago”って聞いたことはありますか?
“camino”は「道」という意味で、直訳は「サンティアゴの道」。中世より受け継がれてきた、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のことです。
今回は、カミノ・デ・サンティアゴの魅力をお伝えします。
カミノ・デ・サンティアゴって何?
スペイン国内だけでなく、フランスやポルトガルを出発点とした複数の巡礼路が存在します。
ピレネー山脈から歩く場合、その道のりは約800km。巡礼路には巡礼のシンボルであるホタテ貝のマークがついた標識があり、巡礼者を導いてくれます。
1日20~30km歩いても1ヶ月以上はかかる道のりなので、ゴール地点に到達したときの達成感はひとしお。
徒歩もしくは馬で100km以上、自転車で200km以上を達成すると、サンティアゴ・デ・コンポステーラにある巡礼路のオフィスにてCompostelano(巡礼証明書)がもらえます。
起源
巡礼の起源は、一つの伝説にあります。
1世紀にキリスト12使徒の1人である聖ヤコブ(スペイン語ではサンティアゴ)がエルサレムで殉教した後、彼の遺骸はスペインへ運ばれましたが、その後墓の存在は忘れられてしまいました。
しかし時を経た9世紀、とある羊飼いが、奇跡的にスペイン北西部ガリシアにあるサンティアゴ・コンポステーラにて聖ヤコブの墓を発見します。
この話はヨーロッパ各地に広まり、ヨーロッパ中から多くの巡礼者がこの地を目指すことになりました。
その後1000年以上が経過した今でも巡礼者の数は絶えることなく、2013年には200万人を超える人々が巡礼路をたどって聖地を目指しました。
旅のお供に…
旅のお供に欠かせないのが、ホタテ貝と、水筒代わりのひょうたん、そして杖。これら3つのアイテムは、現代のサンティアゴ巡礼者のシンボルとなっています。
巡礼路には、ナップザックにホタテ貝とひょうたんをぶらさげて、杖を片手に雄大な道を歩む人々の姿を目にすることができます。
巡礼中は…
巡礼中の大きな助けとなるのが、 Albergue(巡礼宿)。
Credencial(巡礼者であるという証明書)があれば、巡礼路上にある巡礼宿に無料もしくは数ユーロで宿泊することができます。
Albergueでは同じく巡礼路を歩む世界中の人々と知り合うことができ、素晴らしい思い出の一つとなるでしょう。
最終目的地、サンティアゴ・デ・コンポステーラ
それぞれの思いを抱えながら、各地から果てしない道のりをたどってきた人々がたどり着く目的地は一つ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂です。
大聖堂の前では、到着した喜びに歓喜する人々や、涙を流す人々の姿が見られます。大聖堂では、毎日午後に巡礼者のためのミサが行われています。
おわりに
いかがでしたか?広大な自然の中、何人もの人々が踏みしめてきた道を辿る巡礼路の旅。
多くの出会いと別れがあり、かけがえのない体験ができることでしょう。