親しみを込めてスペイン語で呼ぶ:友達・恋人の呼び方

    1. スペイン語単語・活用

    今回のテーマは、親しい相手に対するスペイン語の「呼び方」です。スペイン語には友達や恋人を呼ぶ時に使われるさまざまな言葉があります。みなさんはいくつ知っているでしょうか。

    親しみを込めてスペイン語で呼ぶ:友達・恋人の呼び方

    友達への呼び方、それぞれの意味と解説

    個々に呼びかける時には名前を呼び捨てにするのが一般的ですが、親しみを込めた呼び方は他にもいろいろあります。ネイティブのように気軽に呼び合えるようになれば、さまざまなシチュエーションで仲を深めていけますよ!

    amigo/amiga:友達

    amigo/amiga(アミーゴ/アミーガ)は、スペイン語で「友達」を意味する単語です。

    実際に友達を呼ぶ言葉としては、スペインでは使われていません。中南米では何かを説得したい時や、カジュアルなノリで呼びかける時などに、amigo/amiga が使われることがあります。

    「いいじゃないか〜友達なんだから」といったニュアンスを含み、頼みにくいことをお願いしたり、交渉したりする場面で使われることも。

    相手が男性なら amigo、女性なら amiga。複数を指す場合は amigos/amigas(アミーゴス/アミーガス)となります。

    amigo/amiga の使い方】

    ¡Hola amigos!¿Qué tal?

    オラ アミーゴス, ケ タル

    やあ、みんな!元気?

    ¿No me haces un descuento, amigo?

    ノー メ アセス ウン ディスクエント, アミーゴ

    なあ、ちょっと割引してくれよぉ、友達だろ?

    guapo/guapa:ハンサム/美人

    guapo(グアポ)は男性に対して「かっこいい」、guapa(グアパ)は女性に対して「美しい、美人」ということを表す単語です。この言葉は親しい友人をはじめ家族や知人、時には他人にも使われます。

    友達や家族を「かっこいい」「かわいい」と褒めるのはスペイン語圏では当たり前のこと。年齢を問わず、小さな子からお年寄りにも、¡Hola guapo/guapa! (オラ グアポ/グアパ)「やぁ、ハンサム!/ハイ、美人さん」と声をかけるのは、日常の挨拶のようなものです。

    市場に買い物へ行けば、見ず知らずの魚屋さんから「いらっしゃい、グアパ!」「注文は何にするかい、グアポ?」と話しかけられることも。

    いきなり「かっこいい」「美人」と直接言われたら驚くかもしれませんが、このように呼んで親しみやすい空気を作っていくのがスペイン語圏の文化なのです。

    guapo/guapa のよくある使い方】

    Adiós guapa. ¡Hasta la próxima!

    アディオス グアパ. アスタ ラ プロキシマ

    じゃあね、グアパ。また今度!

    ¡Cuánto tiempo sin verte, guapo!

    クアント ティエンポ シン ベルテ, グアポ

    久しぶりだな、イケメン!

    Venga, guapas, daos prisa.

    ベンガ, グアパス, ダオス プリサ

    ほら、かわいい子たち、 急いでちょうだい。

    スペイン語の友達の呼び方

    tío/tía:叔父/叔母

    tío(ティオ)はスペイン語で「叔父」、tía (ティア)は「叔母」という意味です。通常は父母の兄妹を表す言葉ですが、友人を呼ぶ時にも使われます。

    tío/tía は、amigo/amiga よりもさらに親しみを感じさせる呼び方です。長い付き合いのある旧友や、仲良しの親友たちと楽しく会話をしている合間によく飛び交う言葉。

    ただし、時には Ese tío tiene mucha cara(エステ ティオ ティエネ ムーチャ カラ)「あいつは図々しいやつだ」 というように、軽蔑の意を込めて使われる場合もあります。

    日本語に直訳すると「叔父さん」「叔母さん」ですが、老けているとか、親戚の叔父さん扱いをしているという意味ではありませんよ!

    【男友達や彼に対する表現】

    Oye, tío, ¡qué guapo estás hoy!

    オジェ ティオ, ケ グアパ エスタス オイ

    ねぇ、ティオ、今日はすごくイケメンじゃない!

    【女友達や彼女に対する表現】

    No te enfades, tía, que yo no tengo la culpa.

    ノー テ エンファデス ティア, ケ ジョ ノー テンゴ ラ クルパ

    怒らないでくれよ、ティア、僕のせいじゃないんだから。

    【複数の男友達に対する表現】

    ¡Eh, tíos! ¿Queréis otra cerveza?

    エー、ティオス. ケレイス オートラ セルベッサ

    ねぇ、おまえたち、もう一杯ビール飲む?

    hijo/hija:息子/娘

    hijo (イホ)は「息子」、hija(イハ)は「娘」という意味です。本当の子供に対してではなく友人や親しい間柄の相手にこの言葉を使うのは、その相手をとても可愛がっている、もしくは逆に子供を叱るように厳しく接しているシーンです。

    例えば、冗談を言っている友人とふざけあいながら話をしていたり、わがままを言う仲間に面白おかしく突っ込みを入れたり、文句を言ったり。そんな時に相手をまるで子供を呼ぶようにこう言うのです。

    「私の」という言葉を付け加えて、mi hijo/mi hija(ミ イホ/ミ イハ)または hijo mío/hija mía(イホ ミオ/イハ ミア)「私の息子/娘」と呼ぶことも。この表現には「なにやってるの、私の可愛い息子よ!」「さすが、私の可愛い娘ちゃん!」といった甘いニュアンスが含まれています。

    【女友達または彼女に対する表現】

    ¡Ay, hija, no te preocupes!

    アイ イハ, ノー テ プレオクペス

    あぁ、娘よ、心配しないで。

    【男友達に物申す時の表現】

    ¡Bueno, hijo, qué quejica eres!

    ブエノ, イホ, ケ ケヒカ エレス

    おい、おまえはなんて泣き虫なんだ!

    【男友達に対して厳しく叱る表現】

    Hijos, parecéis tontos.

    イホス, パレセイス トントス

    おまえたち、バカかッ。

    hombre / mujer:男/女

    hombre(オンブレ)は「男性」、mujer(ムヘール)は「女性」を表す単語です。距離の近い友達を呼ぶ言葉で、何かを言い聞かせる時や説得したい時、親しみを込めてアドバイスする時などに使われます。

    hombre は「Hey Men!」のように「やぁ!」「よぉ!」と軽く声をかける言葉としても一般的。特定の誰かを呼ぶのではなく、「おい」「うーん」「なんだって!?」といったリアクションとしても「オンブレ〜!」と言うことがあります。

    【男友達に対する表現】

    Si no te gusta, no te lo comas, pero no lo tires, ¡hombre!

    シー ノー テ グスタ, ノー テ ロ コマス, ペロ ノー ロ ティレス, オンブレ

    嫌いなら食べなくていいよ、でも捨てるなよ、おまえ。

    【女友達に対する表現】

    Vamos, mujer, todo se va a arreglar.

    バモス, ムヘール, トド セ バ ア アレグラール

    さぁ、友よ、すべてうまくいくさ。

    【友達を呼んでいるのではなく、リアクションとしての表現】

    Hombre, yo pienso que este coche es mejor.

    オンブレ, ジョ ピエンソ ケ エステ コチェ エス メホール

    まぁ、この車のほうがいいと思うよ。

    スペイン語の恋人の呼び方

    恋人への呼び方

    続いては、恋人同士の呼び方を見ていきましょう。お互いの愛情を示す言い方がいくつかあるので、ニュアンスの違いに注目してみてください。

    cariño:ハニー/ダーリン

    cariño(カリーニョ)は「愛、いとしさ」という意味の単語です。男性名詞でありながら男性に対してだけではなく女性にも使われるというのがポイント。通常スペイン語では名詞や形容詞を性と一致させますが、cariño は男性にも女性にも使う呼び方だと覚えておきましょう。

    「愛しい人」「大事なあなた」といったニュアンスで、英語でいうダーリン・ハーニーのようなものです。

    ¿Qué pasa,cariño?(ケ パサ カリーニョ)「どうしたの、ダーリン?」、¿Qué quieres,cariño?(ケ キエレス カリーニョ)「何がほしいんだい、ハニー」というように、会話の語尾に付け加えるなどして使われます。

    【恋人や夫、息子に使う表現】

    Cariño, ¿me pasas la cuchara?

    カリーニョ, メ パサス ラ クチャラ

    ねえあなた、スプーンを取ってくれない?

    【恋人や妻、娘に使う表現】

    Venga, vámonos a casa, cariño.

    ベンガ, バモス ア カサ, カリーニョ

    さぁ、可愛い子、家に帰ろう。

    【恋人や夫に使う表現】

    ¡Qué bueno eres, cariño!

    ケ ブエノ エレス, カリーニョ

    なんて素敵な人なの、あなたは!

    mi amor:私の愛する人

    mi amor(ミ アモール)は「私の愛する人、最愛の人」という意味のストレートな愛の言葉。自分で口にするのは少し照れくさい気がするかもしれませんが、スペイン語では普通に使われている表現です。

    恋人同士が呼び合う言葉でもあれば、親や親戚たちが子供を呼ぶ時、または友達同士で面白く言い合う時にmi amor と声をかけることも。

    cariño と同様に amor も男性、女性どちらに対して使う時も形は変わらず mi amor となります。

    mi amor のロマンチックな使い方】

    ※次の例文はいずれも彼氏、彼女、どちらにも使える表現です。

    Mi amor, te llamo esta noche.

    ミ アモール, テ ジャモ エスタ ノーチェ

    ねえ、あなた、今晩電話するからね。

    Te lo dije ayer, mi amor.

    テ ロ ディヘ アジェール, ミ アモール

    愛しい人よ、昨日も言ったよね。

    ¡Ay, amor, qué bien me lo paso contigo!

    アイ, アモール, ケ ビエン メ ロ パソ コンティーゴ

    ああ、あなたと一緒だとどんなに楽しいことか。

    スペイン語の恋人

    corazón:ハート

    corazón(コラソン)は「心、ハート、心臓」という意味。自分の心の中にいつもいる大事な人に対する愛情表現です。相手が男性でも女性でも形は変わらず、彼氏・彼女・夫・妻・息子・娘・兄妹などを呼ぶ時に使われます。

    【corazón のパートナーへの使い方】

    Corazón, ¿a dónde quieres ir de viaje por nuestro aniversario?

    コラソン, ア ドンデ キエレス イル デ ビアヘ ヌエストロ アニベルサリオ

    ねぇ、ダーリン、記念日はどこに旅行する?

    Laura, corazón, ¿te ayudo con eso?

    ラウラ, コラソン, テ アユード コン エソ

    僕のラウラ、 手伝おうか?

    Carlos, corazón, no te olvides de llamarme mañana.

    カルロス, コラソン, ノー テ オルビデス デ ジャマルメ マニャーナ

    私のカルロス、明日私に電話してね、忘れないでよ。

    princesa:お姫様

    「プリンセス、お姫様」という意味の単語 princesa(プリンセサ)。男性がパートナーの女性を呼ぶ時に使われる愛情がこもった言葉です。日々「お姫様」と呼ばれて大切にされている女性たちは、幸せですね。

    princesa の甘い使い方】

    Adiós, princesa, te llamo luego.

    アディオス, プリンセサ, テ ジャモ ルエゴ

    またね、プリンセス。あとで電話するよ。

    Buenos días, princesa.

    ブエノス ディアス, プリンセサ

    おはよう、お姫様。

    ¡Qué guapa estás con el vestido nuevo, princesa!

    ケ グアパ エスタス コン エル ベスティード ヌエボ, プリンセサ

    新しいワンピース姿が本当にきれいだよ、僕のプリンセス。

    precioso/preciosa:大切な人/美しい人

    precioso/preciosa(プレシオソ/プレシオサ)は、「貴重な・見事な・美しい・可愛らしい」という意味を持つ単語。パートナーを慰める時、甘えたい時、愛情を示す時などに使う呼び方です。

    【precioso/preciosa の恋人への使い方】

    Dame un beso, precioso.

    ダメ ウン ベソ, プレシオーソ

    キスをちょうだい、大切なあなた。

    ¡No llores, preciosa!

    ノー ジョレス, プレシオサ

    泣かないで、可愛いキミ。

    その他のさまざまな恋人の呼び方

    他にも次のような言葉がパートナーとの会話で使われています。ユーモアのある表現やキュートなニックネームなど、親しい間柄だからこそできる愛嬌のある呼び方です。

    • mi vida(ミ ビダ)私の人生
    • (mi) tesoro(ミ テ ソロ)私の宝物
    • (mi) cielo(ミ シエロ)私の空
    • hermoso/hermosa(エルモソ/エルモサ)私の美しい女性
    • cosita(コシータ)小さなもの
    • bonito/bonita(ボニート/ボニータ)可愛い子
    • peque(ペケ)小さいあなた
    • rey/reina(レイ/レイナ)王様、女王様

    スペイン語の呼び方の文化的背景

    スペイン語圏の多くの地域では、小さな頃から「あなたは可愛い」「かっこいい」「プリンセス」「私の宝物」と、親や周囲の人たちに言われて育ちます。

    家族を大切にし、惜しみなくたっぷりの愛情を注ぎながら“褒めて育てる”のがスペインの子育ての文化。そんな環境に囲まれて生きているスペイン語圏の人々は、愛情を向けられることに慣れ、当たり前のように自分以外の人を褒めます。時には、ややオーバーなくらいに。

    恋人や友達に対しても、そんな愛情の形がさまざまな呼び方に現れているといえます。中には相手に文句を言う時に使うネガティブなニュアンスを含む呼び方もありますが、親しい友達や恋人同士の間では、ポジティブな意味を持つ言葉がほとんどです。

    親しみの表現と社交的な側面

    今回ご紹介した呼び方は、親しい間柄で使われているものです。お互いを知っているからこそ呼べる・受け入れられる言葉であり、フランクに会話できる間柄や、プライベートな関係で用いられています。

    ビジネスシーンやフォーマル場、まだそれほど親しくない間柄では、相手に失礼にあたることもありますので、使う相手と場所には注意してくださいね。

    友達同士・恋人たちの会話例

    友達同士の会話

    Juan: Te veo cansado. ¿Qué te ha pasado, tío?

    テ ベオ カンサード. ケ テ ア パサード, ティオ

    疲れているみたいだね。ねぇ、ティオ、どうしたの?

    Taro : No dormí bien anoche porque había unos mosquitos en mi habitación y me picaban.

    ノー ドルミ ビエン アノーチェ ポルケ アビアン ウノス モスキートス エン ミ アビタシオン イ メ ピカバン

    昨晩はよく眠れなかったんだ。部屋に蚊がいて、刺されちゃって。

    Juan:  Hombre, ¿por qué no compras velas anti-mosquitos? Se venden en supermercados y funcionan muy bien, tío.

    オンブレ, ポル ケ ノー コンプラス ベラス アンティ モスキート. セ ベンデン エン スペルメルカドス イ フンシオナン ムイ ビエン, ティオ

    なんだ、蚊よけのロウソクを買えばいいじゃないか。スーパーで売っているよ。すごく効果があるんだよ、ティオ。

    Juan: ¡Hola! ¿Qué tal, guapa?

    オラ. ケ タル, グアパ

    やぁ、グアパ、元気?

    Silvia: No muy bien,  tío. He vuelto a discutir con Carlos.

    ノー ムイ ビエン, ティオ. エ ブエルト ア ディスクティール コン カルロス

    いまいちだわ、ティオ。またカルロスと口ゲンカしてね。

    Juan: ¡Vaya! ¿Por qué?

    バヤ. ポル ケ

    またか!どうして?

    Silvia: Pues, porque anoche salió con sus amigos y llegó muy tarde.

    プエス ポルケ アノーチェ サリオ コン スス アミーゴス イ ジェゴ ムイ タルデ

    だって、昨日の夜に友達と出かけてすごく遅く帰ってきたのよ。

    Juan: Ay, hija, es que eres demasiado controladora. Deja que llegue cuando quiera, que no es un niño.

    アイ, イハ, エス ケ エレス デマシアード コントロラドーラ. デハ ケ ジェゲ クアンド キエラ, ケ ノー エス ウン ニーニョ

    ああ、イハ(娘よ)。それはちょっと干渉しすぎだよ。もう子供じゃないんだから、自分の好きな時間に帰ってくればいいじゃないか。

    恋人間の甘いやり取り

    Pedro: ¿Qué te pasa, bonita?

    ケ テ パサ, ボニータ

    どうしたんだい、ボニータ(かわいい子)。

    Carla: Mañana operan a mi padre y estoy un poco preocupada.

    マニャーナ オペラン ア ミ パドレ イ エストイ ウン ポコ プレオクパダ

    明日父が手術を受けるからちょっと心配で。

    Pedro: No te preocupes, mi vida, ya verás como todo saldrá bien.

    ノー テ プレオクペス, ミ ビダ, ジャ ベラス コモ トド サルダラ ビエン

    大丈夫、心配しないで、ハニー。すべてうまくいくさ。

    Carla: Menos mal que te tengo a ti, tesoro. Si no, estaría muy nerviosa.

    メノス マル ケ テンゴ ア ティ, テソーロ. シー ノー, エスタリア ムイ ネルビオーサ

    あなたがいてくれて良かった、ダーリン(私の宝物)。もしあなたがいなかったら、私はもっとナーバスになっていたわ。

    Carla: Cariño, ten cuidado, que vas a tirar el café.

    カルラ:カリーニョ, テン クイダード, ケ バス ア ティラール エル カフェ

    カリーニョ、気をつけて、コーヒーをこぼすわよ。

    Pedro: Ay, es verdad, gracias.

    アイ, エス ベルダッ, グラシアス

    ああ、本当だ、ありがとう。

    Carla: ¡Qué despistado eres, mi amor!

    ケ デスピスタード エレス, ミ アモール

    もう、ぼんやりしてるんだから、私の恋人は。

    Pedro: No todos podemos ser como tú, cielo.

    ノー トドス ポデモス セル コモ トゥ, シエロ 

    みんながキミのようにはなれないさ、シエロ(愛しい人よ)。

    まとめ

    スペイン語には日本語にはない表現がたくさんあります。呼び方を通して、人間関係の築き方も見えてきますね。スペイン語を習いながら、こうした文化の違いを知ることも楽しんでください!

    使えるスペイン語をカフェで習得
    何度でも聞ける上達する1対1レッスンはコスパ最強
    【先生を選んで、無料体験する!】

    開く

    この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます