スペイン語「さようなら」完全ガイド|Adiós, Chao, Hasta… 状況別・丁寧さ別 使い分け15選
¡Hola! スペイン語でのコミュニケーションを楽しんだ後、最後の締めくくりとなるのが「別れの挨拶」です。日本語でも「さようなら」だけでなく、「またね」「バイバイ」「じゃあね」「失礼します」など、相手や状況によって様々な言い方をしますよね。スペイン語も全く同じで、別れ際の挨拶にはたくさんのバリエーションがあります。
「Adiós (アディオス)」が有名ですが、実はこれ以外にも頻繁に使われる表現がたくさんあり、使う相手や次に会う予定の有無、丁寧さのレベルによって使い分けることが、より自然で円滑なコミュニケーションの鍵となります。「Adiós」を多用すると、場合によっては少し距離を置いた、あるいは「もう会わない」というニュアンスに受け取られてしまう可能性も…?
この記事では、そんな誤解を避け、状況に合ったスマートな別れの挨拶ができるように、スペイン語の「さようなら」「またね」にあたる表現を15個厳選し、それぞれの意味、ニュアンス、丁寧さのレベル、具体的な使い方を例文とともに徹底解説します!
このガイドを読めば、あなたは…
- カジュアルな「またね!」からフォーマルな「さようなら」まで、様々な別れの挨拶を使い分けられます。
- 「Adiós」の本当のニュアンスと、使うべき場面が理解できます。
- 「Hasta luego」「Hasta mañana」など、次に繋がる挨拶を状況に応じて選べます。
- 目上の人やビジネスシーンで使える丁寧な別れの言葉が身につきます。
- 別れ際に添える気の利いた一言も学べます。
- スペイン語での別れの挨拶に自信がつき、コミュニケーションがより豊かになります!
別れ際の印象は、次に繋がる大切な要素です。心のこもった挨拶で、良い関係を築いていきましょう!
目次
別れ際の印象が大切!スペイン語でスマートに「さようなら」を伝えよう
楽しい会話や実りある会議の後、最後の挨拶がぎこちなかったり、場違いだったりすると、少し残念な気持ちになりますよね。逆に、相手や状況にぴったりの言葉で別れを告げることができれば、お互いに気持ちよく、そして「また会いたいな」というポジティブな余韻を残すことができます。
スペイン語には、そのための表現がたくさん用意されています。友達に気軽に言う「バイバイ!」から、お世話になった方への丁寧な「失礼いたします」まで、場面に応じて使い分けることが、洗練されたコミュニケーションの第一歩です。
まずは、親しい間柄で使われるカジュアルな表現から見ていきましょう。

友達には「¡Chao!」や「¡Nos vemos!」で元気に!
【カジュアル編】友達や親しい人に気軽に使う「またね!」バイバイ!
家族、友人、気の置けない同僚など、親しい間柄で使うフランクな別れの挨拶です。
1. ¡Chao! (チャオ) – 最も気軽な「バイバイ!」【使用注意】
¡Chao!
(チャオ)
イタリア語の「Ciao」と同じ語源ですが、スペイン語では別れ際に限定して使われます。「バイバイ!」「じゃあね!」というニュアンスで、非常にカジュアルです。若者の間や親しい友人同士で頻繁に使われますが、目上の人やフォーマルな場面では絶対に使わないようにしましょう。失礼にあたります。
A: Me voy ya. (メ ボイ ジャ) – もう行くね。
B: ¡Vale! ¡Chao! (バレ! チャオ!) – OK! バイバイ! (Vale = OK)
2. Nos vemos (ノス ベーモス) – 「また会おうね!」仲間内の定番
Nos vemos
(ノス ベーモス)
直訳すると「私たちは会い見える」という意味ですが、「また会おうね!」「じゃあね!」というニュアンスで、非常にポピュラーなカジュアルな別れの挨拶です。「Chao」よりは少しだけ丁寧さがありますが、基本的には友人や同僚など、対等な関係で使います。次に会う予定が決まっていなくても使えます。
A: ¡Qué divertido hoy! (ケ ディベルティード オイ!) – 今日はなんて楽しかったんだ!
