「むかしむかし、あるところに」から物語が始まるのが、日本の昔話の定番。「The end」で終わるのが、英語の作品のお決まりスタイル。では、スペイン語では、どのように表現するのでしょうか。
今回は、簡単な短い物語を読んでみてください。
物語の始めと終わり|定番のスペイン語フレーズ
物語
Érase una vez una princesa que tenía la piel tan blanca como la nieve, por lo que todos la llamaban Blancanieves.
Como su madrastra envidiaba su belleza, intentó matarla con una manzana envenenada, pero un príncipe la salvó con un beso de amor.
Blancanieves se casó con el príncipe, y vivieron felices y comieron perdices.
むかしむかし、雪のように白い肌のお姫様がいました。
継母はその美しさをうらやみ、毒リンゴで彼女を殺そうとしました。
しかし、そこに王子が現れ、愛の口づけで彼女を助けたのでした。
白雪姫は王子様と結婚し、末永く幸せに暮らしました。
ここに注目!
Érase una vez.
éraser は ser動詞の線過去と代名詞の se が結びついたものです。
これは古いスペイン語の単語で、現在は動詞として使用されておらず、érase una vez「むかしむかしあるとろこに~」という物語の最初のフレーズにのみ使われます。
y vivieron felices y comieron perdices.
これは「めでたしめでたし」「これでおしまい」といった締めの決まり文句です。
comieron perdices は、直訳すると「うずらを食べました」という意味。といっても、白雪姫と王子様がうずら好きだと語っているわけではなく、前にある vivieron felices と韻を踏んで「ずっと幸せに暮らしました」という表現になっています。
スペイン語の物語の書き始め
Érase una vez…
Había una vez…
Hace mucho tiempo…
hace mucho tiempo は、érase una vez や había una vez の後に続いて使われることがよくあります。
スペイン語の物語の終わり方
… y colorín colorado este cuento se ha acabado.
… y vivieron felices hasta el fin de sus días.
… y vivieron felices y comieron perdices.
(… y vivieron felices y comieron perdices y a mí no me dieron porque no quisieron.)
colorín colorado も語呂の良さが特徴で、この言葉自体に深い意味はありません。後半の este cuento se ha acabado と韻を踏んでいる表現です。
おわりに
「これから何が起こるんだろう」という期待感を誘うにも「これでおしまい」と締めくくるにも、やはり定番のフレーズは欠かせません。
特に最後のひとことは、語呂やリズム感がおもしろいところ。スペイン語のお話は、軽快さを楽しみながら終わるんですね。