スペインのパン屋さん=panadería には、毎朝焼きたての美味しいパンが売られています。
スペイン料理が並ぶテーブルにも欠かせない存在です。記事では、スペインでのパンの買い方や、主なパンの種類、さらにはパンにまつわるスペイン語の表現やイディオムについても詳しく説明しています。今回はスペインでのパンの買い方と、主なパンの種類についてご案内します。
スペインのパン屋さんとパンの種類:スペイン語で学ぶ
目次
会話
店員: ¡Buenos días!
おはようございます。
客:¡Buenos días! Me da dos baguettes y tres cruasanes, por favor.
おはようございます。バゲッドを2本と、クロワッサンを3つください。
店員: Sí.
はい。
客:Y… ¿Eso qué es?
それから……、あれは何ですか?
店員:Eso es una chapata integral. Está hecha con harina integral, y lleva cereales y semillas. Está muy rica.
あれは全粒粉のチャパタです。全粒粉の生地に穀物や種を混ぜて作ってあります。美味しいですよ。
客:Deme una también.
じゃあ、それも1つください。
店員: ¿Algo más?
ほかには何か?
客:Nada más. ¿Cuánto es?
それでいいです。おいくらですか?
店員:Cinco euros con sesenta.
5ユーロ60セントです。
ここに注目!
pan
パンは、スペイン語で pan(パン)。覚えやすいですね。
スペインのパン屋さんでは、通常のパン生地のほか全粒粉を使った生地とアレルギーを持った人向けのグルテンフリーの生地が扱われているのが一般的です。
¿Algo más?
Nada más.
パン屋に限らず、肉屋、魚屋、市場など対面販売をしている場所では最後に必ず「ほかに何かほしいものは?」という意味で「¿Algo más?」と聞かれます。
その時、ほかにもう買い物が無ければ「Nada más.」と答えるのがお決まりのフレーズです。
スペインのパン屋さんで売られている主なパンの種類
- pistola / barra 棒状のパン
- baguette 細長いフランス風パン
- chapata 平たい形をしたイタリア風のパン
- hogaza 伝統的な円形の大きなパン
- mollete ロールパン
- pan de molde 食パン
- pan integral 全粒粉のパン
- pan de centeno ライ麦のパン
- pan sin gluten グルテンフリーのパン
- pan sin sal 塩が入っていないパン
スペインのパン屋さんに並んでいるのは外側が硬いハード系が中心で、日本にあるようなふわふわと柔らかな種類は多くありません。パリッと香ばしいパンは、フレッシュなオリーブオイルに浸して食べると、とても美味しいですよ。
スペインを訪れたら、スペインならではの食べ方でパンをぜひ味わってみてください!
スペイン語でパンを表現する方法:基本から応用まで
スペイン語で「パン」に関連する表現やフレーズを学ぶ内容となっています。
「pan」(パン)を中心に、「pedazo」(かけら)、「el pan de cada dia」(日常茶飯事)、「Contigo pan y cebolla」(あなたと一緒なら貧しくても幸せ)など、パンに関連する表現やイディオムを解説しています。また、それぞれの表現が含まれる日常会話の例も提供しており、読者が実際の会話の中でどのようにこれら
さあ、今日も元気にスペイン語でコミュニケーション!今回のテーマは「pan(パン)」。
暑くて買い物に行きたくない二人。無事に夕飯を作れるのでしょうか。早速二人の会話を覗いてみましょう。
パンにまつわる会話表現
María: Hace tanto calor que no tengo ganas de salir de casa. Pero hay que ir a comprar algo para la cena.
こんなに暑いと、外に出たくないわね。でも夕飯の食料を買いに行かなくちゃ。
Yurika: ¿Por qué no intentamos aprovechar la comida que hay en casa? A ver qué hay en la cocina…
家にある食べ物で間に合わせてみない?台所に何があるかな…
María: Un pedazo de pan, tomates y ajos… con esto podemos hacer pan con tomate.
パンがひとかけら、あとトマトとニンニク…これでパンコントマテが作れるわね。
Yurika: ¡Buena idea! Siempre encontramos una solución… nos estamos ganando el pan todos los días. Seguro que hay algo más. Ah,he encontrado un pan de azúcar.
いいわね!いつだって何とかなるはずよ、私たちは毎日生活の糧を稼いでいるんだから。もっと何かあるはず…あ、角砂糖がひとつあった。
María: Esto es un pan de jabón… no es comida.
これは固形石鹸か…食べ物じゃないわね。
Yurika: Bueno, voy a abrir la caja de comida japonesa que me ha mandado mi madre.
しょうがないわ。母が送ってくれた日本食の小包を開けるわよ。
María: Eres más buena que el pan. Contigo pan y cebolla.
あなたはいい人ね。あなたと一緒なら、なにも無くてもても幸せだわ。
Yurika: “Ser más bueno que el pan” significa “ser muy buena persona”, lo recuerdo.
「あなたはパンよりも良い」って、たしか「あなたはいい人」という意味なのよね。
ワンポイント
pedazo
かけら
中途半端な大きさのパンの欠片は「un pedazo de pan」。
「ser un pedazo de pan(パンのかけらである)」という慣用句は「とてもいい人だ」という意味です。
María: Eres un pedazo de pan. Vas a abrir para mí la caja de comida que te ha mandado tu mamá…
あなたはいい人ね。私のために大切な食糧の箱を開けてくれるなんて…
Yurika: No sólo para tí, yo también como.
あなただけじゃなくて、私も食べるのよ。
el pan de cada dia
日常茶飯事
「毎日のパン」という直訳ですが、転じて「日常茶飯事のことである」という意味で使われます。
「毎日の食事のこと(茶飯事)」という日本語にも近い表現ですね。
María: Otra vez he perdido las gafas… soy tonta.
またメガネが見つからない…私って馬鹿ね。
Yurika: Es el pan de cada día. Ah, allí están, encima del ordenador.
よくあることよ。あ、そこのパソコンの上にあるわ。
pan
かたまり
食べるパンでなくても、なにか“固形のもの”を表す時に「pan」と言います。「pan de arcilla(粘土の塊)」など、食べ物でなくても使えます。
María: He pisado algo extraño, ¿qué es ésto?
ヘンなものを踏んじゃった、何かな?
Yurika: Es un pan de plastilina… Seguro que lo ha dejado tirado tu sobrino.
プラスチック粘土の塊だわ…間違いなく甥っ子さんが置いていったものよ。
Contigo pan y cebolla
あなたと一緒なら貧しくても幸せ
「あなたと一緒にパンと玉ねぎ」という直訳。
「パンと玉ねぎ」は粗食の代表“玉ねぎスープ”とパンの意味。「一緒ならもう何も要らないという」幸せなカップルのセリフです。
María: Ah, aquí hay más pan. También hay un montón de cebollas.
あ、ここにもっとパンがあった。玉ねぎもたくさんあったわ。
Yurika: Hagamos una sopa de cebolla con pan. Contigo pan y cebolla.
じゃあ今夜は、玉ねぎスープとパンね。あなたがいればもう何も要らないわ。
つ・ぶ・や・き
接頭辞の「pan-」は「全~」「汎~」というニュアンスを持ちます。「パノラマ(panorama)」と言えば「pan(全)+horama(景観)」という意味。
EU(欧州連合)のきっかけとなった「paneuropa(汎ヨーロッパ)」主義もありますね。「paneuropa」提唱者のカレルギー伯爵は東京生まれ。なんとお母様は日本人です。