スペイン語「pero しかし」の使い方|応用できる活用例

  1. スペイン語単語・活用

スペイン語の会話で頻繁に使われる接続詞 pero。「でも」「しかし」という意味の言葉で、さまざまなシチュエーションの中で使われます。

今回は pero を使った表現方法について詳しく学んでいきましょう。

スペイン語「pero しかし」の使い方|応用できる活用例

スペイン語の pero の意味

pero(ペロ)は「でも」「しかし」という意味を持つ接続詞です。主には次のような役割があります。

【接続詞 pero の意味】

  1. 逆説を表す                    
  2. 表現を強調する
  3. 驚き・非難を表す

pero は名詞(男性名詞)として使われることもあります。名詞としての主な意味は次の通りです。

【名詞 pero の意味】

  • 欠点、難点、反対、異議

今回この記事では、接続詞としての働きについて詳しく解説していきます。名詞の働きついても簡単にまとめていますので、最後までご覧ください。

では、pero の役割と使い方を具体的な例文を見ながら学んでいきましょう!

逆説を表す pero「しかし」

pero のもっとも一般的な使い方が、逆説の接続詞としての表現です。「しかし」「でも」「~だけれど」「~だが」といった意味で、前の発言と反対の内容や、矛盾していること、期待とは異なる結果などを表します。

逆説を表す pero の例文

Su casa es pequeña pero acogedora.

スー カサ エス ペケーニャ ペロ アコゲドラ

彼の家は小さいけれど居心地がいい。

Este proceso es lento pero eficiente.

エステ プロセソ エス レント ペロ エフィシエンテ

このプロセスは時間がかかりますが、効率的です。

Luis es muy inteligente, pero no le gusta estudiar.

ルイス エス ムイ インテリヘンテ, ペロ ノー レグスタ エストゥディアール

ルイスはとても頭がいいけれど、勉強は好きではありません。

Quería comprar pan, pero no quedaba.

ケリア コンプラール パン, ペロ ノー ケダバ

パンを買いたかったのに、でも(売り切れていて)もうなかった。

Mi padres no vendrán, pero vendrá mi hermana.

ミ パドレス ノー ベンドラン, ペロ ベンドラ ミ エルマナ

私の両親は来ませんが、姉は来ます。

A: Hemos comido muy bien. Me gustan las pizzas de este restaurante.

エモス コン ミーゴ ムイ ビエン. メ グスタン ラス ピサス デ エステ レスタウランテ

美味しかったね。ここのピザ、僕、大好きなんだ。

B: Pero seguro que la comida tenía muchas calorías. Hay que hacer deporte.

ペロ セグロ ケ ラ コミーダ テニア ムーチャス カロリアス. アイ ケ アセール デポルテ

でも、間違いなくカロリーオーバーの食事よ。運動しなくちゃ。

赤い木製の像がベージュ色の像のグループから離れて立っており、その頭の上には赤い「X」が表示された吹き出しがあり、伝統的なスペイン美術によく見られる大胆な色彩を想起させます。

強調を表す pero「ねぇ」「ちょっと」

文頭に置き、「ねえ、ちょっと」「でも」という呼びかけとしても pero を使います。反対の考えを述べる時や、意見を強調する時、発言を補足する時などに用いる表現です。

強調を表す pero の例文

Pero lo que tú dices es diferente.

ペロ ロ ケ トゥ ディセス エス ディフェレンテ

ねぇ、あなたが言っていることは違っています。

¡Pero hombre, no te pongas así, que es una broma!

ペロ オンブレ, ノー テ ポンガス アシ, ケ エス ウナ ブロマ

でも、そんなに怒らないでください。冗談ですから!

¡Pero déjame en paz, que yo no te hecho nada!

ペロ デハメ エン パス, ケ ジョ ノー テ エチョ ナダ

いいから、私にかまわないで(放っておいて)。私はあなたに何もしていないでしょ!

¡Pero ¿qué estás haciendo?!

ペロ ケ エスタス アシエンド

ちょっと、何をしているの!?

¡Pero ¿no ves que lo estás estropeando?!

ペロ ノー ベス ケ ロ エスタス エストロペアンド

ねぇ、ちょっと!あなたがそれをめちゃくちゃにしているのがわからないの!?

A: Luis, vamos a recoger la mesa y lavar los platos.

