スペインの失業率はどのくらいか、皆さんご存知ですか?欧州危機から経済までスペインの「今」を除いてみましょう。
スペインの失業率と現状:危機から未来への展望
目次
欧州危機と言えば、スペインが熱い
欧州危機と言えば、スペインは熱いですね!(こんなことで熱いのって…)
スペイン国債入札や日曜営業スタートで雇用問題対策などなど、毎日スペインのニュースが目白押し。
スペインの失業率
この春の段階でスペインの失業率はなんと24.4%…驚くべき数値ですね。4人に1人は失業という計算です。これは深刻!
それにしても失業問題を解決すべく営業時間を増やすなんて、いい所に目をつけたなと感心しました。
伝統のお昼寝タイム(実際には寝ているわけではなく、昼食後にダラダラ過ごすだけですが)「siestaシエスタ」が無くなる日も近いのでは!?という噂もありますね。
スペイン語で”失業”
さて、スペイン語で「私は失業しています」という表現は
Yo estoy en paro
直訳すると「私はストップ(paro)しています」というニュアンスになります。
「estar en paro」で、仕事を「失った」というより「停止している」という響きが、なかなか前向きでいいですね。
【rとlの発音】
初めてこの表現を聞いた時、私はparoの「r」を「l」と聴き違え、「“失業していること”をスペイン語では“Estoy en Palos(パロスにいます)”と言うのか!」と勝手に感動してしまった経験があります。
なぜ「パロスにいる=失業」が感動なのかと言えば、アンダルシアのPalosとはコロンブスがアメリカに出発した港町。
つまり「失業」を「船出を待つコロンブス」にかけているのだと勘違いした私は「なんてドラマチックで希望に満ちた失業表現なんだ!やっぱりスペイン語が大好きだぁぁ!」と感激したのもつかの間…
「r」と「l」の聞き分けの難しさ「s」の発音が落ちやすいアンダルシアスペイン語の癖など、改めて自分の勉強不足を反省したのであります…。
ニートという社会現象
失業問題と必ずしも同一線上ではありませんが「仕事をしていない、勉強もしていない」いわゆる「ニート」という社会現象、スペイン語では「NI-NI」という新しい単語が生まれています。
「ni~ni …」はスペイン語で「~も…もない」という意味の接続詞の用法ですが、つまり
ni trabajar ni estudiar
働いているわけでもなく勉強しているわけでもない
というライフスタイルをこう呼ぶわけです。「私はニニです」…なんだかかわいらしい響きですね…(いやいや、喜んでばかりもいられません!)
ストライキ
estar de paro「ストライキをしている」
ところで「失業している(estar en paro)」の前置詞「en」を「de」に置き換えて「estar de paro」というと「ストライキをしている」になります。
前置詞を使い間違えてしまうと意味まで変わってしまう…この点も注意しておきたいところです!
少し長めにスペインに滞在されたことがある方は、一度は交通機関の「ストライキ」に悩まされたことがあるのではないでしょうか。
待てど暮らせど電車が来ない、バスが来ない…時間だけが虚しく過ぎて…あれはもう笑うしかありませんね。
huelga「ストライキ」
ちなみに「huelga」一語で「ストライキ」という単語もあります。さすがスペイン、ストライキ表現が充実しています!
せっかくなのでストライキ表現もマスターしましょう!
さきほどの「paro」を使わずに「huelga」という単語を使って表現する場合は「estar en huelga(今度は“en”ですね!ややこしい…)」、
動詞「hacer」を使い、例えば「Hoy hacemos la huelga.(今日私達はストライキをします。)」などと表現します。…(こんなことあまり言って欲しくないですけれどね…。)
【不規則同士は丸暗記】
動詞「hacer」は不規則活用で、初めてスペイン語を習う方にとっては最初の関門になるところですが、英語の「do」とほぼ同じ仕事をしてくれる便利な動詞です。
そしてこの不規則活用を覚えてしまえば、そこから使える表現が広がり、上達の感触を日々実感でき、すっかりスペイン語にハマってしまいます。
よく使う動詞だからこそ不規則な活用になってしまっているわけですから、「不規則動詞はとにかく覚え得」がスローガンですね!
郷に入れば郷に従え
郷に入れば郷に従え。ストライキにイライラしても何も得る物はありません。ここはスペイン人を見習っておおらかに時が過ぎるのを待ちましょう。
たとえ今はストライキ中(estar en huelga)でも必ず終わる時が来ますから。「ストライキを中止する」時は「suspender la huelga」と言います。
(ちなみに動詞suspenderには「不合格になる」という意味もあります。こちらはあまりありがたくないですね…うれしい合格は「aprobar」、せっかくなのでこちらと合わせて覚えておきましょう!)
コロンブスの港町PalosがあるHuelva県は現在失業率35%を上回っているとのこと。「さすがパロの故郷!」などと感心している場合ではありません。
未来を切り開く
まだまだ目が離せない欧州危機。先の見えない世界的な恐慌の中、明るい未来を思い描くことがなかなか難しい時期ですね。
失業問題も「船出を待つコロンブス」の心で強気に打破してゆきたいところ。でも「r」と「l」は聴き違えないように気をつけましょう!