スペイン語口語でよく使われる慣用句とその使い方

    1. スペイン語勉強

    ¡Hola todos! みなさんこんにちは。今回のテーマは【口語の慣用句】です。

    口語表現はなかなか習う機会がありませんが、実際のネイティブの会話ではよく使われています。

    今回は、使えるようになると一歩ネイティブに近づける、慣用句の数々をご紹介します。

    スペイン語口語でよく使われる慣用句とその使い方

    スペイン語の慣用句

    Ir al grano

    「行く」という意味の動詞”ir”と、「穀物」や「粒」を表す名詞”grano”を組み合わせた慣用句。“Ir al grano”と言うと「本題に入る」という意味になります。

    この慣用句は、その昔穀物を収穫した際に、ワラを取り除いて穀物を取り分けていた脱穀に起源があると言われています。

    ワラは不要で、「穀物こそが大切なもの」というイメージから派生しています。

    Vamos al grano. No tenemos mucho tiempo.

    本題に入ろう。あまり時間がないんだから。

    Ponerse las botas

    botas”は「ブーツ」で、直訳すると「ブーツを履く」という意味です。スペインでは、これに加えて「思い切り楽しむ(食べたり飲んだりする)」という意味でも使われます。

    起源は、ブーツがその昔、お金持ちの人しか買えない高級品であったということからきています。

    「お金持ちの人=ぜいたくする」というイメージから、このような慣用句が生まれたのだとか。

    Me puse las botas en Navidad. Mi madre siempre cocina un montón en las fiestas.

    クリスマスにたくさん食べちゃった。お母さんが、パーティーでいつも山ほど料理するんだもの。

    Estar hecho un Cristo

    青い空を背景に十字架上のイエスのスペインの像。

    「哀れ」や「ひどく汚れている」というネガティブな意味を持つ慣用句です。

    Cristo”は、スペイン語で「イエス・キリスト」を指します。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、イエス・キリストはむち打ちや十字架の磔にあい、無残な形で生涯を終えました。

    その様子から、この慣用句が生まれたと言われています。カトリック国のスペインらしい慣用句ですね。

    La habitación de mi hermano está hecho un Cristo. Le digo que limpie, pero no me hace caso.

    弟の部屋はひどいのよ。片付けるように言うんだけど、気にとめないの。

    Pintar la mona

    「何もしない」という意味の慣用句です。起源は、この表現に使われている単語”mona”にあります。

    mona”はいくつか意味がありますが、ここでは「ババ抜き」という意味をもっています。ババ抜きをして、最後にババのカードだけが残った人は「何もできない」ですよね。

    Ayer como pintaba la mona en el trabajo, me fui a casa pronto.

    昨日は仕事で何もすることがなかったから、早く家に帰ったんだ。

    スペインでネイティブたちが使う、様々な慣用句をご紹介したいと思います。

    面白い言い回しを取り上げるので、練習して実際の会話で使ってみましょう!起源にも注目してみてくださいね。

    スペイン語の慣用句

    Ponerse como una sopa

    「スープ」という意味の名詞“sopa”を使った表現で、直訳すると「スープみたいになる」です。

    慣用句としての意味もそのまま連想することができますが、わかりますでしょうか?正解は、「びしょぬれ」という意味です。

    スープが食文化に根付いている、スペインらしい表現と言えます。

    Mamá, tráeme una toalla. Empezó a llover de repente y me he puesto como una sopa.

    お母さん、タオルを持ってきて。突然雨が降り始めて、びしょびしょになっちゃったの。

    Costar un ojo de la cara

    「非常に高い」や「価値がある」という意味の慣用句です。直訳すると、「顔の片目を要する」となりますが、文字通りの意味ですね。

    この慣用句の起源は、16世紀に南米諸国の征服を進めていたスペイン人ディエゴ・デ・アルマグロという人物にさかのぼると言われています。

    スペインによるアメリカ征服のために、現在のコロンビアで先住民から攻撃を受けて片目を失ったディエゴのエピソードから、この慣用句が生まれたということです。

    ¡Qué chulo el coche! Es el modelo más nuevo, ¿no? Seguro que te costó un ojo de la cara.

    かっこいい車!最新のモデルだろう?びっくりするくらい高かっただろうね。

    Mandar a freír espárragos

    アスパラ

    mandar(命令する)”と” freír(揚げる)”、”espárrago(アスパラガス)”を使った慣用句です。

    直訳すると「アスパラガスを炒めるように命令する」となりますが、意味はわかりますでしょうか?

    これは19世紀から使われている慣用句で、「(~を)追い払う」という意味を持っています。

    アスパラガスは火が通るのが遅いため、アスパラガスを炒めるように言いつけることで、相手をより長い時間自分の元から離れさせる、という意味が含まれていると言われています。

    相手に向かって言うときには”Vete a freír espárragos(アスパラガスを炒めに行け=さっさと出ていけ)”という表現も存在します。

    また”espárragos”の代わりに”churros(チュロス)”を使うこともあるのだとか。スペインらしさが感じられる表現ですね。

    Como estaba harta de escuchar las quejas, le mandé a freír espárragos.

    愚痴を聞くのに飽き飽きしたから、彼を追い払っちゃった。

    おわりに

    いかがでしたか?スペイン語の口語の慣用句でした。まだまだ興味深い慣用句はたくさん存在するので、是非調べてみてくださいね!

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