ルイスバモスアレコヘールラメサイラバールロスプラトス

ルイス、さぁ、テーブルを片付けて皿洗いをするわよ。

B: Pero si no me ha dado tiempo a comer nada.

ペロシーノーメアダドティエンポアコメールナダ

でも、何も食べる時間がなかったんだよ。

驚きを表す pero「それにしても!」

何かの出来事に驚いたり、誰かを説得したりする時にも pero を使います。「なんて~!」「それにしても~!」といった感嘆文となる表現です。

驚きを表す pero の例文

¡Pero qué sorpresa! ¿Cómo estás?

ペロ ケ ソプレサ! コモ エスタス

なんてサプライズなの!元気?

¡Pero qué guapa estás con ese vestido!

ペロ ケ グアパ エスタス コン エセ ベスティード

それにしても、そのワンピースをきたキミはなんて美しいんだ!

¡Pero cuánto me gustan tus croquetas! Son únicas.

ペロ クアント メ グスタン トゥスクロケタス! ソン ウニカス

ああ、私はあなたが作るコロッケが大好き!唯一無二の美味しさだもの。

¡Pero este profesor es buenísimo! Explica todo muy bien.

ペロ エステ プロフェソール エス ブエニシモ! エクスプリカ トド ムイ ビエン

この先生は本当にとても良いです!すべてをとてもよく説明してくれます。

¡Pero fíjate en lo bien que nada tu hermana!

ペロ フィハテ エン ロ ビエン ケ ナダ トゥ エルマナ

ねぇ、あなたのお姉さん、泳ぎがなんて上手なの!

A: Hoy pasaremos todo el día en el rastro. Tenemos mucho tiempo.

オイ パサレモス トド エル ディア エン エル ラストロ. テネモス ムーチョ ティエンポ

今日は一日中フリーマーケットを楽しみましょう。時間はたっぷりあるから。

B: Pero cuánta gente… me recuerda a la hora punta de los trenes en Tokio.

ペロ クアンタ ヘンテ… メ レクエルダ ア ラ オラ プンタ デ ロス トレネス エン トキオ

それにしても人が多いわね…。東京の通勤ラッシュを思い出すわ。

水色のシャツを着た男性が黄色い背景に立っていて、両手で口を覆って驚いた表情をしており、スペインからの予期せぬニュースに反応している人を彷彿とさせます。

pero を使ったさまざまな表現

pero を用いた定番のフレーズも併せて覚えておきましょう。

¡Pero si ~!「なんてこと!」

pero si ~(ペロ シー)は、驚きや衝撃を表す慣用表現です。この si にはアクセント記号が付いていない、という点に注意してください。

アクセント記号が付いた は「はい」という意味を持つ単語ですが、pero sisi は「もし~なら」という仮定を表す単語です。文頭に置いて「なんてことだ!」「ああ!」「おい!」「~だというのに!」といったニュアンスになります。

実際の会話でこのフレーズが使われる時は、驚きや衝撃を受けたことが伝わるくらい、強調された言い方になることがほとんどです。 pero si ~ を活用する時にはちょっとオーバーに表現してみると、より気持ちが表せるでしょう。 

¡Anda! ¡Pero si me han robado el bolso!

アンダペロシーメアンロバードエルボルソ

やだ!バッグを盗まれている!

¡Pero si todavía estás en pijama! Date prisa, que vamos a perder el tren.

ペロ シー トダビア エスタス エン ピハマ! ダテ プリサ, ケ バモス ア ペルデール エル トレン

おい、まだパジャマのままなのか! 急いで支度をしてくれよ、電車に乗り遅れるぞ。

¿No tienes las llaves? ¡Pero si te las he dado al salir de casa!

ノー ティエネス ラス ジャバス? ペロ シー テ ラス エ ダード アル サリール デ カサ

鍵を持っていないの?そんな、家を出る時、確かにあなたに渡したでしょ!

A: Buenos días, Yurika. Un nuevo día empieza.

ブエノス ディアス, ユリカ. ウン ヌエボ ディア エンピエサ

おはよう、ユリカ。新しい一日の始まりよ。

B: Estoy durmiendo todavía. ¡Pero si son las 4 de la madrugada! ¿Qué te ha pasado?

エストイ デゥルミエンド トダビア. ペロ シー ソン ラス クアトロ デ ラ スマドゥルガーダ! ケ テ ア パサード

私はまだ寝ているわよ。まだ明け方の4時だっていうのに!いったいどうしたの?

¡Pero bueno!「まったく!」「わぁ!」「まぁ!」

「良い」「すばらしい」という意味を持つ形容詞 bueno(ブエノ)を伴う pero bueno(ペロ ブエノ)は、日常的に非常によく使われるフレーズです。

文脈によってさまざまなニュアンスを含み、「まったくもう!」「おいおい」「まぁ!」「わぁ!」といった驚きやツッコミなどを表します。

この慣用句は文頭に置かれ、会話のつなぎ言葉として使われたり、もしくはリアクションとして思わず口からこぼれたりすることも。

¡Pero bueno, Miguel! ¿Todavía no has hecho los deberes?

ペロ ブエノ, ミゲル! トダビア ノー アス エチョ ロス デベレス

おいおい、ミゲル! まだ宿題をやっていないのか?

¡Pero bueno, Laura! ¡Cuánto tiempo sin verte! ¿Cómo estás?

ペロ ブエノ, ラウラ! クアント ティエンポ シン ベルテ! コモ エスタス

わぁ、ラウラ! 久しぶりだね。元気?

¡Pero bueno! ¡Que ha empezado a llover y tenemos la ropa tendida!

ペロ ブエノ! ケ ア エンペサード ア ジョラール イ テネモス ラ ロパ テンディーダ

ああ、まったく! 雨が降ってるのに服を干しっぱなしだ!

Pero bueno「~だけれど大丈夫」

pero bueno を文末におくと、「~だけれど、それでいい」「~でも大丈夫」という表現になります。

例えば、「元気?」と聞かれて「足がちょっと痛いけど、まぁ大丈夫」と応えるような時にこのフレーズが使えます。

A: ¿Vamos a dar un paseo?

バモス ア ダール ウン パソ

散歩に行かない?

B: Hace un poco de frío, pero bueno.

アセ ウン ポコ デ フリーオ ペロブエノ

ちょっと寒いね、でもいいよ。

A: ¿Qué tal tu pierna?

ケ タル トゥ ピエルナ

足の調子はどう?

B: Todavía me duele, pero bueno, va mejorando.

トダビア メ ドゥエレ, ペロ ブエノ バ メホランド

まだ痛みはあるけれど、でも大丈夫、だいぶ良くなってきたよ。

オレンジスライス、リンゴスライス、ブルーベリーが入った濃い赤色の飲み物が入ったピッチャー。大理石の表面に新鮮なオレンジ、リンゴ、ブルーベリーが散りばめられています。この爽やかなドリンクは、スペインの活気ある味の真髄をとらえています。

名詞としての pero の使い方

「欠点」「難点」

pero を「欠点」「問題点」という名詞として使うことができます。くだけた表現ですが、「反論」「異論」という意味もあります。

A: Me gusta relajarme tomando sangría en el balcón. Es el momento perfecto.

メ グスタ レラハルメ トマンド サングリア エン エル バルコン. エス エル モメント ペルフェクト

何も考えずにサングリアを飲むのが大好き。至福の一時だわ。

B: El pero de la sangría para mí es que siempre bebo demasiado.

エル ペロ デ ラ サングリア パラ ミ エス ケ シエンプレ べボ デマシアード

私にとってサングリアの問題点は、いつも飲みすぎちゃうってこと。

pero の発音と綴りの注意点

スペイン語には pero と似ている単語 peloperro があります。いずれも発音を日本語で表記すると「ペロ」ですが、スペイン語の発音は異なります。

日本人にとって lr の発音の聞き分け・使い分けは多くの人が壁にぶつかる難所です。混同してしまわないように、意味と発音の特徴を理解しておきましょう。

【pero と perro の違い】

perro は「犬」という意味を持つ男性名詞です。r が2つ並ぶ単語は、舌を巻下のようにして rr を強く発音します。

【pero と pelo の違い】

pelo は「毛」「髪の毛」の意味を持つ単語です。

l(エレ)の発音は、舌先を上前歯の裏につけて音を出します。pero r も舌が一度上前歯の裏に触れますが、l よりも軽く一瞬だけ歯の裏を撫でようにするのが特徴です。

赤いジャケットを着た人が、スペインの森のキノコ採集者を思わせるぼやけた緑の背景の屋外でキノコが詰まった籐のバスケットを持っています。

pero を使ったスペイン語の会話例

最後に、日常のひとこまから pero を使った会話をのぞいてみましょう。

ユリカさんに対するマリアさんの「でも」は、相手の言葉を否定しているのではなく相手を心配している気持ちの表れです。pero にどのようなニュアンスが含まれているのか読み取ってみてください。

María: ¿Has decidido a dónde vas este fin de semana?

アス デシディード イド ア ドンデ バス エステ フィン デ セマナ

今度の週末にどこに行くか決めたの?

Yurika: Sí. Al principio pensé ir al centro comercial, pero al final voy a la montaña.

シー, アル プリンシピオ ペンセ イル アル セントロ コメルシアル,  ペロアル フィナル ボイ ア  ラモンターニャ

ええ。ショッピングセンターに行くつもりだったけど、山に行くことにするわ。

María: ¿A la montaña?¿Vas tú sola? ¡Pero si no conoces la sierra…!

ア ラ モンターニャ? バス トゥ ソラ? ペロ シー ノー コノセス ラ シエラ

山に? 一人で行くの?山のこともよく知らないっていうのに…!

Yurika: No. Voy con mis amigos japoneses de la escuela, vamos a buscar setas.

ノー  ボイコン ミス アミーゴス ハポネス デ  ラエスクエラ, バモス ア ブスカール セタス

いいえ、学校の日本人の友達と一緒に行くのよ。キノコ狩りをするの。

María: Suena fantástico. Pero mucho cuidado con las setas venenosas.

スエナ ファンタスティコ. ペロ ムーチョ クイダード  コンラス セタス ベネノサス

それは良さそうね。ねえ、毒キノコには十分気をつけなさいよ。

Yurika: No te preocupes. Uno de mis compañeros tiene mucha experiencia con las setas.

ノー テ プレオクペス. ウノ  デミス コンパニェロス ティエネ ムーチャ エクスペリエンシア コン ラス セタス

心配しないで。友達の一人がキノコ狩りに慣れているのよ。

María: Parece que el plan no tiene ningún pero. Que disfrutes tu excursión.

パレセ ケ  エルプラノ ノー ティエネ ニングン ペロ. ケ ディスフルーテス トゥ エクスクルシオン

問題の無い計画のようね。素敵な遠足を楽しんできてね。

Yurika: ¿Por qué no vienes con nosotros? Seguro que te lo pasas bien con mis amigos.

ポルケ ノー ビエネス コン ノソトロス? セグロ ケ テ ロ パサス ビエン コン ミス アミーゴス

あなたも一緒にくれば?私の友達ときっと楽しく過ごせるわよ。

スペイン人はとりあえず pero と言う!?

スペイン語のネイティブスピーカーたちの話によく耳を傾けてみると、会話のあちこちに pero が使われていることがわかります。

その意味には 「しかし」という逆接のほかに、内容を強調したり、驚きの感情を表すリアクションであったり、さまざまなニュアンスがあるということを今回この記事で解説してきました。pero  の役割について、理解できたでしょうか?

自分の発言に対して「でも」とたびたび返されると、否定されているように聞こえるかもしれませんが、pero は会話の繋ぎ言葉であって相手の発言に反対しているわけではないことも。

人によっては  pero が口癖になっていて、日本語でいう「んー」「えっと」といった言葉のように、無意識口にしてしまっている場合もあります。

例え相手が pero を多用していても、あまり不安になったりイライラしたりせず文脈を読み取っていってくださいね。

おわりに

pero =「しかし」は、スペイン語を習い始めてすぐに覚える初級の接続詞です。しかし!こんなにもいろいろな表現があります。単純なようで実は正確な発音は日本人にとってやや難しく、初級の段階で発音をしっかり練習しておきたい単語です。

すでに知っている基本的な言葉も、こうして掘り下げていくと幅広い使い方ができるようになり、さらにコミュニケーション力がアップしていきますよ。

関連リンク

スペイン語で「pero」: 対比と強調の表現
この記事は、「pero」の基本的な意味と文法的特徴を説明し、日常会話や文学作品での使用例を紹介しています。また、「pero」に関連する他の表現や語彙についても触れています。

スペイン語マンツーマン経験豊富な先生が指導>>まずは、無料体験から

まずは、無料体験から

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます