スペインの豊かな食文化に触れ、本場の味を家庭でも再現してみたいと感じることはありませんか。
レシピを検索したり、現地のメニューを眺めたりしていると、見慣れない料理名や独特の食材の組み合わせに戸惑うことがあるかもしれません。
実は、スペインの料理名には「どのような食材を」「どのように調理したか」という情報が論理的に組み込まれています。料理名の意味を理解することは、美味しい料理を作るための第一歩であり、語学の扉を開く鍵でもあります。
本格的な学習を通じて現地の文化をより深く味わいたい方は、スペイン語教室を活用して実践的な会話力を身に付けるのも素晴らしい選択肢です。
この記事を読み終える頃には、スペインの定番メイン料理の作り方だけでなく、レストランでの注文や市場での買い物に直結する実践的な表現力が自然と身に付いているはずです。
それでは、スペインの食卓を紐解いていきましょう。
スペイン語における「メイン料理」の考え方
- スペインの「メイン料理」は一皿の絶対的な定義ではなく、量や提供順序で変わる
- コース料理では「primer plato(一皿目)」「segundo plato(二皿目)」と呼ぶ
- 量によって「tapa」「ración」など呼び方が変化する
スペインの食文化において、「メイン料理」という概念は日本の定食やフランスのフルコースとは少し異なる柔軟性を持っています。
料理そのものが主菜として固定されているわけではなく、食べる量、提供される順番、その日の食事の場面によって役割が変わるのが大きな特徴です。
たとえば、パエリアは一皿で食事の中心になりますが、スペイン風オムレツ(トルティージャ)やコロッケ(クロケータ)は、切り分け方次第で手軽なおつまみにも、立派な主菜にも変化します。
plato principalは食事の中心となる一皿
スペイン語で「メイン料理」を広く表す言い方は「plato principal(プラト・プリンシパル)」です。
「plato」には「皿」という意味に加えて、「皿に盛られた料理」という意味が含まれます。「principal」は「主要な」という形容詞です。
複数形にする場合は、名詞も形容詞も両方変化させる規則があるため、「Los platos principales(ロス・プラトス・プリンシパレス)」となります。男性名詞と女性名詞の区別を意識することが、正確な表現への第一歩です。
- フレーズ
- Este pollo es el plato principal.
- 日本語訳
- この鶏肉料理がメインです。
- 使う場面
- ホームパーティーなどで、ゲストに対してその日のメインディッシュを紹介するとき。
- 注意点・誤用例
- 「Esto pollo」とは言いません。「pollo」は男性名詞なので、指示形容詞は「Este」になります。
- 発音・ニュアンス
- エステ・ポヨ・エス・エル・プラト・プリンシパル。「ll」の発音は地域によって「ヨ」や「ジョ」に近くなります。
primer platoとsegundo platoの使い分け
スペインの昼の定食(menú del día)やコース料理では、「primer plato(最初の料理)」と「segundo plato(二番目の料理)」という区分が明確に分かれています。
一皿目にはスープ、サラダ、パスタ、米料理などが並び、二皿目には肉や魚といった重めの料理が置かれる傾向があります。日本の定食のようにすべてのおかずが一度にお盆にのって提供されるわけではありません。
日常会話や注文の際には「plato」を省略し、「De primero(一皿目として)」「De segundo(二皿目として)」という表現が頻繁に飛び交います。
- フレーズ
- ¿Qué hay de segundo?
- 日本語訳
- 二皿目(メイン料理)には何がありますか?
- 使う場面
- レストランで日替わり定食の内容を店員に尋ねるとき。
- 注意点・誤用例
- 「何を持っていますか」を直訳して ¿Qué tiene? と聞くより、その場にあるものを問う hay の方が自然です。
- 発音・ニュアンス
- ケ・アイ・デ・セグンド。「アイ」の部分を滑らかに繋げ、語尾を少し上げて質問の意図を明確にします。
では、提供される「量」の違いについてはどう表現するのでしょうか。次のセクションで深掘りします。
tapa、ración、plato principalは量が違う
同じレシピで作られた同じ料理であっても、盛り付ける量によって呼び方がまったく異なります。
「tapa(タパ)」は飲み物と一緒に楽しむ小さな一品です。「media ración(メディア・ラシオン)」は半人前ほどの取り分け料理、「ración(ラシオン)」は複数人で分けられるたっぷりとした量の一皿を指します。
バル(bar)で立ち飲みをするときはタパを数種類頼み、テーブル席に座ってしっかり食事をするときはラシオンを選ぶ、といった使い分けがスペイン流の楽しみ方です。
一人で食事をする際に、見慣れないメニューをすべて「ración」で注文すると、食べきれないほどの大量の料理が運ばれてくることがあります。まずは「tapa」や「media ración」で試すのが安全な頼み方です。

料理名を読み解く前置詞のルール
- 「al」や「a la」は調理法や様式(〜風)を表す
- 「de」は中心となる材料、「con」は一緒に使う食材を示す
- 「en」はソースや煮汁の中に浸っている状態を表す
スペイン語のメニューを見ると、「a」「de」「con」といった短い単語が頻繁に登場します。これらは前置詞と呼ばれ、料理の特徴を正確に伝える重要な役割を担っています。
これらの前置詞の働きを理解すれば、初めて見る料理名でも、材料や調理法を推測できるようになります。
それぞれの前置詞が料理名の中でどのようなニュアンスを持つのか、具体例と共に確認していきましょう。
alは「その調理法・ソースで」
料理名で頻繁に現れる「al(アル)」は、前置詞「a」と男性単数の定冠詞「el」が結びついた形です。「a el」と分けて書くことはなく、必ず「al」に縮約されます。
料理名における「al」は、「その方法で調理した」「そのソースで仕上げた」「その地方の様式で」といった、手段や様式を示す意味を持ちます。
たとえば「pulpo al horno(オーブン焼きのタコ)」であれば、「horno(オーブン)」という手段を用いて調理されたことを示しています。
a laは女性名詞が省略された表現
「al」の女性形にあたるのが「a la(ア・ラ)」です。これは非常に興味深い構造を持っており、実は「manera(やり方)」や「forma(方法)」といった女性名詞が背後に隠れています。
たとえば「bacalao a la vasca(たらのバスク風)」という料理名は、本来「a la manera vasca(バスクの方法で)」の「manera」が省略された形です。
そのため、後に続く形容詞は、元の食材の性別に関係なく必ず女性形(vasca, gallega, marineraなど)になります。鉄板焼きを意味する「a la plancha」なども、この延長線上にあります。
deは材料や中身、conは一緒に使う食材
「de(デ)」と「con(コン)」は、どちらも食材を示す前置詞ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「de」は、その料理の骨格となる主要材料や中身を示します。「croquetas de bacalao(たらのクロケータ)」のように、「何で作られているか」を直接的に表します。
一方、「con」は「〜と一緒に」「〜入りの」という意味合いが強く、「albóndigas con piñones(松の実入り肉団子)」のように、組み合わせる追加の食材を示す際に好んで使われます。
enは調理液やソースの中にある状態
「en(エン)」は「〜の中で」という位置関係を表す前置詞です。料理においては、食材がソースや煮汁に浸かっている状態を視覚的に表現します。
「ternera en vino tinto(牛肉の赤ワイン煮)」や「almejas en salsa verde(あさりの緑色のソース仕立て)」のように、たっぷりの液体と共に提供される料理に用いられます。
ここまで前置詞の基本を押さえたところで、次はいよいよ具体的な肉料理のレシピと、それにまつわるスペイン語表現を見ていきましょう。
スペインの食卓を彩る肉のメイン料理
- 鶏肉(pollo)、牛肉(ternera)を使った代表的な煮込み料理の作り方
- ナッツやワインをソースに活用するスペイン独自の調理技法
- 料理に含まれる食材を確認する実践的なフレーズ
スペイン内陸部を中心に、肉を使った煮込み料理は家庭の味として深く根付いています。素材のうま味をじっくりと引き出す調理法が多く見られます。
ここでは、日本のご家庭でも手に入りやすい食材で再現できる本格的なレシピと、その料理にまつわる語源や発音のニュアンスを合わせてお伝えします。
手順を追いながら、スペイン語の語彙力も自然に増やしていきましょう。
鶏肉のチリンドロン煮|pollo al chilindrón
「chilindrón(チリンドロン)」とは、アラゴンやナバーラ周辺の郷土料理で、トマト、ピーマン、玉ねぎを使った色鮮やかな野菜のソースを指します。
鶏肉(pollo)だけでなく、豚肉や羊肉を煮込む際にも使われる万能な調理法です。パプリカやピーマンの甘みがソースに溶け込み、深いコクを生み出します。
【材料】
骨付き鶏もも肉350〜400g、玉ねぎ(cebolla)1個、赤・黄・緑のピーマン(pimiento)合わせて2〜3個、生ハム(jamón)50g、マッシュルーム1パック、トマト水煮200g、にんにく(ajo)2片、オリーブオイル大さじ2、水200ml、ローリエ1枚、塩・こしょう適量
【作り方】
1. 鶏肉に塩こしょうを振り、フライパンにオリーブオイルを熱して表面に香ばしい焼き色を付け、一度取り出します。
2. 同じフライパンで、みじん切りにしたにんにく、玉ねぎ、細切りのピーマンと生ハム、薄切りのマッシュルームの順にじっくり炒めます。
3. 鍋に鶏肉と炒めた野菜を移し、トマト水煮、水、ローリエを加えます。
4. 弱火で30〜40分煮込み、塩とこしょうで味を調えれば完成です。
- フレーズ
- Quisiera pollo al chilindrón.
- 日本語訳
- 鶏肉のチリンドロン煮をお願いします。
- 使う場面
- レストランで丁寧に注文を伝えたいとき。
- 注意点・誤用例
- 「Quiero(欲しい)」でも通じますが、「Quisiera」を使うことで「できればお願いしたいのですが」という柔らかく丁寧な響きになります。
- 発音・ニュアンス
- キシエラ・ポヨ・アル・チリンドロン。Quisieraは接続法過去形という少し高度な文法ですが、丸ごとフレーズとして覚えると大変便利です。
牛肉のシェリー煮込み|ternera al jerez
「ternera」は牛肉や子牛肉を指します。シェリー酒はスペイン語で「jerez(ヘレス)」と呼ばれ、アンダルシア地方のへレス・デ・ラ・フロンテーラという産地名に由来します。
料理に使う場合は、甘口よりも辛口(seco)のシェリー酒、特にフィノやアモンティリャードを選ぶと、ナッツのような独特の熟成香が牛肉のうま味を引き立てます。
【材料】
牛すね肉250〜300g、玉ねぎ1個、トマト1個、にんにく1片、ドライシェリー(jerez seco)200ml、オリーブオイル大さじ2、ローリエ1枚、塩・こしょう適量
【作り方】
1. 大きめの一口大に切った牛肉に塩こしょうを振り、にんにくとオリーブオイルで表面をしっかり焼きます。
2. 別の鍋で薄切りの玉ねぎをじっくり炒め、角切りのトマトを加えます。
3. 牛肉、炒めた野菜、シェリー酒、ローリエを鍋に合わせます。
4. 肉が浸る程度に水を足し、弱火で1〜3時間、肉がホロホロになるまで煮込みます。最後に煮汁を煮詰めて濃度をつけます。
- フレーズ
- Está cocinado con jerez.
- 日本語訳
- これはシェリー酒を使って調理されています。
- 使う場面
- 料理の特徴や風味の秘密を店員が説明してくれたり、自分が誰かにレシピを教えたりするとき。
- 注意点・誤用例
- 動詞estar(状態を表す)と過去分詞cocinadoの組み合わせで「調理された状態にある」ことを表します。ser動詞は使いません。
- 発音・ニュアンス
- エスタ・コシナド・コン・ヘレス。語頭の「j」は日本語の「ハ」に近い摩擦音で、喉の奥を少し鳴らすように発音します。
松の実入り肉団子|albóndigas con piñones
「albóndiga(アルボンディガ)」は肉団子一個を指す女性名詞です。料理として複数個を盛り付けるため、メニューでは「albóndigas」と複数形で表記されるのが一般的です。
「piñones」は松の実。スペイン料理では、ナッツ類をソースの濃度づけや食感のアクセントとして非常にうまく活用します。
【作り方のポイント】
牛ひき肉に、牛乳に浸したパン、にんにく、パセリ、軽くつぶした松の実を練り込みます。一口大に丸めて薄くパン粉を付けて揚げてから、玉ねぎとトマトベースのソースの中で味がなじむまで煮込みます。
- フレーズ
- ¿Cuántas albóndigas vienen?
- 日本語訳
- 肉団子はいくつ付きますか?
- 使う場面
- タパやラシオンを注文する際、グループで分けられる数かどうかを確認したいとき。
- 注意点・誤用例
- 「いくつ」を尋ねる疑問詞は、後ろに続く名詞の性と数に一致させます。albóndigasが女性複数なので「Cuántas」となります。
- 発音・ニュアンス
- クアンタス・アルボンディガス・ビエネン。vienenは動詞venir(来る)ですが、ここでは「(皿に)のってくる=付いてくる」というニュアンスです。
肉料理の奥深さに触れたところで、次は豊かな海に囲まれたスペインならではの魚介料理の世界へ進みましょう。
海の幸を味わう魚介のメイン料理
- タコ(pulpo)、あさり(almeja)、たら(bacalao)の伝統的な調理法
- 名詞の性・数と形容詞の一致(guisado/guisadas)のルール
- 料理にワインが使われているか尋ねるフレーズ
地中海や大西洋の恵みを受けるスペインでは、魚介類(mariscoやpescado)がメインディッシュとして堂々たる存在感を放ちます。
特に「bacalao(たら)」は、カトリックの宗教的な精進日(肉を食べない日)の貴重なタンパク源として、スペイン全土で無数のレシピが発展してきました。
調理法を表す過去分詞(形容詞として働く)の語尾変化に注目しながら、美味しいレシピを見ていきましょう。
タコとじゃがいもの煮込み|pulpo guisado con patatas
「pulpo(タコ)」と「patata(じゃがいも)」の組み合わせは、スペイン北西部のガリシア地方をはじめ、広く愛されています。
「guisado」は動詞「guisar(煮込む)」の過去分詞から作られた形容詞です。ここでは男性単数名詞の「pulpo」を修飾しているため、そのまま「guisado」となります。
【作り方のポイント】
玉ねぎや赤パプリカをオリーブオイルで炒め、大きめに切ったタコ、白ワイン、水を加えて煮立てます。乱切りのじゃがいもを加え、柔らかくなるまで煮込んだら、パプリカ粉(pimentón)で風味と鮮やかな赤色を付けます。
日本のスーパーで売られているゆでダコを使う場合は、長時間煮込むと固く縮んでしまうことがあるため、野菜とじゃがいもを先に柔らかく煮ておき、タコは後半に加えるのが美味しく仕上げるコツです。
あさりの白ワイン蒸し|almejas al vino blanco
「almeja」はあさり一個を指す女性名詞です。料理では必ず複数個を使うため、メニュー名は「almejas」となります。
オリーブオイルでにんにくを炒め、あさりと白ワイン(vino blanco)を加えて蒸し焼きにします。残った煮汁に少量の小麦粉を加えてとろみを付け、パセリをたっぷり絡めると、バスク地方名物の「緑色のソース(salsa verde)」に近い本格的な仕上がりになります。
- フレーズ
- ¿Estas almejas llevan vino?
- 日本語訳
- このあさり料理にはワインが使われていますか?
- 使う場面
- アルコールを控えている場合や、子供向けに注文する前に調理法を確認したいとき。
- 注意点・誤用例
- 料理の材料について尋ねる際、動詞llevar(本来は「持って行く」)を使うと「(材料を)含んでいる」という自然な表現になります。
- 発音・ニュアンス
- エスタス・アルメハス・ジェバン・ビノ。almejasが女性複数なので、指示形容詞もEstasとなります。
小いわしの煮込み|sardinas guisadas
「sardina」はいわし一尾を指し、料理名では複数形の「sardinas」になります。ここで注目したいのが形容詞の語尾変化です。
先ほどのタコの煮込みは「pulpo(男・単) guisado」でしたが、いわしの煮込みは「sardinas(女・複) guisadas」となります。名詞の性と数に合わせて、形容詞の「-o」が「-as」に変化しているのがわかりますね。
鍋に薄切りの玉ねぎとじゃがいもを敷き、その上にトマト、ピーマン、下処理したいわしを並べます。白ワイン、水、オリーブオイルを回しかけてふたをし、蒸し煮にします。
いわしは崩れやすいので、調理中はお玉でかき混ぜず、鍋を軽く揺すって煮汁を行き渡らせるのがスペイン風のコツです。

それでは次に、スペイン料理に欠かせない「米」や「パン」を使った主役級の料理群を見ていきましょう。
米・パン・パスタが主役のメイン料理
- パエリア(paella)だけではない、多様な米料理と麺料理(fideuà)の存在
- 固くなったパンを再利用する知恵から生まれたミガス(migas)
- 「se hacen(〜で作られる)」という一般的な製法を説明する表現
日本人が「スペイン料理」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、やはり米料理かもしれません。しかし、スペインには米以外にも、パンや短いパスタを主役にした郷土料理が数多く存在します。
これらの料理は、それ自体で食卓の主役(plato principal)として完結する力を持っています。炭水化物をキャンバスにして、肉や魚介のだしを徹底的に吸わせるのが共通の哲学です。
ミックスパエリア|paella mixta
「paella」は料理名であると同時に、もともとはバレンシア語で「平らなフライパン」を意味する言葉です。
「mixta」は「混合の」という意味の形容詞。肉(鶏やうさぎ)と魚介(えびやあさり)を組み合わせた豪華なパエリアは「paella mixta」と呼ばれます。
本場バレンシアの伝統的なレシピ(paella valenciana)には魚介は入らず、うさぎ肉、鶏肉、カタツムリ、モロッコインゲンなどを使いますが、日本で広く親しまれているのはこのミックスタイプでしょう。
パエリアを調理する際、日本の炊飯のように米をかき混ぜてはいけません。米を混ぜるとでんぷん質が溶け出して粘りが出てしまい、パラッとした理想的な食感が損なわれます。具材とスープを合わせたら、あとは火加減の調整だけで炊き上げます。
フィデウア(パスタのパエリア)|fideuà
「fideuà」は、米の代わりに短い麺(fideo)を使ってパエリアと同じように炊き上げる、バレンシア州ガンディア発祥の料理です。
魚介の濃厚なスープを吸った麺は、オーブンで最後に焼き上げることで表面がツンツンと立ち上がり、香ばしい食感を生み出します。日本では、細いパスタ(カペッリーニなど)を2〜3センチに折って代用することができます。
- フレーズ
- La fideuà se parece a la paella, pero se hace con fideos.
- 日本語訳
- フィデウアはパエリアに似ていますが、麺で作られます。
- 使う場面
- スペイン料理に詳しくない友人に、フィデウアがどのような料理か説明するとき。
- 注意点・誤用例
- 「se parece a 〜(〜に似ている)」「se hace con 〜(一般的に〜で作られる)」は、文化や料理を解説する際に非常に役立つ便利な構文です。
- 発音・ニュアンス
- ラ・フィデウア・セ・パレセ・ア・ラ・パエジャ、ペロ・セ・アセ・コン・フィデオス。pero(しかし)の前で少し区切ると伝わりやすいです。
レシピを読み解く必須スペイン語動詞
- cortar(切る)、freír(揚げる/炒める)、cocer(煮る/ゆでる)の使い分け
- レシピ本でよく使われる「私たち」の一人称複数形
- añadirとechar(加える・入れる)の違い
スペイン語のレシピサイトや料理動画を自力で楽しめるようになると、料理の幅は劇的に広がります。
レシピの手順では、特有の動詞が繰り返し登場します。ここでは、調理アクションを表す基本的な動詞を整理しておきましょう。
cortar(切る)と freír(揚げる・油で焼く)
「Cortamos la cebolla.(玉ねぎを切ります。)」のように、スペインのレシピ本や料理番組では、読者や視聴者と一緒に作業を進めるようなニュアンスで「私たち(nosotros)」を主語にした一人称複数形(-mosで終わる形)がよく使われます。
「freír」はたっぷりの油で揚げる操作だけでなく、多めの油で焼くような操作にも使われます。過去分詞は「frito」となり、「pescado frito(白身魚のフライ)」などの料理名に現れます。
cocer(煮る・ゆでる)と cocinar(料理する)
「cocinar」は「料理をする」という行為全体を指す広い言葉です。一方、「cocer」は水やスープの中で加熱して火を通す、つまり「煮る」「ゆでる」という具体的な動作を指します。
「Dejamos cocer durante treinta minutos.(30分間煮ます。)」という表現も頻出します。直訳すると「30分間、煮えるままにしておく」となり、「dejar + 不定詞(〜させておく)」の構文が使われています。
añadir と echar(加える・入れる)
どちらも鍋やフライパンに材料を「入れる」際に使われますが、少しニュアンスが異なります。
「Añadimos el vino blanco.(白ワインを加えます。)」の añadir は、順序立てて追加していくような少し整った響きがあります。一方、「Echamos un poco de sal.(塩を少し入れます。)」の echar は「パッと放り込む、投入する」といった感覚で、家庭の日常会話で非常に親しまれている表現です。

これらの基本動詞を押さえた上で、最後に、家庭での調理やレストランでの注文で自分の要望を伝えるための「実践表現」を確認しましょう。
材料の代用や好みを伝える実践フレーズ
- 手に入らない食材を別のものに置き換える(sustituir / en vez de)表現
- アレルギーや苦手な食材を確認する(¿Lleva…?)フレーズ
- 料理の感想(柔らかい、サクサクなど)を伝える形容詞
日本でスペイン料理を作る際、現地の食材がすべて揃うとは限りません。また、レストランで食事をする際も、アレルギーや好みを正確に伝えることは重要です。
ここでは、状況に合わせて柔軟に対応・コミュニケーションするためのフレーズをまとめました。
- フレーズ
- Se puede usar vino blanco en vez de jerez.
- 日本語訳
- シェリー酒の代わりに白ワインを使うことができます。
- 使う場面
- レシピを誰かに教えるときや、家にある材料で代用できるか話し合うとき。
- 注意点・誤用例
- 「en vez de 〜」は「〜の代わりに」という頻出表現です。また、自分が行った過去の代用を伝える場合は「He sustituido el jamón por beicon.(生ハムをベーコンに置き換えました)」のように「sustituir A por B」を用います。
- 発音・ニュアンス
- セ・プエデ・ウサル・ビノ・ブランコ・エン・ベス・デ・ヘレス。
アレルギーや特定食材の確認
スペイン料理では、ソースにアーモンドや松の実などのナッツ類(frutos secos)をすりつぶして使う技法が多用されます。アレルギーがある場合は、見た目ではわからないため必ず確認が必要です。
「¿Lleva frutos secos?(ナッツ類は入っていますか?)」と聞くことで、安全に食事を楽しむことができます。
食感や味わいを伝える豊かな形容詞
料理を食べた感想を伝える際、「美味しい(Está rico / Está bueno)」以外にも表現の幅を持たせると、会話がぐっと弾みます。
お肉が柔らかい時は「El pollo está muy tierno.(鶏肉がとても柔らかいです)」、揚げ物の衣がサクサクしている時は「Está crujiente.(カリッとしています)」、そしてお肉の中身がジューシーな場合は「jugoso(ジューシーな)」を使います。
料理を作る、食べる、感想を伝えるという一連の体験を通じて、語学は単なる暗記から生きたコミュニケーションのツールへと変わっていきます。
パエリアは夜に食べても大丈夫ですか?
スペインでは、パエリアなどのお米料理は基本的に「昼食(almuerzo)」のメニューとして食べられます。消化に時間がかかる重い食事とされているため、夕食(cena)にパエリアを食べるのは観光客向けのレストラン以外では珍しいです。夕食にはタパスや軽い魚料理を選ぶのが一般的です。
tapa(タパ)の語源は何ですか?
「tapa」にはもともと「蓋(ふた)」という意味があります。昔、ワイングラスにハエなどの虫やホコリが入らないよう、スライスしたパンや生ハムでグラスに「蓋」をしたことが、小皿料理(タパス)の始まりだと言われています。
レシピで「ajo(にんにく)」の量を表す単位がわかりません。
にんにく丸ごと1個(球)を「cabeza de ajo(カベサ・デ・アホ)」、その中の一片を「diente de ajo(ディエンテ・デ・アホ)」と呼びます。cabezaは「頭」、dienteは「歯」という意味があり、形状を人体の部位に例えたユニークな表現です。レシピで「2 dientes de ajo」とあれば「にんにく2片」という意味になります。
日本の醤油をスペイン料理に使っても合いますか?
現地の伝統的なレシピには含まれませんが、家庭で楽しむ分には有効なアレンジです。例えば牛肉の赤ワイン煮(ternera al vino tinto)の隠し味として少量の醤油(salsa de soja)を加えると、日本人にとって親しみやすいコクが出ます。ただし、本来の味を知るためには、まずは塩、こしょう、ワイン、にんにくといった基本の材料だけで作ってみることをお勧めします。
スペインのスーパーで肉を買う時の言い方は?
市場や肉屋(carnicería)で注文する際は、「Quería medio kilo de ternera para guisar.(煮込み用の牛肉を500グラム欲しいのですが)」のように伝えます。medio kilo(半キロ)やun cuarto(250g=1キロの4分の1)といった重さの単位を覚えておくと非常に便利です。para guisar(煮込み用)と目的を伝えれば、適した部位を選んで切ってくれます。