B: ¡Sí! Bueno, nos vemos. (スィ! ブエノ, ノス ベーモス) – うん!さて、じゃあまたね。
3. Cuídate (クイダテ) – 「元気でね」「気をつけてね」相手を気遣う一言
Cuídate (mucho)
(クイダテ (ムーチョ))
動詞「cuidarse(自分自身の面倒を見る、気をつける)」の命令形(親しい相手への)。「体に気をつけてね」「元気でね」と相手の健康や安全を気遣う温かい別れの言葉です。少しの間会えなくなる時や、相手が疲れている時などにも使えます。「mucho(たくさん)」を付けると、より強調されます。これも親しい間柄で使う表現です。
A: Voy a viajar por un mes. (ボイ ア ビアハール ポル ウン メス) – 1ヶ月間、旅行してくるよ。
B: ¡Qué bien! ¡Cuídate mucho! (ケ ビエン! クイダテ ムーチョ!) – いいね!すごく気をつけてね!
【頻出】一般的な「またね」:幅広い相手・場面で使える便利フレーズ
次に、カジュアルすぎず、かといって堅苦しくもない、日常会話で非常に使い勝手の良い「またね」系の表現です。
4. Hasta luego (アスタ ルエゴ) – 最も万能!「また後でね」の定番
Hasta luego
(アスタ ルエゴ)
おそらく、スペイン語圏で最も頻繁に使われる別れの挨拶の一つでしょう。「luego」は「後で」という意味で、「また後でね」が直訳。次にいつ会うか具体的に決まっていなくても、「また近いうちに」というニュアンスで、友人、同僚、お店の人、少し距離のある相手など、非常に幅広い相手や場面で使える便利なフレーズです。迷ったらこれを使えば間違いが少ないでしょう。
(お店を出る時)
客: Gracias. Hasta luego. (グラシアス. アスタ ルエゴ)
店員: De nada. Hasta luego. (デ ナーダ. アスタ ルエゴ)
5. Hasta pronto (アスタ プロント) – 「またすぐにね」近いうちの再会を期待して
Hasta pronto
(アスタ プロント)
「pronto」は「すぐに」という意味。「またすぐにね」というニュアンスで、「Hasta luego」よりも比較的近い将来の再会を期待している場合に使われます。例えば、数日中にまた会うだろう、といった場面です。
次の約束がある時の「またね」:具体的な再会の時を伝える
次に会う日時が具体的に決まっている場合は、それを伝えることで、より明確な別れの挨拶になります。
6. Hasta mañana (アスタ マニャーナ) – 「また明日」
Hasta mañana
(アスタ マニャーナ)
「mañana」は「明日」。学校や職場で、明日も確実に顔を合わせる同級生や同僚に対して使います。
7. Hasta el + [曜日] (アスタ エル + [曜日]) – 「また月曜/火曜に」など
次に会う曜日が決まっている場合は、「Hasta el + [曜日名]」と言います。(曜日は通常男性名詞なので定冠詞は el)
- Hasta el lunes (アスタ エル ルネス) – また月曜日に
- Hasta el martes (アスタ エル マルテス) – また火曜日に
- Hasta el miércoles (アスタ エル ミエルコレス) – また水曜日に
- Hasta el jueves (アスタ エル フエベス) – また木曜日に
- Hasta el viernes (アスタ エル ビエルネス) – また金曜日に
- Hasta el sábado (アスタ エル サバド) – また土曜日に
- Hasta el domingo (アスタ エル ドミンゴ) – また日曜日に
(金曜日の別れ際に)¡Buen fin de semana! Hasta el lunes. (ブエン フィン デ セマナ! アスタ エル ルネス) – 良い週末を!また月曜日に。
8. Hasta la próxima semana (アスタ ラ プロキシマ Семаナ) – 「また来週」
Hasta la próxima semana
(アスタ ラ プロキシマ セマーナ)
「próxima semana」は「来週」。来週また会う予定がある場合に。「semana」は女性名詞なので定冠詞は「la」。
【応用】Hasta + [具体的な日時やイベント]
「Hasta」の後には、様々な時間やイベントを表す言葉を続けることができます。
- Hasta entonces (アスタ エントンセス) – それまで(次に決まっている時まで)
- Hasta la próxima vez (アスタ ラ プロキシマ ベス) – また次回
- Hasta la fiesta (アスタ ラ フィエスタ) – またパーティーで
少し距離のある別れ:「さようなら」とそのニュアンス
毎日会うわけではない相手や、少し改まった場面、あるいは長期の別れに使われる表現です。
9. Adiós (アディオス) – 伝統的な「さようなら」、少し改まった響き
Adiós
(アディオス)
スペイン語の「さようなら」として最も有名ですが、日常的な「またね」という意味では「Hasta luego」や「Chao」の方がよく使われます。「Adiós」は、少し距離感のある相手に使ったり、しばらく会えなくなることが予想される場合、あるいは少し改まった場面で使われる傾向があります。お店を出る時に店員さんに言うこともあります。
【深掘り】「Adiós」は「永遠の別れ」?誤解と本当のニュアンス
よく「Adiósはもう二度と会わないような、永遠の別れの言葉だ」という説明を聞くことがありますが、これは必ずしも正しくありません。
確かに語源は「A Dios(神へ)」であり、昔は「神に(あなたのことを)委ねます」といったニュアンスがあったとされます。そのため、非常に重い、長期の別れを連想させることもあります。特に、冷たい言い方や深刻な表情で言うと、「もう会いたくない」という拒絶のニュアンスに受け取られる可能性はあります。
しかし、現代スペイン語においては、そこまで重い意味合いはなく、単に「さようなら」という一般的な別れの挨拶として使われる場面も多くあります。例えば、電話を切る時や、エレベーターで別れる時など、特別な感情なく使われることも普通です。
重要なのは、「Hasta luego」などに比べて、ややフォーマルで、少し距離を置いた響きを持つという点です。そのため、毎日顔を合わせる親しい友人に毎回「Adiós」と言うのは少し不自然に聞こえるかもしれません。
結論として、「Adiós」は状況によっては重く響く可能性もあるものの、決して「永遠の別れ」専用の言葉ではありません。ただし、日常的な「またね」としては、「Hasta luego」などの方が使いやすいでしょう。
10. Hasta la vista (アスタ ラ ビスタ) – 「また会う日まで」は映画の世界?
Hasta la vista
(アスタ ラ ビスタ)
「vista」は「視界、景色、会うこと」。「また会う時まで」という意味です。映画『ターミネーター2』の有名なセリフ “Hasta la vista, baby.” で世界的に知られるようになりましたが、現代の日常会話ではほとんど使われません。少し古風で、芝居がかった響きがあります。知識として知っておくのは良いですが、実際に使うのは避けた方が無難でしょう。

Que tenga un buen día / Que le vaya bien – 丁寧な別れの言葉
【丁寧表現】目上の人やビジネスシーンでの適切な別れの挨拶
目上の人、取引先、お客様など、敬意を払うべき相手に対して使う、丁寧な別れの表現です。これらの表現では、丁寧な二人称「Usted」に対する動詞の形(主に接続法現在形)が使われます。
11. Que tenga un buen día (ケ テンガ ウン ブエン ディア) – 「良い一日をお過ごしください」
Que tenga un buen día
(ケ テンガ ウン ブエン ディア)
英語の “Have a nice day!” に相当する丁寧な表現。「tenga」は動詞「tener(持つ)」の接続法現在三人称単数形。「あなたが良い一日を持つことを願っています」という意味合いです。お店を出る時などに店員さんから言われることも多いです。
12. Que tenga un buen fin de semana (ケ テンガ ブエン フィン デ セマナ) – 「良い週末をお過ごしください」
Que tenga un buen fin de semana
(ケ テンガ ウン ブエン フィン デ セマーナ)
「fin de semana」は「週末」。金曜日の別れ際などに使われる丁寧な挨拶です。
13. Que le vaya bien (ケ レ バジャ ビエン) – 「うまくいきますように / ごきげんよう」
Que le vaya bien
(ケ レ バジャ ビエン)
「vaya」は動詞「ir(行く)」の接続法現在三人称単数形。「le」は丁寧な「あなたに」。「あなたに物事が良く進みますように」→「うまくいきますように」「ごきげんよう」という意味になります。別れ際に相手の今後の幸運や成功を祈る、非常に丁寧で汎用性の高い表現です。ビジネスシーンでもよく使われます。
丁寧さの鍵:接続法現在形 (tenga, vaya) と Usted の意識
これらの丁寧な表現では、動詞が少し特別な形(接続法現在形)になっています。これは願望や祈り、丁寧な依頼などを表す際に使われる形です。また、「le」や動詞の三人称単数形は、丁寧な二人称「Usted」を対象としていることを示しています。文法的な詳細は難しいですが、「これらの形が丁寧なんだな」と認識しておきましょう。
【応用編】シチュエーション別!別れ際に添えたい気の利いた一言
「またね」や「さようなら」の言葉に、状況に合わせた一言を添えることで、より心のこもったコミュニケーションになります。
14. ¡Buen viaje! (ブエン ビアヘ!) – 旅立つ人へ「良い旅を!」
¡Buen viaje!
(ブエン ビアヘ!)
これから旅行や出張に出かける人への定番の言葉です。「良い旅を!」
15. ¡Mucha suerte! (ムーチャ スエルテ!) – 「幸運を祈る! / 頑張って!」
¡Mucha suerte!
(ムーチャ スエルテ!)
「たくさんの幸運を!」という意味。試験や試合、新しい挑戦などに向かう相手への励ましの言葉。「頑張って!」というニュアンスでも使えます。
楽しかったです:Ha sido un placer / Me lo he pasado bien
- Ha sido un placer (conocerte/le). (ア シード ウン プラセール (コノセルテ/レ)) – (あなたに会えて)光栄でした。/ 楽しかったです。(ややフォーマル)
- Me lo he pasado bien/genial. (メ ロ エ パサード ビエン/ヘニアル) – 楽しかったです/最高でした。(よりカジュアル)
連絡を取り合う場合:Hablamos / Te llamo / Escríbeme
- Hablamos (pronto). (アブラーモス (プロント)) – (近いうちに)話そうね。
- Te llamo (luego). (テ ジャモ (ルエゴ)) – (後で)電話するね。(親しい相手へ)
- Le llamo (más tarde). (レ ジャモ (マス タルデ)) – (後ほど)お電話します。(丁寧)
- Escríbeme. (エスクリベメ) – メッセージ/メールしてね。(親しい相手へ)
発音のヒント:カタカナを超えて、より自然なスペイン語を目指すために
この記事ではカタカナで読み方の目安を示しましたが、これはあくまで補助的なものです。より自然な発音のためには、以下の点に注意し、ネイティブの音声を聞いて練習することが不可欠です。
- アクセント: スペイン語はアクセントの位置が意味を区別することもあるため重要です。
- Rの音: 語頭やRRでは巻き舌、語中では軽く弾く音。
- Jの音: 喉の奥からの摩擦音(ハ行に近い)。
- LL/Yの音: 地域差あり(ジャ行、ヤ行など)。
- Ñの音: ニャ行の音。
- Hは発音しない。
- 母音ははっきりと: 日本語のように曖昧にせず、アエイオウをはっきり発音する。
まとめ:「さようなら」を状況に合わせて使い分けて、次につながる良い関係を築こう
スペイン語の「さようなら」「またね」には、実に様々な表現があることがお分かりいただけたでしょうか? 相手との関係性、次に会う予定、丁寧さのレベルなどを考慮して、最適な言葉を選ぶことが大切です。
別れの挨拶 使い分け ポイント:
- 親しい友達には: ¡Chao!, Nos vemos, Cuídate
- 日常で幅広く: Hasta luego (最も万能), Hasta pronto
- 明日/来週など予定があれば: Hasta mañana, Hasta la próxima semana
- 少し改まった/長期の別れ: Adiós (ニュアンスに注意)
- 目上の人/フォーマル: Que tenga un buen día/fin de semana, Que le vaya bien
- +α: 状況に合わせて ¡Buen viaje!, ¡Mucha suerte! などを添える
完璧な使い分けを最初から目指す必要はありません。まずは「¡Hola!」で出会い、「Gracias」で感謝し、「Hasta luego」や「Adiós」で別れる、という基本ができれば十分です。そして少しずつ、状況に合わせて他の表現も試してみてください。
心を込めた別れの挨拶は、相手に良い印象を与え、次回の再会をより楽しみなものにしてくれます。この記事が、あなたのスペイン語コミュニケーションを豊かにする一助となれば幸いです。¡Hasta pronto!