スペインを代表する小説の一つ『Don Quijote(ドン・キホーテ)』、読んだことはありますか?
今回は、中世の香り漂うドン・キホーテの世界へと皆さんをご案内します。
スペイン語で探るドン・キホーテの世界 – 作品と作家の深層へ
目次
ドン・キホーテの世界
ドン・キホーテとは
ドン・キホーテは、17世紀に作家 Miguel de Cervantes(ミゲル・デ・セルバンテス)によって書かれた風刺小説です。
この小説は、銀行の倒産による税金の未納で投獄されたセルバンテスが、獄中で考えた物語だと言われています。
【世界的なベストセラー】
彼は出所後にドン・キホーテを出版し、これは後にベストセラーとして世界中に広まりました。
現代でも、映画はもちろんのことバレエや音楽などのテーマとなって愛され続けている物語です。
作家セルバンテス
セルバンテスは、1547年に貧しい外科医の家庭に生まれました。きちんとした教育は受けられなかったものの、幼少期より読書を好み熱心に本を読んでいたといいます。
その後はスペイン軍に入隊し戦いにより腕に障害を負い、捕虜として数年間捕らえられた後にスペインに帰国します。
【1605年にドン・キホーテ出版】
その後も父親の死や失職、投獄など様々な苦難を経て、1605年に『ドン・キホーテ』の出版に至りました。
同作以外にも数々の名作を生み出し1616年に没しましたが、現代にも名を残している著名な作家の一人となっています。
マドリードから電車で1時間弱で行ける町アルカラ・デ・エナーレスには、彼が生まれたアンテサナ病院や、生家を再現した家屋などが建てられています。
あらすじ
物語の舞台はヨーロッパ中世。当時流行していた*騎士道物語を読んだ下級貴族出身の主人公が、自分を伝説の騎士だと思い込む妄想に陥ります。
そして主人公は自らを「Don Quijote de la Mancha(ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ)と名乗ります。
貧相な馬 Rocinante(ロシナンテ)にまたがって、農夫 Sancho Panza(サンチョ・パンサ)をお供に冒険の旅へ繰り出します。
【スペイン語がわかればもっと面白い!】
ちなみに、”Rocinante”ということば には「痩せた老いぼれ馬」、また ”Panza”には「太鼓腹」という意味があり、登場人物の名前にも風刺を込めている点が面白い点の一つといえます。
このように旅に出たドン・キホーテが繰り広げる冒険のエピソードを面白おかしく描き出した物語が、名作ドン・キホーテです。
(*騎士である主人公が冒険を繰り広げ、敵を倒して町の民衆を解放したり、姫を救ったりする物語。アーサー王の物語などが有名です。)
物語の舞台、ラ・マンチャへ
マドリードから日帰りで、ドン・キホーテの舞台となったラ・マンチャ地方へ行くことができます。
ここでご紹介する町は、マドリードからバスで2時間のところにある Consuegra(コンスエグラ)。丘のふもとにある、人口約8000人の小さな町です。
【有名エピソードの舞台へ】
ブドウ畑が広がる美しいこの町の見所は、優雅に並び立つ11基の白い風車です。
ドン・キホーテが風車を巨人と思い込み、戦いを挑むというエピソードが作中で最も有名なエピソードとして取り上げられることも多いですね。
この村では実際にこのような風車を目にすることができ、ドン・キホーテの舞台にタイムスリップすることができるのです。
おわりに
いかがでしたか?永遠の名作『ドン・キホーテ』、皆さんも是非読んでみてください。
スペイン語の原文にチャレンジして、中世の香りをそのまま味わうのもよいかもしれません!